暮らしに時間をかける

 

こちらへ来て、テレビもなくずいぶんとゆっくり時間が流れています。
東京で演劇活動をしていたときは、メチャメチャに忙しく、身体もこわしました。
心も身体も疲労して、稽古中は時間がなくコンビニ食。
疲れていると、よけいジャンクなものが食べたくなり・・・悪循環。
お肌には吹き出ものが、睡眠時間がたりなくていつも眠い。
こんな不健康な人が舞台に立ってお客様に観ていただいていいのか・・・?
そんな疑問をいだきつつ、ただ、お芝居・物語と共にステキなものを伝えていけるという情熱だけでなんとかやってきていました。
でも、環境問題、地球温暖化の危機が叫ばれている今日、
「時間がない」=自分の生活に時間がかけられないことは、ぜんぜんエコじゃない。
生活自体がコンビニエンスになっているのはいまや常識化しています。
東京の生活は、便利で快適で刺激に酔うこともできる。
それを選び、生涯を喜びとして過ごす生き方もあります。
私の場合は心身が疲労を蓄えていくのを感じていました。

 
「暮らしに時間をかける」
 
これは面倒で、時間もかかり、時には忍耐も必要です。
食料は買えばよいかもしれないけど、お米、野菜を作ります。
寒ければストーブをつければよいのに、一年前から薪を割ります。
そんなにあわてないで、柿が色づくのを待つのです。
 

 
ここに来るまで
月がこんなに明るいなんて知りませんでした。
街灯がついてるかと思いました。
明るくて木々の影がはっきり。時には青白く。
小学校の教科書にあった「モチモチの木」を思い出しました。
時代小説にもよく月明かりのシーンが描かれていますね。
 
震災後の計画停電で暗闇を改めて感じた方もいらっしゃったのではないでしょうか?
うちは停電じゃなくても暗い。
ここは夜、暗いんです。
こんな当たり前のこと。
 
うちの街灯は月です。
人の顔もはっきり見えます。
 
満月はさらに怖いくらいに美しい。
こんな日に何か起こるのは必然
狼男だって変身するし、人間だって、満月は出生率が高い!
畑の農作物も月明かりで成長するっていいますよね。
おそるべし、月パワー。
 
 
 

これがウチのちいさなトトロの森です。
洋ナシの木にキウイのツルが巻きついて、
脇には梅、柊、紫陽花、バラ・・・やらなんやら、と植わっているのです。
夏になり、草木の勢いが増すとあれよあれよ、とこんなに生い茂りました。
 
この中に何か居そうです。
トトロか、神さまか、妖怪か。
ウチの森が育てたキウイ。

 
 
ここに移住してきたばかりの年。
玄関前にポイっとしたかぼちゃの種がこんなになったことがありました
  
お隣の塀に巻きついちゃった.
でもステキ。
 
とても不便だけれど。
面倒くさいことがたくさんあるけれど。
とても時間がかかるけれど。
 
そんな風に生きていくことに決めました。
 

コメント

error:Content is protected !!