米粉パンについての学習

学びを深める(米粉パンについて)

 

「小麦粉」はパン、お菓子、麺類などさまざまなものに含まれていて、

それが当たり前と思って私たちは取り入れてきました。

しかし、近年

「小麦粉アレルギーになった」

「グルテンを減らすと体調が良くなった」

など、【グルテンフリー】の食事療法を実践する人も増えてきました。

 

そんな中、パンにおける市場もグルテンを減らした

ライ麦や全粒粉のパンを好む人も増え、さらには全くグルテンがない

グルテンフリー「米粉パン」も注目を集めるようになってきています。

今回の講座はそんな社会情勢もふまえ、自家製酵母を使った

グルテンなしの「米粉パン」を学ぶ講座となっています。

 

グルテンは身体に悪い?

 

そもそも、なぜ

「グルテンを取らない」

「控えたい」

というような風潮になってきたのでしょうか?

 

グルテンというのは、みなさんパン作りをやっていてご存じのとおり

穀物には「グリアジン」と「グリテニン」というタンパク質が含まれています。

それらが水を加えることで結びつき、グルテンになります。

生地のねばり、ですね。

このねばりを引き出し、グルテン膜を強くしていく作業が

「パンのこね作業」

になります。

酵母の働きによって発生されるガスを溜め込んで

パンを膨らませることができるのはグルテンの作用です。

パンをふくらませるのには重要な役割を担ってきているわけですね。

 

 

そのグルテンを摂取しないようにするグルテンフリーは、

セリアック病患者の食事療法として開発されました。

この病気はグルテンに対して異常な免疫反応が生じ、

自分自身を攻撃して腸の細胞が破壊されてしまう自己免疫疾患の1つです。

 

現在は、この病気を持っていなくても慢性的な不調の原因が「グルテン」で

それに気づかずにいる人が多いということです。

グルテンフリーを実践することで体質が改善したり、体調が良くなった

という人が増えているんですね。

海外のアスリートやモデル達がグルテンフリーの食生活を実践したところ、

健康的になった、成績が上がった、肌が整ったなどと話題になったことも

広まっていった背景だと思われます。

 

実のところ、アレルギーがない人に対しては、

グルテンフリーが健康に与える影響は

医学的には証明されていない ということだそうです。

 

しかし、私もレッスンでよくお話していますが

現在パンなどで使われている小麦は、古来の小麦粉とはまったく違うもので

遺伝子操作、品種改良が繰り返され、大量生産される安価な小麦粉の成分には

中毒性が指摘されている、ということです。

古代麦のスペルト小麦はアレルギー持っている人でも9割近く発症しないそうです。

 

私たちは、この講座をきっかけに本来の「素材」というものにも

意識を向けていけるようにしたいものですね。

 

 

米粉パンとは

 

さて、先ほどパンを膨らませる重要な役割として

「グルテン」についてお話しました。

ではグルテンのない米粉でどのようにパンになるのでしょうか?

 

米粉パンが膨らむ仕組み

米粉が水を加えると、澱粉が水分を吸収してねばりになります。

その中に気泡を含む仕組みになります。

グルテンで作った気泡とは違い、米粉の気泡は壊れやすいのが特徴です。

発酵によって炭酸ガスを米粉のでんぷん質が取り囲み

焼成すると気泡は更に大きくなります。

その壊れやすい気泡が抜ける前に澱粉をα化(糊化)させ

一気に焼き固め、ガスを生地の中に留められることでパンが膨らみます。

 

小麦粉の生地のようにしっかりこねる必要はなく

こねずに均一に混ぜて手早くまとめる、ということが大切になります。

 

さらに不安定だとされる「自家製酵母」を使う時には

温度管理と発酵機能を使っていく方がおすすめです。

 

 

米粉パン作りのポイントと注意点

1)こねない、手早く均一に混ぜる

2)生地が荒れやすい(割れやすい)ので優しく扱う

3)温度管理をする・・・基本的に水温(水、酵母)を20〜25℃くらいに調整し準備をお願いします。

4)発酵機能を使う・・・30〜40℃で発酵(パンによって異なる)させていきます。

5)オーブンの風(コンベクション機能)を止めて焼く

 

=注意点=

1)乾燥しないように工夫・・・オイルを塗る、霧吹きなど

2)焼きムラが出やすい・・・途中で天板を回す、など

 

 

自家製酵母と米粉パン

多くはドライイーストで作られている米粉パンです。

米粉の生地で作るということは、不安定な壊れやすい気泡となるので

酵母も強いものが適していると言えます。

今回の講座では酒種を中心にやっていきます。

 

酒種

ご飯と麹によって作る酵母種。

自家製酵母の中でも発酵力があり、ふんわりと仕上げる力を持っています。

米粉パンとも相性がいいので、ドライイーストに劣らぬパンが作れます。

 

レーズン酵母液

こちらも強い酵母です。

酵母液自体に甘みがあるので、生地も甘めになります。

発酵は酒種よりも時間がかかります。

焼成の時に色づきやすいので注意します。

 

ヨーグルト酵母液

この酵母も強い方なので、米粉パンに使ってみました。

酒種より発酵に時間がかかります。

淡白な味わいの生地になります。

 

その他の酵母

そのほかフルーツなど、通常小麦のパンで使うものでも

米粉パンに使うことは可能です。

ただ、発酵に時間がかかる割に固いパンになってしまいます。

実験的にいろいろ試すのは面白いと思います ^ ^

 

 

材料について

【レッスンで使っている材料】

米粉・・・九州産米ミズホチカラ(米粉パン専用)

 

オオバコ・・・井藤漢方製薬オオバコダイエット

砂糖・・・北海道産てん菜糖

塩・・・ギリシャ産天日塩

バター・・・よつ葉バター

 

「米粉」と「オオバコ」については吸水性が変わってきますので

同じものをお使いください。(初回お送りします)

そのほかの材料はご自分の好きなもので大丈夫です。

 

米粉パンの道具

米粉の生地特有の個性を生かしたパン作りになります。

 

・ホイッパー(泡立て器)

米粉の粒子は細かいのでホイッパーを使って、均一に混ぜていきます。

材料を加えた後しっかりと攪拌していきます。

 

・木のめん棒がおすすめ

小麦のパンとは違い、弾力がありません。

生地を伸ばしたり、広げたりするときに小麦のパンでは

ガス抜きめん棒を使っていますが、「木のめん棒」の方が優しく伸ばしていけます。

*なければガス抜きめん棒でも大丈夫です。

 

・温度計

パンを作る際に水温を測っていきます。

発酵をうまく促すためにぜひご用意いただけたらと思います。

 

 

型についてはこちらをご覧ください。

米粉パンレッスンで使う型について
パンの種類によって型を使っていきます。 レッスンで使う型をご紹介します。 ◎スクエア型(スクエアブレッド) スクエア型を使います。(18×18×4cm) 教室で使う型はこちらです。 ...

 

 

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