パン教室開業17年。
生徒さんの「なぜ?」に答えられなかった日から理論を学び直し気づいた、
2タイプの生徒さんと
「教えることが自分を一番育てる場所」
だというお話をさせていただきました。

天然酵母ぱん蔵の 椿留美子です。
お山での田舎暮らしを実践、発酵生活をしています。
そんな暮らしを踏まえながら、東京と山梨で自家製酵母を使って、
発酵器を使わない、ほったらかしの「ゆるパン」教室を2009年より始めました。
現在は仕事で使いたい方、深く極めたい方向けのプロ向け講座をやっています。
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教えることで変わった——生徒の「なぜ?」に答え続けてわかった、私の技術の盲点【天然酵母パン講師の話】
教え始めて、今年で17年目に入りました。
あっという間だったなあ、と思う反面、
本当にいろんなことがあったもんだなあ、とも思います。
今日はね、開業してすぐのころの、
ちょっと恥ずかしいお話をさせてください。
パンが焼けることと、教えられることは「別の話」だった
「なぜパンは膨らむんですか?」——答えられなかったあの日

私が最初に教室を始めたのは、東京に住んでいた頃のこと。
まだ山梨に移住する前、ママ友たちとのサークル的なところから、
自然に始まりました。
「パンが好き」「焼けるんだから教えてみよう」
そんな軽い気持ちで飛び込んだんですよね。
で、ある日。
生徒さんにこう聞かれたんです。
「先生、なんでパンって膨らむんですか?」
……答えられなかったんです。
言葉がうまく出てこない。
ずっと感覚でやってきたから、
言葉にできなかったんですね。
グルテン・発酵・ガス……「感覚」でやってきた部分が一気に崩れた

それだけじゃなかったんです。
「グルテン膜ってどういうものなんですか?」
「ガスが溜まるって、どういうことですか?」
「それが旨味につながるのはなぜですか?」
生徒さんはただ素朴に疑問を投げかけてくれているだけ。
でも私には、自分の言葉で答える準備ができていなかった。
「あれ、私、ちゃんとわかっていないんだ」
そう気づいた瞬間でした。
「なぜ?」が私の先生になった——もう一度学び直して気づいたこと

理論を知ると、指導の言葉が変わる
そこから私は、猛勉強を始めました。
教室を続けながら、自分が受講生に戻る気持ちで。
なぜパンは膨らむのか。
グルテンはどうしてできるのか。
発酵の中で何が起きているのか。
それまでは「なんとなくこうすればうまくいく」という感覚だったものを、
理由と一緒に、もう一度自分の中に入れ直していきました。
すると、指導の言葉が変わったんです。
「こうやって」じゃなくて、
「こうやると、こういう理由で、こうなるから」
って言えるようになった。
それだけで、生徒さんの「あ、そういうことか!」という顔が変わる。
その瞬間が、すごく嬉しかったんですよね。
生徒さんには2タイプいる——「理論で知りたい人」と「楽しく焼きたい人」

でも、もうひとつ大事なことに気づきました。
生徒さんって、大きくふたつに分かれるんです。
「なぜ?どうして?」を知りたい人。
理論から理解して、納得してから次へ進みたい人。
そして——
おいしいパンが焼けたら、それでいい人。
家族に喜んでほしい、楽しく作りたい、
周りを笑顔にしたいという人。
販売を目指している方には、後者が多い印象があります。
この2タイプに、同じ教え方をしてしまうと、
どちらかが退屈になるんですね。
理論をずっと話し続けると、
「楽しく焼きたいだけなのに」ってなるし、
逆に「なんとなく焼けたね」だけで終わると、
プロ志向の方は「物足りない」ってなる。
これ、教えるようになって初めてわかったことでした。
あなたはどちらのタイプですか?
教えることは、自分の盲点を映す鏡
自信がなくてもいい、「なぜ?」が来るたびに育っていく

教室を始める前の私は、
自分がどこまでわかっていて、どこからわかっていないのか、
あまり自覚できていませんでした。
でも生徒さんの「なぜ?」に向き合い続けることで、
「あ、ここは感覚でやってきたんだ」
「ここはまだ言語化できていないんだ」
そういう自分の盲点が、一つひとつ見えてきた。
だから今は、こう思っています。
教えることって、
自分がいちばんよく育つ場所なんじゃないかって。
人に伝えようとする中で、自分が変わっていく。
その繰り返しの中で、技術も、言葉も、深まっていく。
教室を開くか迷っているあなたへ

「まだ自信がない」と思っているあなたへ、伝えたいことがあります。
大丈夫です。
そのわからなさの感覚、全部財産になります。
生徒さんの「なぜ?」が、あなたを育てていくから。
教えることをきっかけに、技術が深まっていく。
それが17年間、私が経験してきたことです。
もし天然酵母パンをもっと深く学びたい、
または将来的に仕事にしたいと思っているなら、
ぜひ個別面談にお申し込みください。
1対1のマンツーマンで、あなたの方向性に合わせてお話できます。




