好きなことを仕事にするのは、楽しいだけじゃない。
舞台俳優からパン講師へ
——10年以上の迷いと挫折を経た椿留美子が、
本当の豊かさと「体力・財力・耐え力」について正直に語ります。

天然酵母ぱん蔵の 椿留美子です。
お山での田舎暮らしを実践、発酵生活をしています。
そんな暮らしを踏まえながら、東京と山梨で自家製酵母を使って、
発酵器を使わない、ほったらかしの「ゆるパン」教室を2009年より始めました。
現在は仕事で使いたい方、深く極めたい方向けのプロ向け講座をやっています。
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10年前の私に言いたいこと——「好き」を仕事にして初めて気づいた、本当の豊かさの形
2016年、私はずっと迷っていた
今は2026年なので、10年前は2016年のことになります。
その頃の私を思い出すと、
なんというか、ずっとじりじりしていたんですよね。
山梨に移住して6年、行き詰まっていた頃のこと

私が山梨に移住したのが2010年のことです。
それからパンの販売や教室をやっていたんですが、
6年も経っていたのに、なんかこう、
このままでいいのかな、という感覚がずっとありました。
生徒さんはたくさん来てくださっているけど、赤字続き。
仕事としてうまく回っていなかったんですね。
一見、たくさんの方がいらしてるので「人気教室」に見えたかもしれません。
でも実情は違ったんです。
最初の2〜3年はそれでも楽しくやっていてよかったんです。
しかし、これを7年続けていて正直疲れていました。
「もっとうまくやれないのか?」という焦りと、
「そもそも、これで食べていけるのか」という不安が、
ぐるぐると頭の中をまわっていた時期でした。
「趣味でいいんじゃないか」という声に、何度もうなずきそうになった

外からも、自分の中からも、
そういう声が聞こえてきていたんですよね。
「パンが好きなのはわかるけど、それで食べていくのは難しいんじゃないの」
「趣味でやっていけばいいじゃない」
「プロとして続けるには、そんなに甘くないよ」
今思えば、それは本当のことも含んでいたし、
でも完全に正しいわけでもなかった。
当時の私は、その言葉をうまく整理できないまま、
焼き続けていました。
舞台俳優だった私が、パン講師になるまで
少し私の話をさせてください。
山梨を拠点に、天然酵母パンと発酵食を教えて17年目になります。
今でこそこうしてラジオを配信したり、講座を運営したりしていますが、
もともとは舞台俳優でした。
高校を卒業してすぐ、私は劇団の研究所に入りました。
東京に出てきて、芝居で食べていきたいという夢だけを持って。
「芝居で食べていく」夢を叶えた先に見えたもの

それからいろんなことがありました。
劇団を移ったり、仲間と一緒に事業所を立ち上げたり。
がむしゃらにやっていたら、本当に夢が叶っていって、
旅公演で全国をまわれるようになりました。
行く先々で出会いがあって、
この仕事をやっていてよかった、と心から思う瞬間がたくさんありました。
でも、一区切りがついたとき、ふと思ったんです。
パン職人になろう、と。
芝居と並行してずっとパンを焼いてきたので、
その「好き」がずっとそこにあったんですよね。
ハンドルを切った日——次の夢に向かって動き始めたとき

人生のハンドルを切るのって、怖いですよね。
うまくいっていた場所を離れて、
また一から始めるということですから。
でも私は、切りました。
山梨に移住して、天然酵母パンと発酵食の世界に入っていった。
その6年後が、あの迷っていた2016年です。
好きを仕事にするのは、楽しいだけじゃない
正直に言います。
好きなことを仕事にするのは、楽しいだけじゃない。
価格の設定ひとつとっても、最初はまったくわかりませんでした。
「高すぎるのかな」
「安くしたほうが来てくれるのかな」
と迷って、でも値段を上げるのは怖かったです。
SNSもやっていなかったので発信の仕方も、全くわかりませんでした。
壁にぶつかるたびに「なぜ好きなのか」に戻った

それでも続けてこられたのは、
壁にぶつかるたびに、
「なぜパンが好きなのか」
「なぜ発酵に惹かれるのか」
という根っこに戻ることができたからだと思っています。
コンサルティングの先生に頼ったのも、この頃です。
正直、当時はコンサルという存在がよくわかっていなかった。
でも勇気を出して、足を踏み入れた。
あの一歩が、本当に私の人生を変えました。
「体力・財力・耐え力」——これが情熱の正体

よく生徒さんに話すことがあって、
「好きを仕事にするために必要なのは情熱です」と言うんですが、
その情熱の中身を、私はこう整理しています。
体力、財力、耐え力
体力は、文字通り、実際の体力のことです。
開業当初はやらなければいけないことが山ほどあって、
睡眠を惜しんで動き続けなければならない時期があります。
身体が丈夫でないと、夢を追いかける前に倒れてしまう。
それくらい、最初の体力は大事です。
財力は、お金の話です。
お金が尽きると、夢が追いかけられなくなるという現実があります。
夢を持って動き出したとき、最初に立ちはだかるのが、
この財力の壁だったりします。
学ぶにもお金がいる。動くにもお金がいる。
スタートの資金をどう確保するかは、現実として大切な話です。
そして、今日一番伝えたいのが耐え力です。
耐える力、継続する力、ということになります。
うまくいかない日があっても、それでも持続できるかどうか。
ここには、情熱がものすごく関わってきます。
好きだから続けられる、夢に向かっているから諦められない——
ある意味で、自分との戦いです。
この耐え力こそが、長く仕事を続けていく上での、一番の土台だと思っています。
仲間がいたから、続けられた

この3つを支えてくれたのが、仲間の存在でした。
同じように教室を開いてきた先生たちと、
しんどい時期も、うれしい時期も、一緒に過ごしてきた。
その交流が、今の私を作っていると本当に思っています。
そして生徒さんの「焼けた!」という顔を見る瞬間、
発酵食品を取り入れて体が変わったと報告をもらう瞬間、
そういう積み重ねが、豊かさになっていく。
お金だけじゃない、生きていてよかったという感覚が、そこにはあります。
「今さら遅い」なんて、一度も正しかったことはない

パンが好きで、いつか教室を開きたい。
でも今さら遅いかな、自信がない。
そういう声を、本当にたくさん聞いてきました。
50代から始めて、地域に愛される教室を開く人たちのこと
でも私は毎回、同じことを言います。
全然遅くないです、今すぐ始めてください、と。
50代から始めて教室を開く方もいます。
本業を続けながら週末だけ教えている方もいます。
どんな形にするかは、自分で決めていい。
大事なのは、好きという気持ちが本物かどうか。
体力・財力・耐え力の芽が、自分の中にあるかどうか。
それだけです。
どんな形にするかは、自分で決めていい

コロナの時期(2020年)に、パンを仕事にしたい方のためにプロ講座を作りました。
「転職したい」
「ライフワークにしたい」
という方が、実際に動いていきました。
販売を始めた方、教室を開いた方、本業と両立している方——
みんな、最初は「自分にできるかどうかわからない」という状態でした。
それでも一歩踏み出した。
その一歩が、全部を変えていったんです。
迷っているあなたへ——基礎マスタープロコース 個別相談のご案内
「入学を決めてから来る場所」じゃなくていい

今、基礎マスタープロコースの個別相談を受け付けています。
「向いているかどうかわからない」
「自分の方向性を誰かに相談したい」
「好きを仕事にすることへの不安を話したい」
そういう方に来てほしい時間です。
10年前の私に、こういう場所があったら絶対に行っていた。
背中を押してくれる人がそばにいたら、もう少し早く動けたかもしれない。
そう思うから、この時間を作っています。
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迷っている方は、ぜひご確認ください。
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今日も、自分の「好き」を大切に。
椿留美子でした。




