プロ講座を始めて、もう7年になります。
技術を身につけていただくことはもちろん大切です。
でも実は、その前に育てていきたいものがあります。
それが、「自信」です。

天然酵母ぱん蔵の 椿留美子です。
お山での田舎暮らしを実践、発酵生活をしています。
そんな暮らしを踏まえながら、東京と山梨で自家製酵母を使って、
発酵器を使わない、ほったらかしの「ゆるパン」教室を2009年より始めました。
現在は仕事で使いたい方、深く極めたい方向けのプロ向け講座をやっています。
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ぱん蔵のプロ講座で大切にしていること——技術より先に育てたい自信
酵母作りへの自信のなさが、一瞬で変わる瞬間

自己流の失敗を繰り返してきた人ほど、自信を失っている
プロ講座にいらっしゃる生徒さんのほとんどは、最初、自信がないとおっしゃいます。
私は自家製酵母のパンを専門にしているので、
特に多いのが、酵母を作ることそのものへの自信のなさです。
今はレシピ本もYouTubeもたくさんあるので、
それを見よう見まねで挑戦してみたという方も少なくありません。
それでも自己流で何度も失敗を重ねてしまうと、
「このままではうまく焼けないのではないか」
「自分には向いていないのではないか」
と、自信を失った状態になってしまいます。
レッスンで「あっという間にできた」という驚き
でも実際に、オンラインでも対面でも一緒にレッスンをしてみると、今までの苦労が嘘だったかのように、あっという間に自分の酵母ができあがります。
それまでずっと一人で悪戦苦闘してきた分、そのスピードに一番驚くのは、ご本人です。
工程やポイントを一つひとつ知っていただくだけで、「できた」という体験が生まれます。
それは、一人で頑張ってきた方にとっては、ちょっとした事件のような出来事なのだと思います。
そして、最初の一つができあがった瞬間から、
パン作りへの向き合い方そのものが変わっていく方を、
これまでたくさん見てきました。
「頭で考える」より先に「やってみる」

情報が手に入りやすい時代だからこそ、失敗の数が実力になる
教室を開きたい、いつか自分のパンを販売したいという方には、また別の不安があります。
「これが本当に仕事になるのだろうか」
という不安です。
これはとても自然な気持ちだと思います。
開業する前に何を固めておくべきかについては、以前の記事にも詳しく書いています。
パン教室を開きたい人が最初に決めるべきこと——技術より先に固めるもの
でも私がいつもお伝えしているのは、
頭で考えるより先にやってみるということです。
今はレシピや理論を、失敗する前に先回りして知ることができる時代です。
昔は、師匠の手元を見て、自分の体で覚えるしかありませんでした。
うまくいったこと、いかなかったことを一つずつ検証しながら、失敗を積み重ねて技術を作ってきたのです。
今は先に「答え」を知ることができてしまいます。
それ自体はとても便利で、ありがたいことだと思っています。
ただ、本当の実力というのは、結局のところ、失敗の数でしか育たないと感じています。
うまくいっているように見える方ほど、実は表には出ないところで、たくさんの失敗を重ねているものです。
レシピ通りに教わるのではなく、生地の様子を見て判断する力については、
以前の記事でも書きました。
レシピ通りにやってもうまくいかない理由——生地の“顔”を見るということ

「選択肢は、やる、やる、やるの中から選ぶ」という言葉
私自身、経営のコンサルの先生から長く教わっていたのですが、
その先生がよくおっしゃっていた言葉が、今も頭の中に残っています。
「選択肢は、やる、やる、やるの中から選ぶ」
「やる」しかないじゃん・・・ですね笑
迷っている時間があるなら、まず動いてみる。
そのくらいの勢いで踏み出したほうが、結局は近道になることを、
私自身、何度も経験してきました。
1種類しか焼けなかった先生が、人気教室になるまで

技術を完璧に揃えてから始めなくていい
先日、大阪で3年ぶりに再会したパンの先生がいます。
実はこの方には、1種類のパンしか焼けない状態で開業したという過去があるのだそうです(!)
これを聞いた時、開業仲間はみんな驚きました。
1種類しか焼けないのに教室を始めてしまうというのは、普通ならなかなかできないことです。
「今できることから始める」という発想の転換
それでも「やろう」という情熱があって、開業に踏み切られました。
今ではたくさんのおいしいパンを焼かれていて、ご自身でレシピ開発もされ、
生徒さんもどんどん増えて、大阪で人気の教室になっています。
「1種類しか焼けないから、まだ教室はできないのではないか」
そう考えてしまう方は、本当に多いと思います。
でも、その先生を見ていると、考え方はむしろ逆なのだと気づかされます。
1種類焼けるなら、もう教室は始められる。
技術を完璧に揃えてから始めるのではなく、今できることからとにかく始めてみる。
その一歩の踏み出し方こそが、後から技術がついてくるかどうかを決めているように思います。
技術より先に育てたい、本当の自信とは

それは「できる嘘」ではなく「やり抜く情熱」
ここで一つだけ、誤解してほしくないことがあります。私がお伝えしたい自信は、
「技術がないのに、あるふりをする」
自信ではありません。
「技術は後からついてくる」
「きっとうまくいく」
という自信です。
とにかくやってみるという情熱を持って進んでいく力です。
技術は、始めてからでもいくらでも伸ばせる

技術は、始めてからでも、いくらでも伸ばしていけます。
でも最初の一歩を踏み出す自信、そして頭で考えるより先にやってみるという勢いは、後からではなかなか育ちにくいものです。
だからこそ私は、プロ講座で技術より先に、
まずこの自信を育てていただきたいと思っています。
技術より先に大切なものについては、以前にも別の角度から書いています。
技術より先に育てたいもの——パン教室開業で本当に大切な「学び合う場」
自信のないまま私のところにいらした卒業生さんたちが、今ではそれぞれの場所で、立派に仕事をされています。
レッスンで報告してくださったり、SNSで活躍の様子を見せていただいたりするたびに、心から嬉しく思っています。
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