冬支度と発酵生活−木守柿に思う 天然酵母パン講師の田舎暮らし 冬支度をご紹介

田舎暮らし

「木守柿」ってご存知ですか?
俳句の秋の季語で、意味としては最後に残った柿のことです。
1個のことを指す場合もあるし、1〜2個の場合もあるようです。

うちの甘柿もいよいよ残りわずかになりました。
いよいよ冬がやってくる、と知らせがやってくるようです。


東京と山梨で自家製酵母パン教室主宰、
お山での田舎暮らしとパン作り、酵母生活をしている椿留美子です。

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今日は

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冬支度と発酵生活−木守柿に思う 天然酵母パン講師の田舎暮らしの冬支度をご紹介

というお話をしてみたいと思います。

木守柿とは?

「きもりがき」とか「こもりがき」「きまもりがき」とかいいます。
私は「きまもり」という響きが好きでそう呼んでいます。
単純に意味としては「木に残った柿」ということなんですが
「木に残すものだ」
と聞いたので、私はわざと残すようにしています。
私はその言葉から、最後に木を守っている守神のようなイメージで風情を感じています。
きっと昔の人もそうで、季語になったくらいですからね!
こんな文章も見つけました。

昔、人は柿の実を収穫する際、一つ残らず採ってしまわず必ず最後の1個を木に残した。これを「木守り柿」と言い、人間が根こそぎ手に入れるのではなく、豊かな実りを与えてくれた木・自然・神への捧げものを残すという感謝の意味があるそうだ。

(五箇山彩時季 四季合掌 +αという写真家さんのブログよりお借りしました)

やっぱりそうだったんですね。
日本の山、田舎の風景には木守柿がよく似合います。

私はこれを京都に住んでいた時に聞きました。
2年間お寺にお世話になっていましたが、その1年はお寺の寮生活、あとの1年は住まいを移して通っていました。
その期間は自然と人との調和のようなことをお稽古の中からたくさん学びました。
その言葉は確か尊敬するお茶のお師匠に聞いたと記憶しています。

「実るほど頭を垂れる稲穂かな」

という言葉は私の最も心に残っている言葉です。(故事ことわざ辞典にのっているそうです)
その数々の印象的な言葉の中に「木守柿」という言葉もあったのです。

今では動物(クマやサルなど)が山から降りてくるから「残さないように」と指導されている地域もあるようですね。
うちでは、最後は野生の鳥さんたちがついばみにくるので、微笑ましくみています。
こんな風景を長寝て、「そろそろ冬支度だな」と感じるのです。

私の冬支度

私の冬支度は、主に

漬物
ドライフルーツ
柚子仕事
薪の準備
お醤油絞り

とこんな具合です。
もちろん、冬の柑橘で酵母作りや、発酵食品の保存食も作ります。

漬物


こちらはレッスンでも毎年行っている「たくあん作り」をやります。
うまく保存すれば2月くらいまで美味しく食べられます。
そのほかに、白菜漬け、柚子大根など。
漬物は植物性乳酸菌の宝庫です。
身体にたくさん取り入れて冬を乗り切りたいものです^^

ドライフルーツ


こちらは「干し柿」がメインです。
パン作りにもたくさん使うので100〜200個は作りたいです。
が、年々柿がとれなくなってきています。
今年もずいぶん落ちてしまいました(><)
どれくらい作れるか・・・心配もよぎります。

あとは、うちにあるキウイフルーツです。

自然栽培でほとんどお世話していないのでモサモサなんですが(^^;
実は小さいけどとっても美味しいキウイです。
食べきれないので、ドライフルーツにします。
酸味があって干し梅ぽくて美味しい。子供たちも好きでよく食べていました。

そのほかにりんごもたくさんいただいた時にはドライにします。
これまたとっても美味しいのです。
冬は乾燥しているし、天気の良い日には天日干しでいい感じに出来上がります。
このドライフルーツたち、たくさん作ってラム酒漬けにしてシュトーレンのフルーツにします。
来年用になります。
そしてむいた皮はこれまた干して漬物に入れます。
本当に「無駄がない」ってことです。昔ながらのやり方はこうなんですね。
これも田舎暮らしを初めて改めて感じたことです。

柚子仕事


私が住んでいる地域は「ゆずの里」として知られ、多くの方が柚子農家さんです。
季節になると、作業場のあたりは柚子の香りに包まれて豊かな気持ちになります。
そこで、この季節ならではのゆずを使って保存食を作ります。
柚子胡椒作り、柚子の酵素ジュース、柚子大根などなど。
これも楽しみの一つです。

薪の確保


これ、とっても大事です。
うちは灯油ストーブも使っていますが、メインが薪ストーブ
薪ストーブの時期になるとそこでいろんな調理もしちゃうのでたくさん薪が必要になってきます。
木をすぐに用意しても薪としては使えません。
これは年間を通しての仕事となります。
冬支度としては、薪をいただけるところに行ったり、細かい木の枝や火付け用の杉の葉を用意したり
自分で割ったものなどの準備、ストーブの準備もします。

お醤油絞り

春に仕込んだお醤油の絞りが冬〜来春に向けてはじまります。
これも一大行事。
地域の「村仕事」と呼ぶだけあって、仲間たちが結集します。
来年1年間のお醤油がここで出来上がるのです。

収穫祭ならぬ、「お醤油祭り」のようなものです。
お醤油絞りのあとの瓶詰め作業で一段落して、みんなで今年のお醤油をいただきます。
お醤油を楽しむ食事会。
これも楽しみのひとつなんです。

お山の発酵生活 田舎暮らし

そのほかにもいろいろあります。
うちははっさくがたくさん取れるので(これも自然ほったらかし栽培)
それを使って酵素ジュースや、はっさく酒、酵母おこし、などなど
発酵食で保存食を作ります。
果汁もたくさんとっておき、1年分の柑橘酢代わりにします。
残った柿で、柿酢も作ります。これも来年以降用です。
できたばかりよりも、少し経ったものの方がまろみがあって香りも柔らかで美味しいのです。

こんなふうに、けっこう秋から冬前までは忙しい。
バタバタです。
ふけゆく秋を感じながらやる作業。これから来る冬のための準備です。
近年、雪は少なくなってきていますが凍結はします。
昨日も猿が道に降りてきていました。
冬のための食糧の確保をしているのでしょうか?
動物にとっても忙しい時期なのかもしれませんね。

皆さんはどんな冬支度をされていますか?
都会であっても田舎であってもきっとそれぞれの暮らしの中でのルーティーンがあるのでは^^
今日は、
冬支度と発酵生活−木守柿に思う 天然酵母パン講師の田舎暮らしの冬支度をご紹介
という敢えてパンとはちょっと違う方面からのお話をしてみました。
パンのお話はほとんどしませんでしたが、12月はクリスマスのパンでガンガン焼きまくります(笑)
そんなこともありますが、今日は田舎暮らしのお話でした。

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