天然酵母のパン種を長く元気に保つには?
冷蔵保存と室温保存の違い、リフレッシュ(継ぎ足し)の頻度、
季節別の管理方法もお話ししていきます。
パン作り初心者も安心の保存&管理術をご紹介しますね。
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天然酵母ぱん蔵の 椿留美子です。
お山での田舎暮らしを実践、発酵生活をしています。
そんな暮らしを踏まえながら、東京と山梨で自家製酵母を使って、
発酵器を使わない、ほったらかしの「ゆるパン」教室を2009年より始めました。
現在は仕事で使いたい方、深く極めたい方向けのプロ向け講座をやっています。
天然酵母パン種の正しい保存&管理術!温度・リフレッシュのベストなタイミングは?
「パン種をしっかり管理すれば、酵母はずーっと元気!」
自家製酵母でパン作りをしていると、こんな疑問や不安を感じることはありませんか?
「パン種って冷蔵庫に入れたほうがいいの?待機室温で管理?」
「リフレッシュ(継ぎ足し)のベストなタイミングっていつ?」
「季節によって管理方法を変えたほうがいいの?」
「パン種が酸っぱくなったけど、これって失敗?」
などなど。
自家製酵母のパン種(元種)は、生きた微生物のかたまり。
そのため
ほったらかし過ぎて酵母が弱ってしまったり、
最悪の場合、腐ってしまったりすることもあります。
お世話し始めたら目をかけて元気に育て続けることが必要です。
今回は、パン種の正しい保存&管理方法を解説します!
・冷蔵庫保存と室温保存の違い
・リフレッシュ(継ぎ足し)の目安
・季節別の最適な管理法
・よくある失敗とその対策
まで詳しくお話をしていきます!
ぜひ最後まで読んでくださいね ^ ^
パン種の基本管理(冷蔵 vs 室温保存)
冷蔵保存と室温保存の違い
パン種の保存方法には、大きく分けて
「室温管理」と「冷蔵管理」の2種類があります。
それぞれの管理方法は作っていく工程によって変わってきます。
どちらも必要ですので、その工程に応じて使っていきましょう。
◎室温保存(20〜28℃)は、
・酵母起こし=菌の培養(増やしていく)
・酵母を活性化させる時
にやっていきます。
もちろん、発酵器を使うということも可能ですが
発酵器がなくても十分できます。
一般のご家庭で発酵器を持っていない方も手軽にできるのがおすすめです。
注意が必要なのは
温度管理や見極めを間違えると
酸味が強かったり、最悪の場合は劣化するリスクもあります。
◎冷蔵保存(5℃前後)の場合
酵母液やパン種を保存したいとき
に適しています。
冷蔵庫に入れ続けていると酵母が眠ってしまって
いざ使いたい時に弱まってしまっていることもあります。
冷蔵庫だから安心・・・と思わずに
定期的に混ぜ返しや継ぎ足しを行うことが大切です。
冷蔵庫に入れるベストなタイミング
パン種を冷蔵保存する場合、入れるタイミングが大切です。
タイミングとしては
「酵母の勢いが大きくなっている時」です。
このタイミングで冷蔵庫に入れるとそのまま休眠状態に入り
(緩やかに活動はしています)
次回使うときも状態をキープしてくれています。
逆に、発酵が途中の段階で冷蔵庫に入れてしまうと
酵母が未熟のままの状態で眠ってしまうのことになります。
ここで注意が必要なのは
今のお話は「酵母作り」「パン種作り」の解説で
「パン生地」の管理はまた別のお話ですので、混同しないように!
パン種の継ぎ足し頻度の目安
パン種は「生き物」ですので、刺激が必要です。
これは発酵食品全般に言えることでもあるんです ^ ^
継ぎ足しのことを「リフレッシュする」ということもあります。
定期的な継ぎ足しをすることによって元気さを保てます。
継ぎ足しをどのくらいするか、というのは工程によって変わってきます。
室温において、種を育てていく段階では頻繁になります。
これも種の状態、室温がどれくらいかによって違ってきます。
冷蔵保存の場合は、もうパン種自体は完成している状態なので
1〜2週間に1回くらいのリフレッシュでOKです。
パンを焼く前日に新しい小麦粉と水を加えて活性化させることで、
翌日には元気な状態で使えます。
特に忙しい人は、冷蔵保存+週1回のリフレッシュというサイクルでもいいかな、と思います。
冷蔵庫で管理しておけば手間が減り、安定した発酵力を維持できます。
季節別の最適なパン種の管理方法
夏場のパン種管理(過発酵対策)
夏は気温が高く、パン種の発酵がいき過ぎることがあります。
過発酵にならないようによく観察をしていてください。
できれば涼しい場所においてください。
特に30℃を超える日は、室温での管理は要注意です。
夏場は冷蔵庫を使って冷やしながら継ぎ足していくことも1つの方法です。
冬場のパン種管理(発酵不良対策)
冬は気温が低く、酵母の活動が鈍くなりやすい季節です。
室温保存する場合は、少し温かい場所を見つけて(20〜25℃)おいておきましょう。
また、冷蔵保存している場合は、パンを焼く前に
早めに室温に戻してからパン生地作りをしていくとやりやすいと思います。
よくある失敗&その解決策
「パン種が酸っぱくなった!」
パン種が酸っぱくなる原因は、
ほったらかしすぎて継ぎ足しの間隔が長すぎた
酵母液が古かった
ということが考えられます。
フルーツ酵母においては(素材によって対処法が変わってきます)
古くなったら継ぎ足しをしないで、新たに作ることをお勧めします。
「気泡が消えてしまった…」
・いくら継ぎ足しをしても上がってこない
・気泡がない
という場合は
酵母が弱っていると考えられます。
この場合もフルーツ酵母においては(素材によって対処法が変わってきます)
古くなったら継ぎ足しをしないで、新たに作ることをお勧めします。
「腐った?これ食べても大丈夫?」
パン種が腐っているかどうかの判断基準は、
異臭
に注意してください。
腐っている、というか雑菌が増えてきてしまっているということになります。
雑菌が増えていなくても酵母菌が弱くなった種は別の菌が多くなってきているので
美味しさがなくなってしまいます。
その見極めは「におい」で判断するのがいいです。
あとは「味見」です。
少量をとって味見をしてみてください。
良いパン種は香りも味も「美味しい」のです。
少しでもおかしいと感じたら使わないで廃棄してくださいね。
*昔、強がって家族に食べさせたら大ブーイングでした(@@;
天然酵母パン種の正しい保存&管理術!温度・リフレッシュのベストなタイミング まとめ
いかがでしたか?
パン種を長く元気に過ごすためには、次のポイントを押さえてみてくださいね。
・室温と冷蔵保存を上手に使う
・継ぎ足し(リフレッシュ)のタイミングの見極め
・季節ごとに管理方法を調整する
・失敗のサインを見逃さないように、失敗を失敗と認める(!)
これらのポイントを意識して
最高のパン種に育ててみてください ^ ^
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