パン生地の発酵、どこで止めていいか迷いませんか?
天然酵母を使う場合
発酵の見極めと冷蔵庫保管にはコツがあります。
今回は、自家製酵母パン教室のプロが
パン生地の状態をどう判断し、冷蔵保存するかをわかりやすく解説します。
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天然酵母ぱん蔵の 椿留美子です。
お山での田舎暮らしを実践、発酵生活をしています。
そんな暮らしを踏まえながら、東京と山梨で自家製酵母を使って、
発酵器を使わない、ほったらかしの「ゆるパン」教室を2009年より始めました。
現在は仕事で使いたい方、深く極めたい方向けのプロ向け講座をやっています。
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天然酵母のパン生地の発酵はどこまで?冷蔵庫で保管できるタイミングと見極めのコツ
はじめに
「パン生地の発酵って、いつが終わりなの?」
「冷蔵庫に入れても大丈夫?」
これは、私が主宰する自家製酵母パン教室でも
頻繁にいただく質問のひとつです。
特に天然酵母でパンを作る場合
発酵にかかる時間は市販のイーストと比べてずっと長く
発酵の見極めや生地の扱い
に悩む方が多いです。
今回は実際に生徒さんからいただいた質問をきっかけに
- 天然酵母パン生地の発酵の見極め方
- 冷蔵保存するタイミング
保存時の注意点
を、わかりやすく丁寧に解説していきます。
パン生地の発酵、どこで止めたらいいかわからない
パン作り初心者に多い“あるある”な悩み
「パン生地を発酵させすぎたかも」
「まだ発酵が足りないのでは?」
「発酵完了後に冷蔵庫に入れてもいいの?」
こんなふうに、パン作りで最も悩みやすいのが
「発酵のタイミングと管理」です。
特に天然酵母は、発酵の進み方がゆっくりで
生地の見た目の変化も微妙なことが多く
慣れていないと判断が難しいもの。
発酵の失敗がパンの味に直結してしまう
パンの出来に大きく影響するのが、一次発酵。
発酵が足りないとボリュームが出ず、風味も浅く、固くなってしまいます。
逆に発酵しすぎると、酵母が過活動になり
酸味が強く出たり、旨みが消えたり、生地が崩れやすくなります。
そして最もよくあるのが
「一次発酵が終わったかよくわからない・・・」
と迷って、そのまま置きすぎてしまうケース。
冷蔵庫に入れればOK?
と思いがちですが
入れるタイミングを誤ると、パン生地はダメになってしまう
こともあるのです。
発酵の見極めを誤るとどうなる?
天然酵母パンは寛容。時間猶予があるありがたさ
天然酵母は生き物。
酵母の種類や元種の状態、気温や湿度によって発酵のスピードは変わります。
しかし、ドライイーストの生地に比べて
時間にストイックではありません。
これは、私はいつもありがたいなあ、と感じていることです。
どういうこと?
と思うかもしれませんね笑
ドライイーストの生地の場合は発酵が早いので
時間を割ときっちり計算して進めていきます。
(とにかく時間に追われる、とも ^ ^;)
しかし、天然酵母の場合はゆっくり進んでいくので
時間においての多少の誤差は想定内です。
油断した!
置きっぱなし、ほったらかし!
という事態にも寛容に受け入れてくれることが多いのです笑
だからこそ教科書的な時間ではなく
「生地の状態で判断する力」
が必要になってきます。
逆に「なんとなく発酵したかな」
と「なんとなく」を連発するとこんな状態にもなります。
そのまま冷蔵庫に入れた場合・・・
冷蔵庫では全く発酵しなくて固まったまま
少しガスが溜まっているのを発酵完了と勘違いして膨らまない
冷蔵庫で発酵完了するものだ、と思い込んで詰まったパンになる
こういった結果になってしまうことが
実際によくあります。
発酵完了の見極め方と冷蔵保存のポイント
発酵完了の目安は「生地の弾力と気泡の入り方」
天然酵母のパン生地で、発酵が完了したかを判断するには
次の3つを確認しましょう。
見た目:生地がふっくら2倍程度に膨らんでいる
手触り:軽く手で押して、プチプチと中に空気(ガス)がたまっている
中の様子:生地をめくって中に均一な気泡がある(下からのぞくのも◎)
これらが揃っていれば
「一次発酵完了」と判断していいかと思います。
冷蔵庫に入れるのは基本的に「発酵完了前」
基本的に冷蔵庫で保管する生地は
発酵完了前です。
時間を置かないですぐに次の工程に進む場合は発酵完了してからでも
ちょっと避難させるくらいの意味合いで冷蔵庫へ入れることもあります。
本来は生地の状態を見て「発酵完了」する手前で冷蔵庫へ。
天然酵母の発酵は、低温でも少しずつ進みます。
なので、余分に置いてから冷蔵するよりも
ちょっと余力を残した段階ですぐ保管
してください。
そして、冷蔵保存する際のポイントは以下の通りです。
生地は密閉容器やラップをして、乾燥を防ぐ
冷蔵庫から出したら、成形前に常温で様子を見ながら発酵を調整する
生徒さんからの質問がヒントになりました
実はこの記事のテーマは
冒頭でもお伝えしたとおり
実際に生徒さんからいただいた質問がきっかけです。
「パン生地の発酵についてです。生地を早めに作っておいて発酵完了と判断した場合、レッスン時間まで冷蔵庫で保管しておけばいいですか?」
そうなんです!私もあります。
レッスンまでに発酵しちゃった(汗)けど・・・
どうすりゃいいの??
ってなりますよね。
放っておけばどんどん発酵は進んでしまい過発酵になってしまう〜〜〜
結論から言うと
発酵が完了していると判断できた生地も、冷蔵庫で保管可能
です。
ただしこれは、すぐ(長くても数時間後)に使うということが前提です。
冷蔵保存のタイミングと注意点
一次発酵が完了したと判断して、レッスンまで時間がある場合は
すぐに冷蔵庫へ移しましょう。
冷蔵中でも発酵は少しずつ進行するため
入れるタイミングが遅れると「過発酵」になるリスクがあるからです。
冷蔵保存時のポイントは以下のとおり
生地が乾燥しないよう、ラップまたは蓋付き容器に入れる。
発酵完了した生地の保存期間の目安は長くても2〜3時間くらい。(長時間は生地が持ちません)
使う前に常温に戻さず、すぐにガス抜きして生地の様子を見て、場合によってはそのまま成形へ。
【体験談】冷凍保存→解凍→焼成まで成功された生徒さんも!
実は、これまでのレッスンでも
冷蔵庫や冷凍庫での
保存→焼成
という工程を、しっかり理解して実行された方が
何人もいらっしゃいます。
ある生徒さんは
こんなスケジュールでパン作りに成功されました。
冷凍保存の場合です。
レッスン前日にパン生地を仕込み、発酵を促してから冷凍庫へ
焼きたい前日に冷蔵庫でゆっくり解凍
常温に戻し、最終発酵後に焼成!
「冷凍も心配でしたが、教わった通りにやってみたらふわっと膨らみ、美味しく仕上がりました!」
と、喜びの声もいただいています。
このように
正しいタイミングと方法を守れば
天然酵母パンも時間の自由度を持って仕込むことができるのです。
こんな方にこそ挑戦してほしい
自家製酵母パンを本気で学びたい方
発酵の仕組みを理解して、自分で判断できるようになりたい方
「パン作りは時間管理が大変」と感じている方
将来自分で教室や販売を目指したい方
発酵の理解が深まると
パン作りが一気に楽しくなります!
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天然酵母のパン生地の発酵はどこまで?冷蔵庫で保管できるタイミングと見極めのコツ まとめ
天然酵母のパン生地は、発酵の見極めがとても重要
発酵しないうちに冷蔵庫に入れることで品質を保てる
冷蔵中も発酵は少しずつ進むため、タイミングがカギ
「見た目」「手触り」「気泡の状態」で発酵を判断
自分の目と手で生地の状態を感じ取れるようになると
パン作りが格段に自由になります。
ぜひ、あなたのパン作りに
今日の知識を活かしてみてくださいね!
美味しいパンになりますように ^ ^
