パンにはいろいろな成形(形を作っていくこと)のやり方がありますね。
シンプルなもの、可愛らしいもの、どうやったらこんな形になるの〜?
というような手の込んだもの。
しかし、その前にとっても大事な作業があります。
パン生地を丸めるという工程は、パンを焼くまでに何回かあります。
もしかしたらみなさんは当たり前のようにやっていて特に疑問を持っていない方も
いらっしゃるかもしれません。
実は「丸める」行為には重要な意味があるのです。
今日はそのお話をしていきたいと思います。
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天然酵母ぱん蔵の 椿留美子です。
お山での田舎暮らしを実践、発酵生活をしています。
そんな暮らしを踏まえながら、東京と山梨で自家製酵母を使って、
発酵器を使わない、ほったらかしの「ゆるパン」教室をやっています。
パン 成形−パンの成形の基本について大事なこと 分割後に丸めるわけを改めて説明いたします
このお話を動画でご覧になりたい方はこちらからどうぞ。
パンを作る過程
パンを作る工程を改めてざっくり説明します。
パン生地をこねる
↓
一次発酵
↓
ガス抜き・分割(生地を焼きたい数に分ける)
↓
ベンチタイム(生地を休ませる)
↓
成形(作りたい形を作っていく)
↓
二次発酵
↓
焼成(パン生地を焼いていく)
だいたい一般的にはこんな感じでパンは作っていきます。
丸める工程は大きく2箇所あって
〇生地をこねた後、丸めて一次発酵する
〇一次発酵後に分割して、丸めて休ませる(ベンチタイム)
となります。
カンパーニュやプチパンのように丸めて焼く場合は、さらにきれいな形に丸めます。
パン作りにおいて避けて通れないのが「丸める」という作業ということになります。
生地を分けた後どうしていますか?
生地を焼きたい数だけ分けていくことを「分割する」と言います。
はかりで生地を測り、分割しますね。
その後はみなさんどんなふうにされているでしょうか。
たいてい、切り刻んだ(測った重さに分けるために)生地を
ひとまとめにしていくと思います。
そして丸めなおしますね。ここでも丸めるということが出てきます。
もちろん、丸く焼く場合は成形そのものが丸いパンなので形作りは重要ですが
成形によっては切りっぱなしで焼くものもあります。
その切りっぱなしで焼く場合でも、どこかに丸めるという作業は入ってくるのです。
なぜ生地を丸めるのか?
そんなの当然でしょ?
とパンをよく焼く方にとっては当たり前の作業かもしれません。
でもなぜ丸めるのでしょうか?
生徒さんにも素朴な疑問としてたまに聞かれることがありますが
ほとんどの方はあまり気にしないでやっています。
実はここで丸めるという作業はとても大切なんですよ。
なぜ丸めるということが大切になってくるのか。
張りを強くして発酵を促す
丸めるということは表面の生地が丸く張っているということです。
生地はそのまま置いておくだけでも少しずつ発酵していきます。
発酵するということは、炭酸ガスを発生させているということになります。
その張った生地の中に炭酸ガスがたまる、ということが重要なのです。
そのことによって、パンの膨らみがよくなるからです。
ボコボコっとした生地の形だと、ガスが抜けやすくなってしまいます。
ガスを抜けにくくするために、パン生地を適度に刺激して抗張力を強くしていくのです。
とじ目を一つにして生地の表面を張らせていきます。
このとじ目がゆるむと生地の表面も緩んでくることになるのでとじ目をしっかり
とじることが重要になってきます。
表面をつややかに焼き上げる
表面がゆるんだ生地と張りのある生地ではあきらかに焼き上がりが違います。
張りのある生地がつやっときれいに焼きあがっているのに対し、緩んだ生地は
見た目にも美味しそうに見えません。
きれいに美味しそうに焼くためにも、生地に張りを持たせることが重要になってきます。
丸める時に大切なこと
先ほどから何度も言っていますが、丸めるという時に重要なのが
生地の表面を張らせていく
ということです。
いろいろな成形をしていく前にまずは
丸めて生地を落ち着かせていくのがベンチタイムですが、その時にも
生地の表面を張らせて丸めておく
ということをやっておくといいですね。
二次発酵の前に最終的な形を作ってそこで表面を整えて張りのある生地に
していくことが重要ですが、ベンチタイムの時もできればきれいに丸めていくといいです。
そして、その後の成形が丸い形を作る、という他に
楕円形や棒状の形
でも表面の整え方は同じ考え方になります。
ボリュームを出したいパン
特に丸めるということを大切にしたいのが大きくボリュームを出したいパンの時です。
食パン、カンパーニュ、ブール
などは膨らみを持たせたいパンですね。
その時に、きちんと
表面がツヤっときれいに整っているか
張りのある生地になっているか
ということはとても重要です。
これは、焼いた後の生地の美しさにも影響してきます。
やはり表面をきれいにツルッと整えている方が美味しそうに焼けます。
お子様連れの方で、おこさんがママのお手伝いをしてくれて一緒に成形する時が
ありますが、子供の手だとベタベタっとしてしてしまうので表面があまりうまく整いません。
触りすぎると生地が傷んでしまって、張りがなくなってしまいます。
そうしてそのままの状態にしておくと、発酵がうまくいかないのです。
これはこれで「一緒に作業する」という別の楽しさがあるのでいいのですが
「パンの美味しさ」を追求する場合はやはり美味しいパンにはならないのです。
特にボリュームを出していきたいパンの場合は注意していただければと思います。
美味しく食べる場合には、お家ではお子さん作業用の生地を分けておくといいですね。
一緒に作業をするのは楽しいものです。
食べ物を作る、という喜びの体験を味わっていただきたいので
ちょっとひと工夫することが必要かもしれません^^
パン 成形−パンの成形の基本について大事なこと 自家製天然酵母のパン教室の先生が、改めて説明いたします まとめ
いかがでしたしょうか。
パンを作り始めたばかりの方にとって、パン生地に触ることや
生地を丸めていくことって難しく感じることがあるかもしれません。
パンの種類によってちょっと固めの生地だったり、柔らかくてベタベタと
手にくっついたりすることはよくあることで、そうなると丸めるどころじゃなくなる・・・
ということもあります(><)
逆にパンをよく方にとっては丸めることって当たり前すぎて
「今さら聞けない」感もありますよね^^;
パンにはいろんな形の成形のやり方があります。
シンプルな形のパンであればあるほど、基本がしっかりできていると
より美味しく、美味しそうに見えるパンになります。
ちょっとした当たり前の作業に実は重要なポイントが隠されていることがあります。
パンを焼く時の素朴な疑問って案外うまく焼く秘訣であったりします。
「なーんだ、そんなことだったのか」
と思うこともあります。
パンを習っている方は、ぜひちょっとした疑問やお悩みもどんどん先生に聞いていくといいですよ!
それが上手になるポイントです^^
今日はパン生地を丸めるのはなんで?
その丸める時のポイントをお話してみました。
ご参考になれば嬉しいです。
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