毎日あっという間に過ぎて忙しいと感じていませんか?
時短家電や便利な移動手段が増えたのに、なぜか時間に追われる現代。
実家への徒歩40分の道のりから気づいた
「時間をかけることの豊かさ」
と、自家製酵母パンや発酵食に共通する深い旨味についてお話しします。

天然酵母ぱん蔵の 椿留美子です。
お山での田舎暮らしを実践、発酵生活をしています。
そんな暮らしを踏まえながら、東京と山梨で自家製酵母を使って、
発酵器を使わない、ほったらかしの「ゆるパン」教室を2009年より始めました。
現在は仕事で使いたい方、深く極めたい方向けのプロ向け講座をやっています。
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便利になったのになぜ忙しい?時間をかける豊かさと自家製酵母の教え
カレンダーを見て、日々の早さにびっくりすることありませんか?
生徒さんたちともよくお話しているんですけど
「新年が始まってもう4ヶ月以上経っちゃったの?」
「あっという間にもう今年も終わりそうですね」
そんなお話をするんですけど、いやもう本当に毎日があっという間に過ぎてしまいますよね(笑)
年齢を重ねるごとに時間が経つのが早くなるなんて昔からよく言われますけれど、
それにしても最近のこのスピード感ってちょっと早すぎない?って感じてしまうんです。
朝起きて準備して、お仕事をして、気づいたらもう夕方になっていて。
バタバタと夕食の準備をして片付けをしたら、もう寝る時間。
なんだか毎日息継ぎをする間もなく泳ぎ続けているような、そんな感覚になることってありませんか?
実は先日、私あの親戚の葬儀があって、久しぶりに実家の岡山に強行軍で戻ってきてたんです。
パッと行ってパッと帰ってくるみたいなね(><)
そんなこともあってちょっとバタバタしていたんですが、
その時に普段はやっぱりなかなか会えない親戚の叔父とか叔母にも久しぶりに会えたんです。
結構時間があったので、昔話をじっくりとみんなとお話しすることができて。
今日はその時にふと感じた時間の流れについてお話をしてみたいと思います。
岡山への帰省。3キロの道のりと叔父が流した涙

私の実家って最寄りの駅から歩くとだいたい3キロぐらいあるんです。
時間にして40分ぐらいかかる距離なんですね。
私が学生時代の頃は歩くなんて考えたこともなくって、自転車でもちょっと面倒くさいなという距離です。
今の感覚だと駅から40分も歩くって、ちょっとないな…って感じだと思うんです。
通勤や通学だとバスを使うだろうし、たまに行くようなところだと
「タクシーに乗ろうよ」
と、今だとすぐにタクシーに乗ってしまうだろうし。
田舎だと車で行き来する、ということが普通かなという感じですよね。
でも昔はお金もなかったし、叔父が学生時代だった頃は駅から実家まで歩いて帰ってくるっていうのも当たり前のことだったって言ってたんです。
「昔よく歩いた」「歩くのが当たり前だった」
昔を思い出して涙ながらに叔父が話してたんですよね。

本当に懐かしく感じました。
昔は駅から実家まで見渡す限り田んぼが広がっていて。
本当にのどかで、田んぼの中のあぜ道がいっぱいあった風景だったんです。
春になると土の匂いがして、カエルの鳴き声が聞こえてきたりして。
秋には稲穂が黄金色に輝いていて、風が吹くとザワザワっと揺れていました。
(今、住んでいるところも十分どそうですが笑)
そういえば祖母も一緒に暮らしてたんですけど、よく実家と駅の間を一緒に歩いてたなっていうのを思い出して、そういう風景がふわっと蘇ってきました。
でも今はもう様子が随分変わってしまって。
大きな道ができたり家がいっぱい建ち並んだりして、昔ののどかな様子とは全く変わってしまいました。
風景が変わると同時に、私たちの時間の使い方もすっかり変わってしまったんだなって、
その時すごく感じたんです。
時短しているはずなのに心はなぜか忙しい

それでなんだか不思議なことに気づいたんです。
今は車やタクシーを使って移動時間を大幅に短縮していますよね。
移動距離だけじゃなくて、お掃除とかお料理とかでも便利な家電がたくさんあって。
昔はお鍋でコトコト煮込んでいたものも電子レンジでチンすれば
すぐにできちゃったり、お掃除ロボットが勝手に床を綺麗にしてくれたり。
昔よりずっと時間を節約しているはずなんです。
それなのになぜか今の方が時間に追われて忙しく感じている。
「もう4月?あっという間に1日が終わっちゃった」
って、いつも時間に追われているような気がするんです。
駅から40分かけて、田んぼののどかな景色を見ながら
風の匂いを感じながらゆっくり歩いていた昔の方が、
ずっと時間が豊かに流れていたような気がします。
時短をして時間を生み出しているはずなのに、かえって忙しさを感じてしまう。
なんだか不思議なパラドックスだなと思って。
ちょっとしみじみ感じてしまいました。
自家製酵母が教えてくれる待つという最大の贅沢

この時間をかけることの豊かさって、私がいつもやっている自家製酵母のパン作りとか発酵食の考え方と全く同じだなって、実家からの帰り道に、改めて思いをめぐらせていました。
パン作りも市販のイースト菌をたくさん使ったり、
発酵の温度をぐっと上げたりすれば
あっという間に短時間で膨らませて焼くことができます。
もちろんそれも美味しく焼けるし便利な方法です。
でも自家製酵母を使ってゆっくりゆっくりと時間をかけて発酵させたパンってどうでしょうか。
時間をかければかけるほど、酵母や乳酸菌といった
目に見えない小さな菌たちが、複雑な旨味や風味を作り出してくれて。
噛めば噛むほど味わい深い、なんとも言えない美味しさになります。
自家製酵母のパンを作っている方はきっとこの感覚、深く頷いてくださると思います(笑)
お味噌とかお醤油といった発酵調味料もそうですよね。
何ヶ月、時には何年も時間をかけるからこそ角が取れて。
まろやかで奥深い味が生まれる。

現代の私たちはついいかに早く効率よく結果を出すかということに
意識が向いてしまいがちだなと思うんです。
でもあえてゆっくりと時間をかけることでしか生まれない旨味とか、
心の豊かさってあると思っています。
40分の道のりをただの移動と捉えるか、季節を感じる豊かな時間と捉えるか。
そのプロセスを味わうことで、実はそれが一番のぜいたくなのかなって感じてしまいました。
試作中!時間をかけて育てる発酵スイーツ

そんな時間をかけることの豊かさを、もっと皆さんの日常の中で手軽に、
そして美味しく味わっていただきたいなって思ってます。
実は今、自家製酵母を使った特別なスイーツの準備を進めているところなんです!
普段のパパッと作れるスイーツ作りとは違って、酵母の力を使って
ゆっくりと生地を寝かせたり、発酵させたりするのでちょっと時間はかかります。
簡単に生地をまとめるだけで寝かしておくものもあれば、しっかり捏ねていく上級向けのパンのようなお菓子もあります。
どれも酵母の旨味があって、サクサクっと食べられるものもあれば、ふわふわでもう口の中でとろけるような美味しさのも。
ワインに合うおつまみ的なものがあったり、ケーキのようなリッチなパンもあったりして。

オーブンを開けた瞬間に甘い香りが部屋中に広がって、
もう私自身が試作しながらワクワクして楽しんでいます(笑)
菌たちがゆっくりと時間をかけて生地を育ててくれるのを見守るのって、なんだか子育てにも似ている気がします。
そして一口食べた時に、時間をかけたからこその
深い旨味とコクが口いっぱいに広がるような。
そんな特別なスイーツを皆さんにお届けしたいと思って毎日菌たちと向き合っています。
このスイーツについては来月に入ってからになるかなと思うんですが、
皆さんに正式な募集をさせていただこうかなと思ってます。
ぜひゆっくり時間をかけた美味しさを楽しみに待っていてください!
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最後に

なんだか毎日あっという間で疲れてしまったなという時は、あえて少しだけ時間をかけるということを選んでみるのもいいのかなと思います。
お湯を沸かしてゆっくりお茶を淹れてみるとか。
いつもは自転車で通り過ぎる道を歩いてみるとか。
ほんの少しの時間をかける贅沢が、ガチガチになった心をほぐしてくれるかもしれませんね。
ぜひゆったりとした時間の流れを感じながら、日々過ごしていきたいなと思っています。





