冷蔵庫 パン 発酵 – 冷蔵庫を使ったパン生地の長時間発酵のポイント、プロが教えるとっておきのやり方

天然酵母パン 作り方−ポイント、実験、裏話など

「長時間低温発酵」が美味しい
ということを聞いたことがあるかもしれません。
市販のパンでも「長時間熟成」とか「低温熟成」とか書かれているものがあるかと思います。

今日は、私が日頃からやっていることをお話しようと思うのですが、
それがこの言葉に当たるのか、というのは長いことあまり意識したことはありませんでした。
今までパンを作ってきた経験を踏まえながら、
こうした方がいい
こうすると失敗した
というような感じで試行錯誤して、自分なりのやり方ができてきました。
その中で、自然にやっていた低温で長い時間生地を寝かせておいて
「これってすっごく美味しいー!!」
となった経験から生まれたとっておきのやり方をご紹介したいと思います。

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天然酵母ぱん蔵の  椿留美子です。
お山での田舎暮らしを実践、酵母生活をしています。
そんな暮らしを踏まえながら、東京と山梨で自家製酵母を使って、
発酵器を使わない、ほったらかしの「ゆるパン」教室をやっています。

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発酵 冷蔵庫 – 冷蔵庫を使ったパン生地の長時間発酵のポイント、プロが教えるとっておきのやり方

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冷蔵庫発酵ってどういうこと?

「冷蔵庫発酵」という言葉が正しいのかは分かりませんが、
要するに室温よりも低い温度で(低温)でゆっくり時間をかけて発酵させていくということになります。
例えば通常は発酵器に入れて生地を発酵させていくのが一般的だとしたら
室温で自然発酵させていくのはその2倍ほどかかり、
さらにそれより低い温度で発酵させていくということはさらに2倍かかる、
ということになります。

そんなに時間をかけて大丈夫なの?

と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
これこそ発酵をコントロールしていくということになるのです。
コントロールと言っても無理やり生地をどうこうするとうことではありません。
生地の環境を変えて、活動を変えるということです。

後輩を指導したり、子供に物事を教える伝えていく(しつけというのでしょうか)
という「人を育てる」時にその人に合ったやり方ってありますね。
褒めて育てるのがいいのか、ガツンといって刺激を与えて成長していくのがいいのか
その人によってベストな方法があるのと一緒で、その生地の種類や
現在の状態によってどうやったら上手に育てていけるか考えるわけです。
それぞれの生地の個性に寄り添っていくということですね。

その一つに「冷蔵庫で発酵」させていくということがあります。
どんな生地でもそのやり方でできますが、時間や扱いの見極めがそれぞれ違うので
丁寧に判断していきます。

ちょっと難しいようなことを言いましたが、要するに冷蔵庫発酵というものは
通常の発酵よりも、冷蔵庫を使って長い時間低温で発酵させていく
というやり方ということです。
しかし、ただ冷蔵庫に入れたらいいというものでもなく、発酵をコントロールして
それぞれの生地に合った工程を踏んでいく、ということになります。

やっぱり時間をかけると美味しかった

天然酵母の生地は発酵に時間がかかります。
通常は5〜6時間くらいとお伝えしています。
夜こねておいて、翌日の朝一次発酵が終わっているようなイメージです。
(*季節によって異なります)
しかし、生活スタイルでどうしても翌日に焼けないということがあると思います。

私がパンを作り始めて間もない時に、発酵の温度を低めの場所において
ゆっくり発酵させていると
「あれ、こんな美味しいパンになってる!!」
と感じることが多かったのです。
当時は演劇の仕事でとてもハードな毎日を送っていたので、冷蔵庫に入れっぱなし
ということが多かったんです。
その時に、美味しくなっていることもあれば、
ごめんなさいという生地(><)になっていることもありました。
でもトータルで見ると美味しくなっているということが多かったんですね。
こねてそのまま発酵させていくより、うまみがあるというか。
そんなことから冷蔵庫を使った発酵が定番になっていました。

時間をかけるとなんで美味しいの?

通常のスマートなパンの作り方は、
こねて発酵、分割して成型、さらに発酵、そして焼く。
というような過程だと思います。
こんなに工程があるので思いついたらすぐ食べられてるというような
インスタント食品ではありません。
しかし、ドライイーストだったらまだ思い立ったその日に食べるということができます。
とても便利ですね。
天然酵母はどうでしょうか。
酵母おこしから始めるの?気が遠くなります。
仮に酵母はできていたとしても、発酵に時間がかかりますので
当日に食べられるということはまずありません。

でも作る人が急増しているのはなんででしょうか?
この忙しい時代に。
それは「美味しいから」
「時間をかけるということに価値を見出しているから」だと思います。
そう、美味しいんです。

生地にとって時間をかけるということはどういうことでしょうか?
酵母が活発な環境におくのではなく、ゆっくりとした活動をしていくので
生地自体の熟成がゆっくり進むということになります。
粉の糖分をゆっくり分解していくことでうまみが引き出されていくのです。

なんで長時間発酵が美味しいのかはこちらにじっくり書いていますので
よかったらご参考になさってください。
オーバー ナイト パン – オーバーナイト法の失敗しない3つの注意点 生地に旨味を出す製法のおすすめを天然酵母パン講師が解説します

冷蔵庫発酵のおすすめのやり方

ではどういうふうにやっていくのがいいのか、おすすめのやり方をご説明します。
これもまた季節によってやり方が少し違ってきてしまうのですが、平均的なところで
お話していきます。

まず生地をこねますね。その生地を少し室温で発酵させます。
過ごしやすい時期(室温が20〜25度くらい)だと1時間くらいおいておきます。
もう少し高い温度(25〜30度)だと30分くらいかな。
こうすると発酵が進んできます。

そうして発酵を促しておいて冷蔵庫の野菜室に入れます。
この少々の時間室温に置いておくのがポイントです。
すぐに冷やしてしまうと酵母の活動が止まってしまいます。
止まってしまうといつまで経ってもカチッと固まったままの生地になっています。

しかし室温で発酵を促しておくと、冷蔵庫に入れると生地は徐々に
冷えていきますが、少しずつ発酵は進んでいくのです。
だいたい7〜12時間くらいで良い感じの生地になってきます。
この室温と冷蔵庫に置く時間でパン生地の様子も変わってきます。

毎日の生活リズムに取り入れやすい

室温に置く時間と、その部屋の温度(=季節)によって
こねた後、室温で自然発酵しておく時間が変わってくるわけです。
そのをコントロールできるようになると自由自在に(?)パンを作れるようになってきます。

こねあげ → 室温で発酵 → 野菜室

この図式を覚えてぜひやってみてください。

ただしおすすめは天然酵母の場合です。
通常でもゆっくり発酵していく天然酵母の生地はもともと長時間熟成なので
ゆっくり発酵に向いているのです。
しかし、これをドライイーストでやってしまうとうまくいかない場合が多いです。
(卵やバターが多めに入っているリッチなパン系はまだ大丈夫な場合があります)
天然酵母特徴は様々な菌も共生しているということです。
その酵母の特性によって発酵のやり方も変わってくるのです。

ぜひご家庭で美味しいパン作りの一つのやり方として、取り入れてみてください。

冷蔵庫 パン 発酵 – 冷蔵庫を使ったパン生地の長時間発酵のポイント、プロが教えるとっておきのやり方 まとめ

今日は冷蔵庫を使ってゆっくり低温発酵のよさ、やり方についてお話しました。

美味しさももちろんですが、慣れてくると自分の生活のペースに合わせやすい
つまり、忙しく時間がない人ほどやりやすいんです。

ゆっくり発酵にはいいことがいっぱい。
実は「ゆっくりがいい」ということはパンだけじゃなく、発酵食全般に言えることなんです。
天然の菌(これ大事)で、低温でじっくり発酵させて作っていくものにはうまみが増します。
毎年12月に発酵クラスでたくあん作りをしていますが、これも寒い場所でゆっくり時間を
かけた方が断然味にうまみが出るんです。
菌の活動が活発な温度よりもゆっくりペースでじわじわと活動していく
環境を作ってあげた方が美味しいということなんです。
漬物全般そうだし、味噌やお醤油、鰹節なんかもそうですね。
数ヶ月かけて、長いものは何年もかけて作られていきます。

市販のものは工業的に発酵させて早く市場に出せるように作られているので
時間をかけていないものが多いんです。
発酵を促進させる添加物を使っている場合もあります。
安く気軽に手に入るものより手作りが美味しいと感じるのはそこなんですね。

パンもじっくりと低温で発酵させて見るものいいのもです。
興味のある方はぜひ挑戦してみてください。

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