サワードゥ – どんな酵母?すごい実力、その魅力と効果を考える 

天然酵母パン 作り方−ポイント、実験、裏話など

「サワードゥ」って聞いたことがありますか?

小麦粉やライ麦を水と混ぜて作る伝統的な酵母です。

サワードゥブレッドを販売しているパン屋さんも増えてきました。

 

近年、プロフェッショナルコースにいらっしゃる生徒さんも

「サワードゥで焼いています」

「やってみたいと思っていました」

「興味あります!」

という方が増えています。

 

今回はその人気上昇中の「サワードゥ」について

どんな酵母なのか?!

迫ってみたいと思います。

 

**************


天然酵母ぱん蔵の  椿留美子です。
お山での田舎暮らしを実践、発酵生活をしています。
そんな暮らしを踏まえながら、東京と山梨で自家製酵母を使って、
発酵器を使わない、ほったらかしの「ゆるパン」教室を2009年より始めました。

現在は仕事で使いたい方、深く極めたい方向けのプロ向け講座をやっています。

 

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サワードゥ – どんな酵母?すごい実力、その魅力と効果を考える

サワードゥって何?

「サワードゥ」って聞いたことがありますか?

最近、パン屋さんでも

「サワードゥブレッド」

を見かけることが増えた気がします。

特にドイツパンと呼ばれる固くてどっしりしたものが多いです。

 

これってなに??

 

ウィキペディア(Wikipedia)ではサワードゥをこのように解説しています。

小麦やライ麦の粉と水を混ぜてつくる生地に、

乳酸菌と酵母を主体に複数の微生物を共培養させた伝統的なパン種

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より

 

つまり

小麦粉やライ麦粉と水で、粉や空気中に含まれる酵母菌などを取り込んで

培養して作っていく「パンの発酵剤」です。

 

乳酸菌や酢酸菌の影響で酸味も感じられます。

(この酸味が苦手な方も多いかも?!)

 

英語でサワー(酸っぱい)ドゥ(生地)という意味になります。

 

海外でパンを作っている方は

「サワードゥ」を使って作っているという方が多いと聞きます。

以前、カナダから帰国した知り合いの娘さんとお話した時、

レーズンや果物で起こした酵母作り

にとても驚いていました。

(*彼女は家族で移住されている)

カナダでは小麦を起こして焼くパンが普通だとおっしゃっていました。

やり方をざっくりお伝えすると

「レーズンでやってみよう♪」

とルンルンされていました ^ ^

 

日本で広がっているフルーツ酵母は海外ではあまり知られていなくて

逆に、海外では普通にある酵母が

日本ではまだまだ馴染みがないなあ・・・

と感じた出来事でした。

 

 

サワードゥはどんな酵母?作り方は?

私の講座では

サワードゥ

を2種類に分けて説明しています。

 

全粒粉を起こす「ルヴァン種」

ライ麦を起こす「サワー種」

 

と呼び名を分けています。

全粒粉やライ麦粉を分けないで、どちらを使ったものでも

「サワードゥ」と呼んでいる人もいます。

こちらの定義については、人それぞれ、国それぞれなのかなあと思っているので

絶対的な決まりはない、自由でいいかと思います。

 

どちらの粉も水と合わせて培養していきます。

粉自体と空気中の酵母菌などを取り込んでいくのは同じです。

数日おいておくと(日数は空気中の菌や季節などの環境において変わってきます)

やがてプツプツなってフワッと膨らんでいきます。

 

酵母は自ら持つ少量の酵素で、小麦粉やライ麦粉に含まれているでんぷんをなどの糖類に変えて

エサにして増えていくことができます。

時間もかかるし根気も必要かも(?!)

 

ルヴァン種とサワー種はそれぞれに特徴があります。

これは私がレクチャーしているやり方での特徴になりますが

ルヴァン種は

酵母菌と乳酸菌などのバランスがいいと

小麦の芳醇な香りが引き立ち、とてもうま味のあるパンになります。

ただ、バランスを崩しやすく、そうなると酸味が出て

「酸っぱいパン」になりやすいといいうことがあります。

 

サワー種は

作る過程においてもともとライ麦粉に含まれる乳酸菌と

空気中の菌が増加して作る発酵種になります。

独特の「酸味」が味わいになりますが、これもバランスがいいと

「酸っぱいパン」にはなりません。

ライ麦を使ったドイツパンにはサワー種を使われることが多いですが

これはライ麦粉の酸味を中和し、おいしさを引き出してくれる効果があります。

実際に、レッスンで作るライ麦粉30%ブレッドは酸味はなく

ライ麦粉の香りとしっとりした食感に仕上がって

生徒さんの間でも人気です。

 

「乳酸菌」と聞くと

酸っぱい

と連想するかもしれませんが、この乳酸菌の良さがあります。

 

乳酸菌のおかげで生地が「酸性の環境」になります。

そうすると酵母菌にとっては住みやすい環境になるのです。

そのおかげで酵母菌が元気になるし、何より酸性の環境は

雑菌が繁殖しにくい!

良いことづくめですね。

 

 

サワードウではどんなパンが作れるのか

ではサワードゥではどんなパンが作れるのか?

どんなパンに使われるのか?

ということに興味が湧きますね。

 

これは歴史をさかのぼり、地域性も関係してくることになります。

紀元前エジプトが発祥だと言われますが、それ以前からあったという説もあります。

ヨーロッパでは昔ながらの製法としてパン作りに欠かせない酵母のようです。

 

昔は製粉する技術もなく、安定した酵母もない。

そんな時代に

それでもあるもの(全粒粉やライ麦粉)を使って

”  いかに美味しいものを作れるか ”

という製法は先人の「努力のたまもの」ということでしょう。

 

 

小麦が育ちにくい寒冷地ではライ麦が作られ、それでパンを焼く、

というのが自然だったのかもしれません。

ドイツパン=ライ麦パンとイメージがありますが、歴史や気候を考えると納得です。

ライ麦を使っていかに美味しいパンを作るか

知恵をしぼって考えられたのが

「サワー種」であり、「サワー種を使ったライ麦パン」

だったのですね。

 

 

サワードゥの身体においての効果について考える

サワードゥにはどのような効果効能があるのでしょうか。

 栄養価が高い

サワードウブレッドは、カリウム、マグネシウム、亜鉛といった

ミネラルやビタミンが豊富に含まれています。

また発酵過程でつくられる乳酸の働きで、

よりミネラル分を吸収できる状態にしてくれます。

 

消化吸収が良い

発酵過程で作られる「乳酸」によってこのような効果に期待できそうです。

 

グルテンを分解する働き

「グルテンを控えたい」

そんな声がよく聞かれるようになりました。

そんな方へ。

ある実験では、サワードゥを使うとグルテン濃度が約80〜90%減少するということです。

サワードウの中の乳酸菌は、グルテンを分解する働きがあるそうです。

長時間発酵により、グルテン量を減少させる効果があるということなので

グルテンに対する過敏症やアレルギーを持つ人々にとって、

消化器官への負担が軽減される可能性があります。

ただし、セリアック病などの重度のグルテン過敏症の場合は、

サワードゥでも安全であるとは限りませんので、

個々の症状や医師の指示に従う必要があります。

 

腸内環境を整える

 

サワードゥの発酵過程で、腸内に優しい乳酸菌が増え、

食物繊維などの未消化の物質を分解します。

その結果

 

腸内の善玉菌が増える=腸内環境が整う

 

健康な消化器官を保ち、栄養素の吸収が促進されます。

 

 

血糖値の急激な上昇を抑える=低GI

 

サワードゥによって発酵されたパンは、

通常の酵母によって発酵されたパンよりも低GIを示す傾向があります。

これは、サワードゥの発酵過程で炭水化物がよりゆっくりと分解されるためです。

低GIの食品は血糖値の急激な上昇を防ぎ、血糖値の安定を保つことができます。

 

これらの理由によってサワードゥは注目されています。

しかし個人の体質や健康状態によって効果は異なるため、

心配がある場合は医師や栄養士にぜひ相談してくださいね。

 

サワードゥはなぜ人気?どんな人が求めているのか

私の周りにもこのサワードゥを使ったパンが好きな方が多い気がします。

ただ「サワードゥ」という名前は知りません。

 

固くて酸っぱいパン、ドイツブレッドみたいなやつ!

 

 

という認識です ^ ^

このパンの特徴は先ほども言いましたが

適度な酸味とうま味の融合です。

天然酵母パンの好きな人は「噛むほどに味のある」うま味が好きなのです。

 

食パンを作ったとすると

「酸味のある食パンはちょっと嫌だなあ」

と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。

少し個性的な香ばしい香りが、かえって「うま味」と感じて

「美味しいー!」

と言われます。

 

生徒さんの中でも「やってみたい」という方が8割くらいはいらっしゃいます。

作ってみたい欲、というものが湧き上がる酵母なのでしょう。

 

作り方によりますが

乳酸菌と酢酸菌がそれぞれバランスよく

個性的な旨味を味わえるパンを焼くことができます。

レッスンでおすすめのパンはこちらです。

フルーツライ

 

ミッシュブロート

 

スパイスブレッド

 

どうですか?

食べたくなったり作りたくなったら、やるしかありませんね!笑

 

粉から起こす酵母、

ぜひ一度チャレンジしてほしいサワードゥブレッドです。

 

 

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