長野県にある農業高校の生徒さんたちと、パンの商品開発に取り組んでいます。
このたび、生徒さんたちが企画・開発したパンが、
実際に市役所で販売される運びになりました。
その完成までの様子を、記録として残しておきたいと思います。

天然酵母ぱん蔵の 椿留美子です。
お山での田舎暮らしを実践、発酵生活をしています。
そんな暮らしを踏まえながら、東京と山梨で自家製酵母を使って、
発酵器を使わない、ほったらかしの「ゆるパン」教室を2009年より始めました。
現在は仕事で使いたい方、深く極めたい方向けのプロ向け講座をやっています。
ラインで直接お問い合わせはこちらから
毎朝メールより音声配信をしています。
このお話を音声で聞きたい方はこちらから
高校生と挑んだ、地域をつなぐパンの商品開発
商品開発のきっかけ——赤松の里から生まれた発想
.jpg)
この上伊那農業高校があるのは、長野県の伊那という地域です。
赤松がとても多い土地で、生徒さんたちが所属するコースでは、地域のものと暮らしを結びつけた商品を作りたい、という想いがありました。
赤松を使って酵母を起こし、パンを作ってみたい。
そんな発想から、この取り組みは始まりました。
昨年からご縁をいただき、学校の授業でパン作りをお伝えするようになりました。
今年は、3年生になった昨年の生徒さんと、新しく加わった2年生が一緒に、商品開発から販売までを担当しています。
伊那と木曽、2つの高校をつなぐ一つのパン

今回は、もう一つのつながりもありました。
木曽の高校とのコラボレーションです。
以前、木曽の高校でもパン作りをお伝えしたご縁から、伊那の生徒さんと木曽の生徒さんの合作パンを作ろう、という話になりました。
黒文字香る、ブルーベリージャムパン

出来上がったのは、ブルーベリージャムとクリームチーズのパンです。
ジャムは、伊那の生徒さんたちが自分たちで摘み取ったブルーベリーを、地元の工房で加工してもらったオリジナルジャムです。
パン生地の酵母には、木曽産の米麹を使っています。
そこに、木曽の高校で扱っているクロモジを加えました。
パンにうっすら降りかかっている緑色のパウダーです。
爽やかな香りのする木で、お茶やお菓子にも使われるものです。
伊那のブルーベリー、木曽の麹とクロモジ。
長野の中の、それぞれ違う地域のものを組み合わせた一品になりました。
出張授業から、商品開発の現場へ
商品開発は、レシピを一度決めたら終わり、というものではありません。
試作を重ねながら、味を決めていく

試作を重ねながら、味や香りのバランスを何度も見直していきます。
今回も、生徒さんたちと先生と最後の試作パンを食べながら、
「これ、どう思いますか」
と感想を言い合う場面がありました。
私も真剣に意見を伝えました。
仕込みの日は、目標100個。
成形して、焼き上げるところまで、生徒さんたちと一緒に手を動かしました。
プロ講座の卒業生も助っ人に駆けつけてくれて、時間内に作業を終えることができました。
緊張していた生徒さんたちも、作業が進むにつれてすっかり打ち解けて、
楽しそうに手を動かしていたのが印象的でした。
教室の中で終わらせない、学びのかたち

商品開発というと、
アイデアを考えて、試作して、発表会をして終わる
という形も多いのではないかと思います。
でも今回は、そこで終わらず、実際に販売するところまでを、生徒さんたちと一緒に見届けます。
知らない人に食べてもらい、選んでもらい、対価をいただく。
そこまで経験することで、学びが社会とつながっていくのだと感じています。
この企画の出張授業や、地域素材を活かした商品開発のご相談を、昨年より学校からいただいていました。
パン作りを教育の現場に取り入れてみたい
地域のものを使った商品開発をしてみたい
という先生方がいらっしゃいましたら、お気軽にご相談いただければと思います。
学校の外へ、生徒さんたちが自分たちの手で作ったパンを持って出ていく。
その一歩を、これからも応援していきたいと思っています。
関連記事はこちら
長野の農業高校で見た、若い世代の”発酵の目”——初めてのパン作り授業で起きたこと
松の酵母で発酵!地域食材から生まれた天然酵母パン|高校生と挑んだパン作り体験記





