超多忙な舞台俳優時代、
劣等生だった私がなぜ手間のかかる天然酵母パンだけは続けられたのか?
その秘密は
「ドライイーストとの決定的な違い」と
「冷蔵庫活用」
にありました。
時間がなくても焼ける、忙しい方向けの「待ってくれる」パン作りの魅力をご紹介します。

天然酵母ぱん蔵の 椿留美子です。
お山での田舎暮らしを実践、発酵生活をしています。
そんな暮らしを踏まえながら、東京と山梨で自家製酵母を使って、
発酵器を使わない、ほったらかしの「ゆるパン」教室を2009年より始めました。
現在は仕事で使いたい方、深く極めたい方向けのプロ向け講座をやっています。
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【元舞台俳優が語る】忙しい人こそ「天然酵母パン」!冷蔵庫発酵で初心者でも続く「ほったらかし」の極意
「手作りパンを焼いてみたいけれど、時間がなくて無理」
「パン作り初心者が天然酵母なんて、ハードルが高すぎる」
そんなふうに思っていませんか?
実は、それは大きな誤解なんです。
私は現在、パンと発酵の教室を主宰していますが、実は昔、超多忙な舞台俳優をしていました。
しかも、当時の私はパン教室に通う「劣等生」笑
稽古に追われ、教室の日程すら忘れてしまうようなダメダメな生徒だったのです。
そんな私が、なぜ手間がかかると言われる「天然酵母パン」だけは続けられ、
こうして講師になることができたのか?
その秘密は、意外にも
忙しかったからであり、冷蔵庫発酵というテクニックがあったからなんです。
今回は、忙しい毎日に追われている方にこそおすすめしたい、
時間を味方につけるパン作りの秘訣をお話しします。
毎朝メルマガより音声配信をしています。
このお話を音声で聞きたい方はこちらからどうぞ。
舞台俳優時代、超多忙な「劣等生」だった私がパン作りを続けられたワケ

冒頭でもお話ししましたが、私は以前、舞台俳優として活動していました。
「パン教室の先生」という現在の姿からは想像がつかないかもしれませんが、当時の生活はまさに戦場のよう!
稽古と本番に追われ、パン教室の日程すら忘れる日々
舞台の稽古期間に入ると、朝から晩まで稽古場に缶詰め状態になります。
太陽の光を浴びるのは、お昼ご飯を買いにコンビニへ行く時だけ…
なんて日も珍しくありませんでした。
頭の中は常にセリフや段取り、次の現場への移動時間のことでパンパン。
「今日、私どこに行くんだっけ?」と混乱するほどの毎日を送っていました。

*舞台をやっていた頃(懐かしいー)
そんな状態で、趣味のパン教室に通っていたのですから、
当然「優秀な生徒」になれるはずがありません(><)
ある朝、電話が鳴って出ると、パン教室の先生からでした。
「椿さん、今日はパンの日よ?」
「あー!しまった!すみません、もう稽古場に来てます…!」
そんなこともありました。
本当に、先生にとっては困った生徒だったと思います。
「忙しくて習い事が続かない」という経験、皆さんにもあるのではないでしょうか?
私もまさに、その典型だったのです。
なぜ手軽なドライイーストではなく、天然酵母だったのか?
そんな劣等生で多忙な私が、なぜパン作りだけは挫折せずに続けられたのか。
しかも、一般的に「難しい」「手間がかかる」と言われている天然酵母のパンを、
なぜ焼き続けられたのか。
結論から言います。
天然酵母だったから続けられたのです。

これがもし、手軽で早いと言われる一般的な「ドライイースト」のパン作りだったら、
間違いなく私は挫折していました。
忙しい生活の中で、パンを焼く余裕など持てなかったでしょう。
ここからは、なぜ初心者の私が「あえて」天然酵母を選んだのか、その理由を深掘りしていきます。
手作りパン初心者こそ知ってほしい!ドライイーストと天然酵母の決定的な違い
「手作り パン 初心者」向けのレシピ本の多くは、ドライイーストを使用しています。
確かにドライイーストは優秀です。
発酵力が強く、安定していて、思い立ったらその日のうちに数時間でパンが焼き上がります。
しかし、その「速さ」こそが、当時の私にとっては最大のネックでした。
「早い=急かされる」ドライイーストのプレッシャー

ドライイーストは、発酵のスピードが早いです。これはメリットでもありますが、
裏を返せば
待ってくれない
ということでもあります。
「一次発酵は〇〇分で終了」
「すぐにガス抜きをして成形」
「二次発酵が終わったらすぐ焼成」
もし、仕事の電話がかかってきたり、急な用事が入ったりして作業が遅れるとどうなるでしょう?
生地はどんどん過発酵(発酵しすぎ)になり、酸味が出たり、膨らまなくなったりしてしまいます。
生地に「早く!次!まだ?」と急かされているような感覚。
ただでさえ時間に追われている日常の中で、趣味の時間にまで「時間へのプレッシャー」を感じるのは、私にとって致命的でした。
癒やしであるはずのパン作りが、焦りの原因になってしまっては本末転倒ですよね。
天然酵母は「こちらのペース」に合わせてくれる

一方、天然酵母は違います。
彼ら(酵母たち)は、基本的にゆっくりです。
発酵に時間がかかるということは、多少ほったらかしていても、急激に状態が悪くなることがないということ。
数分、あるいは数時間のズレがあっても、天然酵母の生地はどっしりと構えて待っていてくれます。
「あ、ちょっと今手が離せないから待っててね」
そんな私の都合を許してくれるアバウトさが、天然酵母にはあるのです。
この「私の生活ペースに合わせてくれる」という点が、不規則な生活をしていた私に
ぴったりとハマりました。
忙しい人に最適!「冷蔵庫発酵パン」の仕組みとメリット
では、具体的にどうやって忙しい合間を縫ってパンを焼いていたのか。
そこで登場するのが、今回のキーワードである
冷蔵庫発酵
です。
天然酵母と冷蔵庫発酵は、相性が抜群です。
この組み合わせこそが、忙しい現代人が手作りパンを日常にするための最強のメソッドだと思っています。

夜こねて冷蔵庫へポイッ!あとは寝ている間に酵母におまかせ
私がやっていた(そして今も推奨している)方法はとてもシンプルです。
- 時間がある時に生地をこねる。
- こね上がった生地を保存容器に入れ、冷蔵庫にポイッと入れる。
- 翌日(または翌日以降)、好きな時に出して焼く。
これだけです。
冷蔵庫の中は温度が低いので、酵母たちは活動を緩やかにします。
完全に止まるのではなく、ゆっくりゆっくり、寝ながら活動しているような「休眠状態」に近いイメージです。
一晩、あるいは数日冷蔵庫に入れておいても大丈夫。
つまり、パンを焼くタイミングを自分でコントロール(逆算)できるのです!
「明日の朝は早いから焼けないな」と思ったら、そのまま冷蔵庫に入れておけばいい。
「今日の夜なら時間が作れそう」と思ったら、そこで冷蔵庫から出せばいい。
時計を見ながら「あと10分で発酵が終わるから動けない!」と拘束されることがありません。
冷蔵庫を使ったやり方はこちらをご参考にしてください。
逆算のやり方はこちらをどうぞ。
時計ではなく「生地の顔色」を見るアバウトさが成功の秘訣
冷蔵庫から出した生地は、冷えて締まっています。
それを室温に戻しながら、酵母が目覚めてふっくらとしてくるのを待ちます。

ここでも「何分経ったから次!」というルールはありません。
「生地の顔色」を見て判断するのです。
「あ、いい感じに膨らんで元気そうだな。そろそろ焼いてあげようかな」
そんなふうに、生地と対話するような感覚です。
これは少し強引な結びつけかもしれませんが、私がやっていたお芝居にも似ています。
演技も、相手のセリフやリアクション(反応)を見て、自分の対応が変わりますよね。
「相手(生地)の状態を見て、こちらが動く」
この適当さというか、マニュアル通りではないライブ感が、私の性格にはとても合っていました。
そして何より、冷蔵庫で長時間ゆっくり発酵させたパンは美味しいのです。
小麦の旨味がじっくり引き出され、しっとりとした味わい深いパンになります。
「楽をした方が美味しくなる」なんて、最高だと思いませんか?
時間が「かかる」のではなく、時間を「かけられる」という考え方
天然酵母パンというと、「完成までに何日もかかる大変なもの」というイメージを持たれがちです。
しかし、私はこう考えています。
時間が「かかってしまう」のではなく、
時間を「かけることができる」
のだと。
忙しくて一気に作業できないからこそ、
工程を分割し、長い時間をかけて(その間はほったらかしで)完成させることができる。
これは、忙しい人にとって最大のメリットです。

フルタイム勤務でも大丈夫!自分の生活リズムに菌を共生させる
私の教室の生徒さんたちも、実はフルタイムで働いている方や、
子育て真っ最中の方、介護をしている方など、とても忙しい方が多いです。
最初は「私にできるかしら」と不安そうに来られますが、
皆さんすぐに「冷蔵庫発酵」のサイクルを自分の生活に取り入れてしまいます。
「平日の夜にこねておいて、週末の朝に焼きたてを食べるのが楽しみになりました」
「冷蔵庫に生地があると思うと、明日が楽しみになります」
そんな声をいただくたびに、私は感心すると同時に、とても嬉しくなります!
自分のペースを見ながら、菌(酵母)と共生し、生活の中にパン作りを溶け込ませている。
それはとても豊かな暮らし方だと思うのです。

まとめ:元劣等生の私でも講師になれたから大丈夫
もし今、あなたが
「忙しいから丁寧な暮らしなんてできない」
「手作りパンなんて夢のまた夢」
と思っているなら、ぜひ一度、天然酵母の冷蔵庫発酵パンを試してみてほしいと思います。
稽古場を飛び回っていた当時の私のような劣等生でも、こうしてちゃんと講師になれました。
だから、皆さんも大丈夫です笑
忙しい毎日にこそ、天然酵母という「ゆっくりとした時間」を取り入れてみてください。
きっと、パン作りが「忙しさの中の癒やし」に変わるはずです。
今日のお話が、皆さんのパン作りや暮らしの中で少しでもお役に立てたら嬉しいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。





