イライラしたり突然涙が出たり
——更年期の不調は頭でぐるぐる考えると苦しくなります。
パンの生地を捏ねると無心になれる理由、
天然酵母という命を育てることで
心が満たされていく話をお届けします。

天然酵母ぱん蔵の 椿留美子です。
お山での田舎暮らしを実践、発酵生活をしています。
そんな暮らしを踏まえながら、東京と山梨で自家製酵母を使って、
発酵器を使わない、ほったらかしの「ゆるパン」教室を2009年より始めました。
現在は仕事で使いたい方、深く極めたい方向けのプロ向け講座をやっています。
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更年期の不調と上手に付き合う——手を動かすことが心を整える理由
イライラしたり、突然涙が出たり、よくわからないまま不安になったり。
更年期の不調って、頭の中でぐるぐる考えているとどんどん苦しくなるんですよね。
そういうときに助けになるのが、
「手を動かすこと」
だと思っています。
パンの生地を捏ねながら、気がついたら楽になっていた——そんな話をします。

私自身は、更年期のイライラをあまり感じなかった
これは正直に言うと、私自身はあまり強く感じなかった方なんです。
忙しすぎて感じていなかっただけかもしれないけれど(笑)
でも周りの方からはよく聞く——ホットフラッシュ・眠れない・突然の涙
生徒さんやお友達から、本当によく聞くんです。
ホットフラッシュ
夜眠れない
なぜかイライラする
突然涙が出る。
自分でもよくわからないまま感情が動いてしまうって、本当に大変だと思います。
私の母親もホットフラッシュがひどかったのを覚えています。
今日はそういう方に、少しでもお役に立てれば嬉しいなという気持ちで書いています。
生地を捏ねていると、無心になれる
パン作りをしていて私がいつも感じるのが、
捏ねている間って無心になれるということなんです。
集中できる、というか。
気がついたら、頭の中がしんと静かになっている。

集中するとは、今ここだけに意識を向けること
思い返してみると、気持ちがざわついている時ほど、捏ねることで
「今ここ」に戻ってきている感覚があります。
頭の中でぐるぐると考えていたことが、捏ね始めるとどこかへ行ってしまう。
よくわからないけど、気持ちが落ち着いている。
それが捏ねることの不思議な力だなと思っています。
生地の感触・台に押す感覚・だんだん滑らかになっていく手の記憶
生地の手触り、台にグッと押し当てる感覚、だんだん滑らかになっていく感じ——
それだけに意識が向いていくから、ほかのことを考える隙間がなくなっていくんですよ。
五感が「今」に引き戻してくれる、というイメージです。

「捏ねることを瞑想にする」というパン教室
以前、知り合いのパンの先生が
「捏ねる時間を瞑想的な時間にする」
というコンセプトで教室をされていました。
最初に聞いた時は「面白い切り口だな」と思ったんですけど、
実際やってみるとすごくよくわかるんです。
呼吸を整えて、手を動かして、体と対話する時間

ヨガや瞑想に近いものがあって、
呼吸を整えながら手を動かして、今この瞬間だけに集中する。
生地を通して、自分の体と対話しているような感覚になってくる。
「手を動かすことが心に直接働きかける」
ということを、その先生のコンセプトを聞いてから改めて感じるようになりました。
天然酵母という「命」を育てることで、心が満たされていく
天然酵母のパン作りには、もうひとつ大事なことがあります。
酵母という命を育てていく、というプロセスです。
泡が出てきた、香りが変わった——生きているものと一緒にいる感覚

レーズンやヨーグルト、フルーツで酵母を起こして、毎日様子を見ながら育てていく。
泡が出てきた、香りが変わった、元気になってきた——
そういう変化を感じながら過ごしていると、
「生きているものと一緒にいる」
という感覚になってくるんですよ。
食べる人の顔を思い浮かべながら焼く時間が、自分の心も満たしてくれる

その命が、発酵して、生地になって、焼き上がって、誰かの食卓に届く。
イーストとは違う、何日もかけたプロセスがあるからこそ、食べる人の顔を思い浮かべながら焼く時間が生まれる。
命を感じて、それをおいしいものに変えて、誰かを幸せにする。
この一連の流れが、自分の心もじわじわと満たしてくれるんです。
体から心を整える——なぜ「手を動かすこと」が効くのか
更年期のイライラや気持ちの揺れって、ホルモンバランスの変化によるものが多いと言われていますよね。
自分でもよくわからないまま感情が動いてしまう。
頭でぐるぐる考えていると、もっと苦しくなってくる。
捏ねると感覚に意識が向き、思考が静まっていく

そういう時に「手を動かすこと」が助けになる理由は、
体の感覚に意識が引っ張られるからだと思っています。
生地の弾力、台に押す手のひらの圧、だんだん滑らかになっていく変化——
五感がそこに向いている間は、頭の中でぐるぐる考える隙間がなくなる。
捏ねることで「今ここ」に体が引き戻され、
思考のノイズが静まっていくんですよね。
難しいことは何もなくて、ただ手を動かして、感触だけに意識を向ける。それだけです。
発酵食と手仕事、どちらも「体から整える」アプローチ
以前のブログで、更年期と腸のつながりについてお話ししたんですが、腸が整うと気持ちも安定してくる、ということがあります。
更年期と腸は、実はつながっている——手作り発酵が”心の安定”をつくる理由
発酵食を暮らしに取り入れること、そしてパンを捏ねること
——どちらも頭からではなく、体の側から心を整えていくアプローチなんです。
更年期の不調と付き合う方法として、薬や休養とは別のところで、
こういう日常の手仕事が効いてくることがあると思っています。
更年期に限らず、気持ちがざわついたときに
「捏ねれば全部解決する」という話ではないんです(笑)
ただ、何か気持ちがざわついている時に、体を動かして、手で何かを感じて、今ここに戻ってくる。
そういう時間を一日の中に作ることが、じわじわと効いてくるんじゃないかなと思っています。
粉と水と酵母だけで始められる、心を整える時間

これは更年期に限らず、日々のストレスや忙しさの中にいるすべての方に通じる話だと思っています。
酵母の日々のルーティーンが暮らしの中に入ってくることで、ゆったりとした自分の時間が流れていく。
粉と水と酵母で生地を作る、ただそれだけのことが、意外なほど心を整えてくれます。
ぜひ、手捏ねでやってみてください。
手仕事の楽しさという意味では、酵母で作るパンも発酵スイーツも同じなんですよね。
粉と向き合って、命と向き合って、焼き上がりを待つ
——その時間そのものが、暮らしを豊かにしてくれます。






