ここ数か月はおうち時間が増えていた方も多かったせいか、
自家製酵母に挑戦してみたい!
という声が前よりも聞かれるようになった気がします。
ぱん蔵のレッスンでは季節の素材を使った酵母起こしをおすすめしていますが、それは
果物であったり、野菜であったり、ハーブやお花であったり様々です。
皆さんも「これを使ったらどうかな?」なんて考えることもあると思います。
前にどんな素材がパンの酵母作りに向いているか、というお話をしたと思いますが、
今回は使わない方がいいもの、というお話です。
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天然酵母ぱん蔵の 椿留美子です。
お山での田舎暮らしを実践、発酵生活をしています。
そんな暮らしを踏まえながら、東京と山梨で自家製酵母を使って、
発酵器を使わない、ほったらかしの「ゆるパン」教室をやっています。
パン 酵母 – 自家製天然酵母作りの素材でパンに使わない方がいいもがあるの?果物、野菜などで考えてみました
このお話を動画でご覧になりたい方はこちらからどうぞ。
パン作りに邪魔するもの?素材のもつ特性のお話
皆さんが自家製酵母を作ろうと思った時、
「この素材面白そう!作ってみたい」
と思って挑戦されることがありますか?
自家製酵母を作り始めると、いろいろなもので酵母を起こしてみたくなります。
しかし、あれれ??と失敗することがあるかもしれません。
私はそうでした。
うちの庭には大きなキウイの木があります。
ほとんどお世話していないので伸び放題、というか伸び伸びと成長していて
完全に無農薬自然栽培です。
ほったらかしですが、結構美味しい実を毎年つけてくれています。
そのタワワになっているキウイで酵母を起こさない手はありません。
大喜びで酵母おこしをやったわけです。
そう、とてもいい感じで酵母は出来上がりました。
しかし・・・
パンを作る段階で、生地がドロドロになってまとまらずうまくいかないのです(><)
最初はなんでかわからなくて困ったものでした。
後々調べてみると、キウイはパン作りには向いていなかったんです。
そんなこともありました。
そうです。
酵母起こしはできても、パン作りには向いていないものがあるんです。
前にお話したのは
自家製酵母、パンに向いているものと向いていないもの
というテーマでした。
パンに合うものとそうでないもののお話でここでも触れていますが、
素材にはそのものの持つ性質があります。
それが、パンを作る時に邪魔をすることがあるのです。
どんなものでも酵母菌というものを持っていて、それを培養していくことは出来ます。
しかし、その先です。
酵母を起こしてそれを使っていくときにパンのふくらみを妨げる、そういうものがあるんですよ。
タンパク質を分解してしまう酵素(プロテアーゼ)
このふくらみを妨げるものは
タンパク質分解酵素(プロテアーゼ)
というものでこれが含まれている果物や野菜などの
素材で酵母起こしをしてパンに使っても上手くいかないのです。
その名の通り、たんぱく質を分解する酵素を持っているということです。
タンパク質?
パンを膨らます大事な要素はみなさんもご存じの通り「グルテン」です。
グルテンを強化するために一生懸命こねますよね。
そのグルテンってタンパク質なんです。
そのグルテンを壊してしまうのでパンが膨らまないのです。
どういう現象になるかと言いますと、生地がべちゃっとしてしまいます。
そう、例のキウイを使った時の様に、です。
どういう素材に含まれているか?
主にパッション系のフルーツはよく知られたところです。
パイナップル、パパイヤ、マンゴーなど。
野菜でいうと、
にんにく、玉ねぎ、ピーマンなど。
これらの素材を使う時にはドライにしたものを使うとよい、という情報もありますが
実はドライになっていてもこの酵素は残っているみたいです。
あとは少々加熱する。
70℃くらいで酵素は変異するといわれるのでこれも一つの方法かと思います。
(これも実は酵素が多少残っているみたいですが)
私はこのたんぱく質分解酵素(プロテアーゼ)が含まれているといわれる
「生姜酵母」をよく作ります。
レッスンでも取り入れていますが、実際作っても失敗したことはありません。
あと、りんごも含まれているそうですが、とてもいいパンが出来るのでおすすめしています。
この酵素が含まれていると言っても、全部失敗してしまうわけではないんですね。
しかし、多く含まれているものは失敗の声をよく聞きますので要注意です。
パイナップル、キウイ、玉ねぎなど。
あといちじくもです。
昔、パンの先生のところに家でとれたキウイを持っていったことがあります。
キウイもその酵素が多く含まれていて、私は失敗したのですが、
そのパンの先生は
「いいパンが出来た!!」
とおっしゃっていました。うーん、、不思議です。
まだまだ未知の世界、わからないことがいっぱいです。
パン 酵母 – 自家製天然酵母作りの素材でパンに使わない方がいいもがあるの?果物、野菜などで考えてみました まとめ
パンを上手く膨らませるためには、
グルテンを壊してしまう酵素を持っている素材を使うのは注意しましょう
ということです。
しかし、その酵素を持っていても失敗しないこともあります。
私が思うのは、多く含まれている素材は失敗してしまいますが(経験済み^^;)、
そこまででないものもあるということです。
(*キウイの場合はいまだに不思議なんですが・・・)
その素材を使いたい時はドライにしたり、加熱したりちょっとした工夫で上手くいくことも
あるので、トライしてみるといいと思います。
それも楽しい酵母作りのひとつではないでしょうか。(酵母作りの過程が好きな方向け)
あと、一つ。
今日は酵素の話がメインでしたが、パンに使わない方がいい素材については、酵素以外に
「香り」があります。
やはり香りのいいものがパンには向いていると思います。
野菜でいうと泥臭いもの(葉っぱ系)は生地にするとほとんど香りはとんでしまうのですが、
酵母液にしたとき、あるいは生地を作る過程で、いい香りのものは癒され感が違います。
パン作りの過程を楽しむ意味でもいい香りは重要かな、と思います。
今日は、素材の持つ酵素についてのお話がメインでした。
健康のために生酵素を身体に取り入れる「ローフード」というものがあるくらいですが、
それがパン作りに邪魔になることもあるってことなんですね。
そういう時は酵母液を飲みましょうー!!
美味しくってこれもおすすめしています^^