昨日油についてご紹介しましたが、ぱん蔵のレッスンで愛用している菜種油の
製造者の平出油屋さんが廃業されたそうです。
昨年12月にいつも購入しているお店の方から
「平出油屋さんがやめてしまうかも」
というお話をお聞きしてびっくりしました。その後は、まだ在庫もあったので
あまり気にしていなかったのですが、昨日改めて注文すると、
「廃業されたそうですよ」
とおっしゃって、本当にこの時がきたんだー、とショックを受けました。
今日は、その出来事から思ったことを書き綴ろうと思います。
つれづれなるままに、、という感じなのでよかったらお読みください。
平出油油屋さんは、実は昨年の12月末で廃業されていたそうです。
最後の製造は3月くらいまではやっていたそうですが、もうどこも在庫がないみたいですね。
本当に悲しいです。ちょうど昨日の記事
植物性油はどう選んでる?パンにも良く使うおすすめは?
でご紹介したように、出会ってからはずっとお世話になっていました。
昔ながらの作り方、こちらの動画がとてもわかりやすいです。
廃業の理由は平出さんの高齢化、後継者不足、機械の老朽化などということです。
天保12年(1841年)に創業されて、178年の歴史があるそうです。
伝統的な玉締め圧搾法という絞り方で本当に美味しい油です。
この動画の作り方を見れば、手間をかけて丁寧に作られていることがよくわかります。
あまりにも大変すぎて、これじゃあ、後継者はなかなかできないのかもしれません。
機械の老朽化ということも聞きました。
初めてこの動画をみた時、「こんな機械って今の時代にあるんだ、すごい!」って
確かに思いました。
メンテナンスってどうするんだろう・・・とか。それほど昔ながらの機械なんです。
この機械を直してくれる職人さんも今では引退されていらっしゃるとか。
もちろん若い方でこういった伝統技術を引き継いている方もいらっしゃるでしょうが
年々少なくなってきていることは確かです。
この話は人ごとではありません。
私の周りでも本当によく聞くお話です。
ぱん蔵がお世話になっていて、このブログにもよく登場する農家のお母さんも70才になります。
お子さんたちは東京にいらして、繁忙期には手伝いにいらっしゃるそうですが、もうあとは
引き継がないということで、お母さんはいつも「私も年だから今年はこれをやめよう」と
今までのようにはできないし、年々やめることを決めていると言っていました。
ご近所の山や畑を持っている(みんな山を持っているってすごい、驚きです)方々も
お子さんたちはほとんど町へ出て行ってしまっているので、このあとどうするんだろう?
という状況です。
放置されている家や畑、山もけっこうあると聞きます。
私はこちらの地区に10年前に移住してきましたが、町の景観は相当変化しています。
一面にあった田んぼが住宅地に変わり、大きなショッピングモールができました。
冬になるとイルミネーションでキラキラしています。
10年でこんなに変わるんだ、と驚くばかりです。
田んぼが住宅地になっているということは、田んぼをやる人がいなくなっているのです。
休田地だなあ、と草が生えている田んぼをみていたかと思うと翌年には家が建っています。
田んぼをみても後継者不足だということがわかります。
農家のお母さんはいつも言っています。
「米は作るより買った方が安い」
肥料や、機械などあれこれと準備がいるし、何より手間がかかる。
私も教えてもらいながら田んぼをやっていたこともありますがいつも
「買った方がいいよ」と言われました^^;
私が住んでいるところは「ほうとう」を打てるおばあちゃんたちが多いです。
お嫁に来た時にお姑さんに習ったんだそうです。
田んぼが終わってどこも小麦を作っていたんだそうで、「ほうとう」打てるのは当たり前だったとか。
でも、今60代くらいのお母さんたちは打てない人がほとんどみたいです。
その打てるおばあちゃんたちは姑さんで苦労されたので、その下の世代のお嫁さんには
教えなかったということかなあ。(これは想像ですが)
昔からずっと続いてきた技術が絶えてしまうのはもったいないことです。
でも地元の方はそれに気づかないことの方が多い気がします。
外からきた私たちの方が、もったいないもったいないと騒いでいる。そして教えてもらって喜んでいる。
でも結局、外も中もないんですよね。
同じ日本の伝統文化だから、気がついた人が学んで後に繋げていけばいい。
そんなことを考えてしまいました。
今回の平出さんのことで、また一つ大事なものがなくなっていく寂しさがありましたけれど、
私たちは自分のできることで繋げていこう、そう思ったのでした。
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