モルト シロップ – モルトシロップって?その使い方と役割を現役天然酵母パン講師がお話しします

天然酵母パン 作り方−ポイント、実験、裏話など

 
パン作りをしていると聞いたことのない材料も出てきます。
私にとっては「モルトシロップ」がそれでした。
どこで買っていいかもわからず(まだネットがそれほど普及していない時代!)
パンの先生から購入させてもらっていました。
 
しかしその後、パン作り以外でも大変お世話になることになるとは・・・♡
そんな「愛するモルトシロップ」のお話をしてみたいと思います。
 
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天然酵母ぱん蔵の  椿留美子です。
お山での田舎暮らしを実践、酵母生活をしています。
そんな暮らしを踏まえながら、東京と山梨でホシノ天然酵母と自家製酵母を使って、
発酵器を使わない、ほったらかしの「ゆるパン」教室をやっています。
 
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モルト シロップ – モルトシロップって?その使い方と役割を現役天然酵母パン講師がお話しします

 
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モルトシロップとはどんなもの?

 
フランスパンを焼かれる方は使われる方も多いと思いますが
その時にレシピに書かれていることが多いのがモルトシロップです。
「それ何?」と聞かれることも多いです。
主にハード系のパン、シンプルなパンに使います。
 
モルトとは麦芽のことです。
モルトシロップの原材料は大麦麦芽です。
麦芽の中にあるアミラーゼというデンプン分解酵素が麦芽糖を作ってくれます。
これをシロップ状にしたものがモルトシロップです。
茶褐色でどろっとしています。茶色の水飴のような感じです。
はちみつのような強い甘みがあるわけではなく、ほんのり。
香りは独特で味はちょっと苦味のある甘さです。
 
メーカーによっては100%麦芽糖のものや、そのほかの素材が入っているものなどがあります。
 
 

フランスパンに必須?モルトシロップの3つの効果

 
フランスパンやハード系のパンの材料に入っていることで知られますが
なぜモルトシロップを使うの?
といった疑問も生まれます。
その効果についてお話していきたいと思います。
 

発酵促進

フランスパンは基本の原材料は小麦粉、塩、酵母、水です。
基本ハード系のパンには甘みは必要ありませんよね。
 
でも甘みを入れないと酵母のエサがなくて膨らまないんじゃないの?
砂糖が入っていないとパンができない?
 
いえ、そんなことはありません。
もともと小麦粉にアミラーゼも含まれているのでパンはできます。
ただ、炭酸ガスの発生が弱く、発酵にも時間がかかります。
麦芽糖は酵母(イースト)の栄養となり、発酵を促進してくれます。
入れない生地は酵母の活動に時間がかかり、発酵がなかなか進まず膨らみにくく
なることから、モルトシロップを使います。
甘みを付けないで酵母の活動を助ける、ということなんですね。
 

 

焼き色をつける

生地の糖を増やすことにより、きれいな焼き色をつけます。
私自身は、実際に使っていて極端な効果はあまり感じませんが
フランスパンなどではその効果を期待して使用します。
 
また、ベーグルを茹でる時にお湯に加えてあげると
プリッとした艶やかな表面になります。
表面もきれいに色付くので美味しそうに仕上がります。
 

窯伸びがいい

パン生地は発酵した段階で膨らみますが、オーブンに入れて焼く時
さらに膨らんできます。
これを「窯伸び」といいますが、モルトシロップはこの窯伸びを助けてくれます。
ということはクープがきれいに開くことにもつながります。
 
そのほかに感じているのは、香りがいいということです。
麦の仲間、ということもあるのでしょうか
小麦粉の香りを一段と引き立ててくれます。
シンプルで食べるパンだからこそ、香りを味わうことになります。
そういう意味でも先人は使ってきたのですね。
 
 

モルトシロップの使い方

 
こんなふうに効果をみていくと使ってみたくなるものです。
ではどんな使い方をすればいいのか?
レシピに表示されているものはその通りに使ってください。
そうではなく、砂糖と書かれているのものでモルトシロップに変換して
使ってみたいと思う場合は、小麦粉に対して0.3〜0.5%くらいを目安に入れていきます。
これもメーカーによって違うので表示を確認してもらった方がいいかもしれません。
 
結構ネバっとしているので計量が難しいです(^^;
パンに使う水分に混ぜてよく溶かしてから使っていきます。
これも溶けにくいのでひと手間かかります。
慣れないとちょっと面倒臭いなあ・・・と思われるかもしれません。
 
 

モルトシロップとモルトパウダー

 
モルトシロップの他に、モルトパウダー(粉状)のものもあります。
モルトパウダーも最近では手に入りやすくなっているので
生徒さんからも「モルトパウダーでもいいですか?」と聞かれることがあります。
厳密にいうと成分は違ってくるようですが、個人的には同じような感覚で
使っていいと思います。
割合はモルトパウダーの方がその他の原材料が含まれていることが多いので
シロップより量が多めになります。だいたい2倍くらいを目安にしたらいいかと
思いますが、モルトパウダーの裏表示があればをそれを参考にして使ってください。
モルトシロップでもモルトパウダーでもご自分の使い勝手の良いものを選んでいただくのがいいと思います。
 
 

モルトシロップは他のものでも代用できる?

 
代用出来なくはありません。
手に入らない時はお砂糖を少量、
モルトシロップの量のだいたい3〜4倍くらい(2gだったら8gくらい)
あとは、はちみつとかメープルシロップとかでも出来ます。
しかし原材料が違うので、全く同じ効果が得られるとは言えません。
酵母のエサにする、という意味では代用できるかなと思います。
 
 

意外なところで使われているモルトシロップ

 
先日生徒さんが「この香り知ってます!!」とおっしゃっていました。
どこで嗅いだ香りだろう?と思い出すと
「子供の便秘薬でした!」
とおっしゃっていました。
そんなんです。
この麦芽糖は「マルツエキス」という名前で薬局で売っているんです。
これ、私知りませんでした。
その方は小さいお子さんがいらして、便秘で困っていた時期によく飲ませていたそうです。
パンを作り始めて間もない方でモルトシロップの香りを知っているという方は
初めてだったので驚きました。
 
便秘にいいという意味はどういうことなのか?
麦芽糖のゆるやかな発酵作用が腸の運動を活発にするということです。
即効性はないので1〜2日かけておだやかな排便を促します。
水飴状になっていて淡い甘さなので小さいお子さんも飲みやすいということです。
 
すごいですね!こんなところでも役に立っていたんですね。
 
そのほかに私がめちゃくちゃ「愛する」というのはビール作りに使うからです♡
私がモルトシロップを知ったのはパン作りが最初ですが、
自家製ビールを作り始めて(家庭で作るビールはアルコール度数1%以下ですヨ)
このモルトに大変お世話になっております。
最初ビール用のモルトを見たとき「これパンに使うやつジャン!」と思いました。
そうなんです、原材料は同じ大麦麦芽。
ビール用はビールに適したものになりますが、ほぼ香りも味も同じ。
こんなところでも使われているんですね♪
 
 

モルト シロップ – モルトシロップって?その使い方と役割を現役天然酵母パン講師がお話しします まとめ

 
今日はモルトシロップについてお話しました。
なんぞや??
と思っていた方には少しわかっていただけたでしょうか。
 
パン作りに関しての3つの効果
1.発酵を促す
2.焼き色をつける
3.窯伸びを助ける
ということがありました。
 
そのほかにもいろいろなところで使われているんですね。
今や、ネットでも手軽に手に入るようになりましたが、
なかったらなかったでもいいんです。代用品で焼いてもいいのです。
ご家庭で楽しんでパンを焼く分にはあまり難しく考えないで、
なるほどー、と参考にしていただけたら良いと思います^^
 
 

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