白いパンじゃなくて黒いパンを食べなさいと言われた話～時には昔のはなし

白いパン？
黒いパン？

皆さんはどんなパンを想像されますか？
白いパンはハイジの白パンのようなふんわりしたパン？
黒いパンは全粒粉のパンみたいなずっしりした固いパン？
そんなイメージでしょうか？

今日はちょっと昔の話、２０年以上も前のお話をしようと思います。

ホールフードの暮らし～白いパンじゃなくて黒いパンを食べなさいと言われた話

ホールフードの暮らし～白いパンじゃなくて黒いパンを食べなさいと言われた話

もう２０年以上前、３０年近くになりますか、私が２０代の時のことです。
そのころある劇団の研究生をしていました。
その時にいろんなことに興味もあったし、ちょっと自分自身環境の変化も求めていたので
劇団をお休みして福井のお寺に座禅をしにいったことがありました。
泊まり込みで１週間ほどです。
お寺のお手伝いをしながら、禅の勉強もさせてもらい座禅も朝夕ありました。

同じような目的で何人かの方がいらっしゃったのですが、その時にドイツ人の女性の方がいらっしゃいました。
もうお名前も忘れてしまったんですが、すらっと背の高い方で学校の先生ということでした。

当時は二十歳そこそこで劇団の貧乏研究生、「食」についても深く考えたこともなく知識もありませんでしたが、その時に彼女に言われたのが
「白いパンじゃなくて黒パンを食べてね」
ということだったのです。
つまりは白い小麦粉じゃなくて全粒粉、製粉されたものじゃない黒っぽい小麦粉＝全粒粉ということです。

また、お砂糖も白じゃなくて黒、つまり精製されていないもの＝黒砂糖
お米も黒＝玄米
とにかく、黒、黒、黒、「黒を食べてね」と言われたんですね。
そのころはっきり言ってよく意味が分かっていませんでした。
なんだか全粒粉のパンがいいらしい、というふうに漠然ととらえていました。

後々気付いたのですが、つまりは食べ物は丸ごと食べた方がいいよ、

ホールフードの暮らしをしよう

ということだったんですね。

ホールフードというのは「食物を丸ごと食べる」ということです。
マクロビオティックをやっていらっしゃる方は「一物全体（いちぶつぜんたい）」という言い方をされると思います。
穀物、野菜、果物など日頃捨てている皮や種の部分に栄養素がたくさん含まれています。

家で猫を飼っているんですが、猫のエサについて調べたことがあります。
キャットフードじゃなくて自然の食べ物を与えたいと思ったからです。
その時にわかったのは、もし自然の食べ物を与えるとしたら「丸ごと」与えなければならないということです。
自然界の猫、野良猫などは小動物を食べます。（ネズミなど）
その代わりに他の肉を与える（スーパーで買ってきたものとか）というのは肉の一部になってしまうので、栄養的に良くないんでだそうです。
つまりは、肉も、皮も内臓も全部与えなければ栄養が足りなくなるということす。
ネズミを１匹持ってきて「はいどうぞ」なんてできませんよね＾＾；
そんな丸ごとの栄養がキャットフードに含まれているとわかり、自然のものを与えるということは断念しました・・・

つまり人間にも同じことが言えるのです。
素材のもっている栄養素を丸ごといただくということは自然の理にかなっているんだと思います。

それにゴミも出ないし環境にもいいですよね。
昔は皮ごと食べていた野菜を戦後からむくようになったそうです。
私も、実家では皮をむかなかった人参や大根を東京に来て「皮をむくんだ・・」とびっくりしたことがあります。
今は「農薬やワックスなどが気になる」ということがあります。
そして「食べやすさ」に重点が置かれるようにもなりました。
現代人がよく噛まなくなったことの原因の一つかと思います。

これらのことが、今、食のことに関わって酵母を起こし、発酵生活を皆さんにお伝えしていくようになりあの時の意味がようやくわかるようになったわけです。
現在は私自身も玄米を食べるようになっていますし、お砂糖も白いお砂糖は使わないんですが、
２～３０年前にそのことを言ってた方がいらっしゃったんですね！

今でこそ健康志向になって、玄米や雑穀を食べていらっしゃる方も増えていると思います。
生活習慣病が広がって、糖質制限などでライ麦や全粒粉を使ったパンが欲しい、と言われることもあります。
家族のために食生活を考える、実践したいという方が増えているなあと感じます。
教室でも食の話はよくみなさんとしますね。ご家族の健康のために知りたいという思いが伝わってきます。

今日は、そういうこともあってちょっと昔話をしてみました。
何かご参考になることがあれば嬉しいです。