パンを作っていると必ず聞くことば
発酵
パンを作る過程で欠かせないものです。
パンに限らず、私たちの生活の中にある「発酵」。
近年健康志向が強まって、「発酵食品」を食べよう!といろんなところで聞かれることが多くなってきました。
「発酵」と聞くとまずは食べ物を連想するかもしれませんが、そればかりではありません。
私たち生物の中の営みに不可欠なものなのです。
今日はその発酵をテーマに
発酵は生命のサイクル~微生物の神秘
ということをお話してみようと思います。
ちょっと難しい?と思われるかもしれませんが、このテーマは深すぎてさらっと語れるもの
ではありませんので、私なりの今思うところのお話です。
発酵ってどういうこと?
前にパンに関しての「発酵」についてお話したことがあるんですが、
パンに限らず大きく全体を見た時に、地球規模で考えたとき(はたまた宇宙規模くらい?)
微生物の働き
のことと考えています。
パン作りに関しては「発酵」というものを専門用語的に「ある工程」のことをそう呼んで
使っている場合もあるかもしれませんが
ここでは(というかわたし的には)おおきくとらえていきたいと思います。
私たちのような動物や植物、微生物など生きているもののサイクルは
生まれて → 死んでいく
を繰り返しているわけですね。
そうです、毎日毎日たくさん死んでいっているわけです。
それなのに、地球が死骸だらけにならないのはなんで??
って考えたことありますか?
地球上で、毎日毎日大きいものや小さいものの膨大な数の死骸が出てきているはずなのに
地球は死骸の山にならずに、きれいな姿を保ってきている。
地球が誕生して46億年、生命が誕生して38億年とも言われています。
その間、生まれては死んでいくということを繰り返しているわけです。
神秘的な働き「発酵」
なぜ死骸だらけにならないのか?
それは微生物の働きによるわけです。
微生物は有機物を分解して土に返してくれるのです。
海の中もおなじですよね。
同じように分解が起こっていて地球というものを保っていてくれる。
そう思うと、「発酵」ってすごいことですね。
私もパンを作っていなければ「発酵」に関してたいして知らなかったと思います。
地球にとって欠かせない働き、生物にとって重要な営み、
神秘的な「発酵」の力
というものは生命のサイクルを守っているんですね。
人間の都合で「発酵」と呼ぶ
微生物的には自分の生物としての営みをただ行っているだけなんですが、
それを人間が自分たちの都合上で「発酵」と呼び、うまく私たちの身体に作用してくれている
と都合よくいっているわけです。
「発酵」というのは人間が都合よく名付けたものなのです。
ただ、微生物は活動しているだけなんですが、それを人間は
悪い発酵=腐っている
よい発酵=身体にいい
なんて振り分けているんですね。
人間がそのよい発酵としている微生物の働きを利用してパンを焼いたり、味噌を作ったり、
お醤油やヨーグルト、チーズなど食べ物に役立てたりしているのです。
麹も日本独特の菌ですので「麹菌」をうまく利用して私たちの身体に取り入れて私たちの
身体を支えてくれていますね。
後の世代につたえていく
「発酵」は私たちの身体の維持と生命のサイクルというものを考えさせられます。
レッスンで発酵クラスというのをやっていますが、この昔の知恵ってすごいです。
昔ながらの食べ物や、生活様式って微生物の働きを利用して身体を元気にしていくものがたくさんあります。
知らず知らずのうちに受け継いできている。
親から子へ。
ちゃんと学んでいるんですね。
そんなことをみんなで楽しく学びあう時間にしていきたいと思っています。
ぜひ一緒に作ってみませんか^^