ぱん蔵の自家製酵母作りのテーマは
身近な酵母作り
です。無理をしない、周りで手に入りやすいもので酵母を起こしていくパン作りです。
「自家製酵母を作るぞー」
と息巻いても長続きしません。
こんなに簡単でいいの?とレッスンに参加される方はおっしゃいますヨ。
今日はそんな酵母作りについてのお話をしてみたいと思います。
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天然酵母ぱん蔵の 椿留美子です。
お山での田舎暮らしを実践、酵母生活をしています。
そんな暮らしを踏まえながら、東京と山梨で自家製酵母を使って、
発酵器を使わない、ほったらかしの「ゆるパン」教室をやっています。
天然 酵母 作り方 – 自家製酵母を身近なところで作ろう、無理をしないで楽しく作る3つのコツ
こちらは春の若い芽が出てきた「にら」や「いちごの葉っぱ」で酵母作りをして
身近なもので作れるよ、というお話を動画にしたものです。
よかったらご覧ください。
無理をしない酵母作り
私のテーマはとにかく「無理をしない」ということです。
一生懸命覚えて素材を揃えて頑張っても「無理」をしていたらいずれ息切れしてしまいます。
日本はありがたいことに四季に恵まれています。
その季節ごとに生えてくる芽、実りがとても豊富で個性豊かです。
それを利用しない手はありません。
都会の方は難しい面もあるかもしれませんが、それでも東京の生徒さんも
「夏は夏野菜が豊富で〜」とおっしゃっています。
ちょっと東京の田舎に行けば畑が広がっていますからね。
田舎ならなおさらです。もう困っちゃいくらい季節ものは溢れています。
ありがたい話ですね。
そんな身の回りのものに感覚を開いて作っていくのが、無理をしない楽しい酵母作りになっていくのです。
楽しく作るコツ 自分の周りには何がある?
手に入りやすいもので コツ①
例えば私が夏に「桃がたくさんあるので桃酵母を作りましょう」と
言っても皆さんのところに豊富にあるとは限りません。
東京の方だと「桃は高級品」という感覚もあるかもしれませんね。
そんな高価なフルーツを使って酵母を起こすのはなんだかもったいない感じがします。
というか、超高級なパンになってしまいますね!!
レッスンではそういったメニューも使って、作り方をレクチャーしていくこともありますが
いざ自分で再現できるかというと厳しいかもしれません。
私の周りに「桃」が溢れている時、例えば北海道の方だったら
「じゃがいも」が豊富かもしれません。
そんな時は「じゃがいも」で酵母を起こすと気軽にできますよね。
それぞれの気候にあった季節のフルーツや穀物、野菜などは生命力に溢れています。
そういうものを使うことで大地のエネルギーをいただくのです。
「季節を食べる」とか「四季を食べる」という方もいらっしゃるくらいです。
発酵の過程がワンダフル コツ②
ドライイーストと大きく違う点は「発酵に時間がかかる」ということです。
「あるパンを作りたい」と思ったら、その分そのパンとのお付き合いが長くなるのです。
酵母作りから始まって、パン生地を作り発酵させていく・・・
私は基本的に通常の生活の中でパン食ではありませんが(パン講師なのに!)、
この発酵過程が魅力的で作っている面があります。
命っていうものを感じるんですね。
本当に何年やっても神秘的な驚きです。
世界的なベストセラー「沈黙の春」を書いたレイチェル・カーソンの「センス・オブ・ワンダー」の世界です。
自然の力、感覚に目を見張る、驚き感動する感覚
ということです。
レイチェルの言う
知ることは感じることの半分も重要じゃない
この言葉を酵母のプクプクしている様子をみると瞬間にして感じることができます。
小さかったパン生地がふんわり大きく膨らんでいるのを見ると感動します。
たくさん失敗しよう コツ③
レッスンでは見極めのポイントをお伝えしています。
「何グラムで何時間」というものもありますが、素材や気候よってさらには
同じ季節でも作る環境によって違ってきてしまいます。
レッスンでやった環境が、次にやる場所で同じではありません。
じゃあ、レッスンでやっていることは再現できないの?
ということになりますよね。
それじゃああまりにもつまらない。
どんな環境でもできるようになる「見極めのポイント」がつかめるようになると
いつの季節でも、どんな場所でも自分で作った酵母でパン作りができるようになります。
そんな感覚をお伝えしていくのです。
それにはたくさんパンを焼いてみた方がいいし、たくさん失敗した方がいい。
失敗を怖がらない、逆に楽しむくらいの方が気楽にできる、ということなんです。
私たちはアーティスト ものすごい創作活動
季節を味わう、ということはどういうことでしょうか。
春になると花が咲いてきたなあ、とか、秋になると紅葉がきれいだなあ、とか。
目で見る感じ方もあれば、食べ物で感じる、旬のものを食べる♡なんていうこともありますね。
あとは、匂いも。空気が変わってくるのを感じる。
さまざまな感じ方があると思いますが、そういったことを考えると酵母作りはすごいんです。
そう、五感フル回転の作業です。
視覚 プクプクと泡立つ様子や生地の膨らみを感じる
聴覚 シュワシュワの音
嗅覚 酵母、小麦の香り
味覚 酵母液やパン生地、出来上がったパンを楽しむ
触覚 パン生地をこねていく特有の感覚
こう考えると、自家製酵母でパンを作るということはものすごい創作活動ってことですね。
私は演劇を何年もやってきたのでこういったお話をするのですが、
出来事って「プロセス」がとても重要なんです。
パン作りでいうと、パンが出来上がるまでの過程がとても重要だということです。
わかりますか?
パンを作るまでの長い時間の道のり、これこそが知らず知らずのうちに行っている
感覚をひらくという作業だったんです。
そしてそうすることによって、生命をいただくことをありがたいなあと思い、
季節を思って「次の素材はなんぞや」とアンテナをはる。
無意識のうちにこうなっちゃう、できてるんですね。
でもこれは、無理をしない、季節の素材をつかっていくということがポイントです。
最後に美味しく食べられる!という嬉しいおまけもついてきます^^
天然 酵母 作り方 – 自家製酵母を身近なところで作ろう、無理をしないで楽しく作る3つのコツ まとめ
今日は「無理をしない楽しく作る酵母作り3つのコツ」をテーマにお話ししました。
①手に入りやすいもので作る
②発酵の過程がワンダフル
③いっぱい失敗しよう
一時的に頑張ってみる、というよりは細く長くてもいいので
気楽に楽しく作っていただけたらいいなあ、と思ってお話ししました。
パン作り、楽しくやっていきましょうー!