自家製酵母を作るとき、どんな素材を使いますか?
フルーツ、粉類、麹・・・
色々なもので酵母起こしをすることができます。
そんな時「冷凍したものでも起こせるの?」
そう疑問に思ったことはありませんか?
今回はちょっと中級編になるかもしれませんが
「冷凍フルーツの酵母起こし」
についてお話ししてみたいと思います。
**************
天然酵母ぱん蔵の 椿留美子です。
お山での田舎暮らしを実践、発酵生活をしています。
そんな暮らしを踏まえながら、東京と山梨で自家製酵母を使って、
発酵器を使わない、ほったらかしの「ゆるパン」教室を2009年より始めました。
現在は仕事で使いたい方、深く極めたい方向けのプロ向け講座をやっています。
天然酵母の 作り方 – 冷凍フルーツで手軽に!天然酵母の作り方とコツを解説
冷凍フルーツで酵母が起こせるんですか?
普段は
「旬のものを使うのおすすめします」
と言っています。
フルーツを使うときは旬の生のフルーツ、ということです。
しかし、旬のものってたくさん収穫できるので
溢れかえって(田舎は特に)使いきれないことがあります。
ジャムとかに加工する、という方法もありますが
それでも間に合わない。
ナマモノなのでどんどん傷んでくる。
そんな時におすすめしているのが「冷凍保存」です。
冷凍しておくと、酵母作りにも使えるのです!
便利ですね。
フルーツ酵母をやっているとどうしても果物がない時期があります。
特に冬の終わり〜春前まで。
そんな時に冷凍フルーツがあると便利です。
「冷凍フルーツで酵母を起こせるんですか?」
実は、生徒さんによく質問されます。
答えは
「できます」
次の質問は必ず
「どうやって?」
今回は「冷凍フルーツでの酵母起こしについて」
お話していきたいと思います。
このお話を動画でご覧になりたい方はこちらからどうぞ。
冷凍フルーツを使った酵母作り
私自身も果物をたくさんいただいた時とか
「冷凍して酵母に使えたらいいなあ」
と思っていました。
それができる、とわかったときはとってもお得な気分になったものです ^ ^
季節じゃない時でも、好きなフルーツが食べられたり
その香りを楽しめるなんて、まさに 文明の力!
冷凍庫さまさま、ですね。
そんな先人の知恵と知識をありがたくいただいて活用していきましょう。
さっそく冷凍フルーツの酵母の作り方を説明します。
フルーツを冷凍する
①まず、好きなフルーツを用意します。
洗わないで汚れを拭き取る程度。
②大きいものはカットします。(←これは通常酵母を作る時の大きさでOK)
それをジッパー付きの袋に入れて空気を抜いてしっかり蓋をします。
そのまま冷蔵庫へ。
冷凍フルーツから酵母作り
①冷凍フルーツを取り出し、そのまま清潔な瓶に入れます。
②分量の水を①に注ぎます。(お湯じゃなくて水で)
*目安は、見た目で瓶の中のフルーツに水がひたひたにかぶるくらい。
分量はレシピのある方はその通りで大丈夫です。
↑ 写真は冷凍フルーツをミックスして入れたもの
徐々に溶けていくので水滴がついてきます。
③甘みの少ない果物の場合はメープルシロップを小さじ1〜大さじ1(作る分量による)入れます。
スターターがあればこちらも小さじ1〜大さじ1くらい入れてよく混ぜます。
あとは自然解凍して、そのまま酵母起こしに入ります。
1日に1回はかき混ぜてあげましょう。
冷凍フルーツ酵母作りのポイント
①お湯じゃなくて水で作る
今までやってみて冷たいところから徐々に解凍して
時間をかける方がうまくできるように思います。(ぬるま湯でもできます)
②糖分は溶けやすいシロップ状のものがおすすめ
冷たい状態なので溶けやすいものを使いましょう。
メープルシロップをお勧めしています。
③どのくらいまで使えるの?
私は冷凍して1年は使えています。
それ以上はやったことはありませんが、かなり長く使えます。
長期保存は霜がついてしまうので、それはきれいに落として使っています。
冷凍なので普段よりは時間がかかります。
気長に待ってみてくださいね。
見極めについてはこちらもご参考にしてください。
自家製 酵母 失敗?−シュワシュワしていないのは失敗?発泡しないけど膨らむ謎と酵母液の見極め方
手軽な材料で始める酵母作りの基本
ぱん蔵でやっている
「自家製酵母作り」は
もっと気軽に作ってほしくて
これでいいの?!というくらいほったらかしでOK。
そんなところから始まりました。
簡単にいうと、家にある果物や野菜の切れ端でも作れる。
水につけておくだけでいいのよ〜
ということです。
以前地元のラジオ番組で
「その辺の葉っぱで作れますよ」
(ちょうど春先で、道端によもぎがいっぱい生えていた頃なのでそんな話に)
と言ったらパーソナリティの方がめちゃくちゃびっくりされて
大盛り上がりになったことがありました ^ ^;
と言っても、失敗することももちろんあります。
酵母菌が繁殖するには「良い条件」というのがあって
そうじゃない場合、違う菌も元気になっちゃう・・・ということも(苦笑)
私たちだって元気に暮らすためにはある程度の環境作りが必要ですよね。
・よく食べ
・よく寝て
・ほどよい運動
そんなことは当たり前だよー、と思っているけれど
普段はあまり気にしていないかもしれませんね。
さて、環境作りができたらこれらに加えて
・元気な状態の見極め
これができれば最強です。
子育てと似ているところがありますね。
「この子の元気な状態はこんな感じ。
おとなしくても暗い雰囲気でも大丈夫。」とか。
それぞれの個性で元気な状態と病気になった状態とがわかっていれば対処ができます。
酵母においても同じです。
よい条件を整えてあげると元気に育ちます。
その元気な様子にはそれぞれの素材によって違います。
気軽に作る元気な酵母作りの基本は
・身近なもので作る(わざわざ高価な材料を準備しない)
・良い環境作り
・状態の見極め
ということになります。
それを伝えていくのが、私の役目であったりします。
香り高いパンを焼くための酵母選び
とは言っても
基本的に「旬の素材を使って欲しい」ということは変わりません。
先日生徒さんに
「香りが残らない果物を使う意味ってあるんですか?」
と聞かれました。
私は普段、生地に香りが残るフルーツやハーブの魅力について
お話することも多いので、香りが残らないものについて疑問を持たれたのでしょう。
果物を酵母にする「フルーツ酵母のパン作り」
これってどういう意味があると思いますか?
私は、香りが残らないものでも使うのをお勧めしています。
それは、季節を感じて旬のものをありがたくいただく、という
昔ながらの暮らしの原点だからです。
私たちは旬の野菜を食べ、果物を食べて
その時期の一番実りのあるもので身体を作ってきました。
今でこそ季節を問わない素材がスーパーには所狭しとおいてあって
季節が分からなくなっていますが ^ ^;
本来、季節のものをいただくのが私たちの体に一番合っているのです。
夏野菜はほてった身体を冷やしてくれる効果があります。
冬野菜は身体を温めてくれます。
そんなふうに、自然のものはうまく調和が取れているんですね。
「自然のもので無駄なものは1つもない」
田舎生活をしていると感動的に感じます。
そういう思いがあるから、「旬の果物」の生命力をいただきたい
という気持ちでフルーツ酵母作りをやっています。
香りが残るのも楽しいことの1つですが、それは副産物で
その生命力から生まれるパン作りに神秘を感じます ^ ^
ぜひ、旬の素材選びをやってみてくださいね。
天然酵母の 作り方 – 冷凍フルーツで手軽に!天然酵母の作り方とコツを解説 まとめ
今回は
冷凍フルーツで作る酵母作り
についてお話しました。
本当に冷凍って便利ですね。
冷凍に関しては
「酵母起こしをした後の酵母液も冷凍できるよ」
といっていますが、
安定しているのは断然「フルーツの冷凍」です。
冷凍を利用するのであれば
素材のフルーツを冷凍して使うことをおすすめします。
酵母液に関してそのほかこんなブログも書いています。
ご参考にしていただけたら嬉しいです。
自家製の酵母液は保存できる?冷凍は可能か?冷凍庫を利用した酵母作り
自家製酵母で作った酵母液の継ぎ足しの時の3つのポイント どこまでは継ぎ足せる?
・・・・・・・・・
もっと学んでみたい、と好奇心旺盛な方!
ぱん蔵のメルマガ登録してみませんか?
酵母作り7回から始まり、その後はパン作り素朴な疑問、お悩み解決のメールをお届けしています。
時にはぱん蔵の田舎暮らしのことや、ひとりごと的なコラムもあります。
登録はこちらです。
↓ ↓
しっかり自家製酵母をやってみたい、パン作りのコツを知りたいという方はこちら
ぱん蔵の無料メールレッスン(メルマガ登録)
レッスンの募集案内、キャンペーン情報をいち早く知りたい方
ぱん蔵のレッスンに興味がある!イベント情報をGETしたいという方はこちら。
ライン登録はこちらから https://lin.ee/6Fv4DIA