天然酵母パンに使う塩を変えたら何が変わる?
精製塩と天然塩の違いを、ぱん蔵・椿留美子が実体験とともに解説。
藻塩との出会い、息子の一言、今使っているお塩2種もご紹介します。

天然酵母ぱん蔵の 椿留美子です。
お山での田舎暮らしを実践、発酵生活をしています。
そんな暮らしを踏まえながら、東京と山梨で自家製酵母を使って、
発酵器を使わない、ほったらかしの「ゆるパン」教室を2009年より始めました。
現在は仕事で使いたい方、深く極めたい方向けのプロ向け講座をやっています。
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塩を変えたら、パンの味が変わった話——精製塩を卒業した日から気づいたこと
昨日、今年の梅干しを仕込みました

昨日はね、手仕事が山のように溜まっていて。
パンの仕込みに試し焼き、それからあれこれ片付けていたら、
気づいたら梅干しまで仕込んでしまっていました(笑)
例年は生徒さんとの梅仕事レッスンが終わってから、 ゆっくり自分の分を仕込むことが多いんですが、
今年は梅肉エキス作りで多めに取っておいた梅が ちょうどいい追熟具合になっていたので、
「今だ!」と思って、えいやっと。
来週から東京と山梨で梅仕事のレッスンが始まるんですけど、 私の方が先に仕込んでしまうという(笑)

毎年ね、生徒さんたちと梅干しを作る時に必ず話題になるのが
「どんな塩を使いますか?」
という話なんですよね。
今年の私の推しは、沖縄の「青い海」。
そこから今日は、お塩のお話をしてみようと思います。
天然酵母パンを習い始めた日、先生の塩が「グレーだった」

私がパン作りに使う塩を意識し始めたのは、
天然酵母パンを習い始めた時のことでした。
レッスン中に先生が取り出してきた塩が、
なんか……色が違うんですよ。
グレーがかっていて、しっとりしている。
「先生、その塩、何ですか?」
って聞いたら、「藻塩よ」って。
藻塩を初めて舐めた日の話
藻塩って聞いたことありますか?
海藻を使って作られたお塩なんですね。
「ちょっと舐めてみて」と先生に言われて、舐めてみたら——
びっくりしたんです。
甘い。
塩なのに、甘みがある。
精製塩のキリッとした塩味だけじゃなくて、 奥にまろみと甘みがあって。
「こんなお塩があるんだ」って、その時初めて知りました。
先生から「精製塩はあまり使わない方がいいのよ」と言われて、
その時初めて、「塩って、選ぶものなんだ」と気がついたんです。
「化学記号で書ける塩」——息子に言われた一言

それまでの私は、実家でずっと使っていた精製塩を「塩」だと思っていたので
何にも考えないで使い続けていました。
スーパーで売っている、あのサラサラとした白い塩ですね。
そんな頃に、高校で化学を習い始めた息子が一言。
「お母さん、これ化学記号で書ける塩だよ」
NaCl——塩化ナトリウム。
ほぼそれだけでできているんだよ、って(笑)
食塩相当量99%以上って、裏の表示に書いてあるんですけど、
本当にね、塩味だけの塩なんですよね。
さすが理数系の息子だなあと思いながら(笑)
でもその一言で、なんか腑に落ちたんです。
「そりゃ味が違うわけだ」って。
今私が使っている2つのお塩
それから塩をちゃんと選ぶようになって、
今私がメインで使っているのは2種類あります。
ギリシャ・メソロンギの塩(卒業生のオーガニック店で出会った湖塩)

一つは、ギリシャのメソロンギという湖で取れた塩。
「メソロンギの塩」という名前なんですが、
これが出会いも面白くて、
私の卒業生の方がオーガニック食品のお店を開業されて、 そこで扱っているお塩なんです。
湖塩って海の塩と少し違って、
塩味がキリッとして、しっかり強い。
パンにも料理にも、塩気がきりっと出るので、
使う量は気持ち少なめに調整しながら使っています。
味がはっきりしていて、好きなお塩です。
沖縄「青い海」(梅干し仕込みにも使う推しの塩)

もう一つが、冒頭でも話した沖縄の「青い海」。
こちらはね、甘みがあってまろやかで、
パンに使っても、梅干しに使っても、本当においしい。
同じ「塩」でも、産地や製法が違うとこんなに味が変わるんだ、
というのを一番実感させてくれるお塩です。
パンに入れる量ってほんの少しなんですけど、
その少しが、生地の風味をちゃんと変えてくれるんですよね。
精製塩と天然塩、何が違うの?
ちょっとだけ補足をしておくと——
精製塩(イオン交換膜製法で作られた塩)は、 塩化ナトリウムの純度が99.9%以上なので、 ミネラルがほぼ含まれていません。
天然塩にはカリウムやマグネシウムなどのミネラルが含まれていて、 カリウムは体内の余分なナトリウムを排出するのを助けてくれると言われています。
ただ、「だから天然塩ならいくら摂っても大丈夫」とは言えないので(笑)
そこはご注意を。
息子が修学旅行で沖縄の塩工場を見学してきた時に、
「天然塩は余分な塩分が排出されるって聞いてきたよ」
と教えてくれたことがあるんですが、
完全に正確かどうかは諸説あるみたいなので、 ご自分でも調べてみていただければと思います。
ただ、ミネラルが豊富な分、
味の複雑さや旨みが全然違うなというのは、
使い続けてきた実感としてあります。
素材を選ぶことが、暮らしを選ぶことと同じだと思う理由
「何を使うか」って、実は
自分の暮らしに何を選ぶか、ということと同じだなと思うんです。
塩一つとっても、選ぶことができる。
それを知っているかどうかで、台所に立つ気持ちが変わってくる気がします。
パン作りも発酵食も、素材を選ぶことから始まる。
レシピより先に、素材。
ちょっと大げさかもしれないけれど(笑)
やっぱりそこって、大切だなと思っています。

まとめ:今日の宿題は「塩の袋の裏を見てみる」こと
今日は塩のお話をしました。
ぜひ今日、今使っている塩の袋を一度裏返して、
「食塩相当量」を確認してみてください。
99%以上だったら、それは精製塩。
天然塩にはもっと低い数字が書いてあるはずです。

それだけでも、新しい発見があるかもしれません。
塩を変えることは、そんなに難しいことじゃない。
でも、知ってから選ぶのと、知らないまま使い続けるのとでは、
なんか台所に立つ気持ちが、少しだけ変わる気がするんですよね。
ぜひ参考にしていただけたらうれしいです。
こちらのブログでも塩のお話をしています。
塩 選び方 – 塩って選んでる?どこをみてどう判断するのか?天然酵母パン講師の塩の選び方
選び方と見分け方を詳しく知りたい方はこちら
「塩」の選び方|自然塩の見分け方と人生が変わる“本物の塩”との出会い





