発酵食品というと何を思い受かべますか?
味噌、ヨーグルト?
数年前からの発酵食ブームもあって手作りされている方も増えましたね。
ヨーグルトメーカーを持っている方もたくさんいらっしゃるのにはびっくりしました。
今日はそんな発酵食品を作るにあたって、
大切な「刺激」
のお話をしてみたいと思います。
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天然酵母ぱん蔵の 椿留美子です。
お山での田舎暮らしを実践、発酵生活をしています。
そんな暮らしを踏まえながら、東京と山梨で自家製酵母を使って、
発酵器を使わない、ほったらかしの「ゆるパン」教室を2009年より始めました。
現在は仕事で使いたい方、深く極めたい方向けのプロ向け講座をやっています。
発酵食品を手作りしよう – 発酵食は刺激が好き?!パン、味噌、漬物など手作りならではの美味しさ
発酵食にはどんなものがある?
数年前の震災、近年の自然災害やウィルスの蔓延などで
私たちの生活を脅かすような出来事が次々と現れていますね。
そんな時、振り返るのが
「それに耐えうる身体作り」
です。
身体作りといえば食生活がとても重要な要素になってきますね。
そんなこともあってか、発酵食品が注目されるようになってきました。
「発酵食品を食べよう」と近年よく聞くようになった?
そうかもしれませんが、実は第二次世界大戦後にも実績を残しています。
長崎の爆心地よりたった1.4kmのところにある病院で
被曝された秋月医師は
味噌汁、玄米、梅干し中心の食事を進め、
それに従った職員に原爆症が出ることはなかったそうです。
多くの方が原爆症で亡くなる中、自ら被曝したにもかかわらず患者の治療に
奮闘されたのはこの「味噌汁」食事療法のおかげだったと言います。
その後、広島大学の研究所で科学的に証明されました。
すごいことですね。
私たち日本人の昔ながらの食事にはちゃんと身体を支えてくれる力があるのです。
味噌、醤油、漬物などの発酵食品は和食の基本となるところですね。
私も発酵クラスで中心にしたいと思ったのが
味噌
梅干し
たくあん
という昔ながらの保存食です。
まさしく秋月先生の食事法!だったと嬉しく思いました。
日本人は昔から発酵食に囲まれた生活を送ってきていたんです。
それが現代は外国の食材や調理法などいろいろなものが
手軽に楽しめるようになっていて
ちょっと和食の頻度が減ってきているような印象です。
楽しいことだとも思いますが、
今一度発酵食が見直されているというのは
私たちのDNA に発酵文化が刻まれているからかもしれませんね。
刺激を与えるってどういうこと?美味しくなるコツ
さて、そんな発酵食品ですが、今日のテーマの「刺激を与える?」
ということはどういうことでしょうか。
このお話を動画でご覧になりたい方はこちらからどうぞ。
本来の発酵食品とは菌が生きている食品です。
菌が生きていて発酵し続けているもの ということですね。
味噌、漬物、ヨーグルトなど。
本来は発酵し続けているので日ごとに状態が変わっていくのが普通です。
私たちが地域の仲間で作っているお醤油は置いておくと蓋が飛びます(笑)
発酵が進んでガスが溜まってくる勢いで蓋が外れるんです。
ポンっといきなり音がしてびっくりします。
さて、この「発酵」ということが作っていく工程に入っているものは、
手を入れてあげる、ということが重要になってきます。
刺激を与えてあげることによって活性化していくのです。
今、私が作っているものだと味噌、たくあんなど
発酵クラスのレッスンでやっているものがあります。
漬物類だとぬか床もそうですね。
お醤油も発酵させて熟成させていきます。
そのどれをとっても共通点があってすべてに刺激を与えます。
どういうことかというと、
味噌、醤油=天地返し
ぬか床=混ぜ返し
パン=パンチ(ガス抜き)
天然・自家製酵母=混ぜ返し
ということになります。
これは空気を含ませていくということです。
酸素を取り入れることによって酵母の活性化につながり、
より強く、より発酵力が高まっていくのです。
お醤油は昔ながらの作り方では、ずっと混ぜ続けているということですよ。
私たちが地元で作っているやり方はちょっと特別でずっと混ぜなくてもいい、
極力手間を省いた地域のお醤油作り
(これを開発してくださった方がいらっしゃいます!)
をやっていますが
それでも仕込んだ最初のころは乳酸発酵を促すために頻繁に天地返しをやります。
そうすることによってとてもいい状態になっていきます。
味噌もそうですね。
1~2月頃仕込んで梅雨明けに天地返しをします。
味噌に手を入れて容器の底から混ぜ返していきます。
(最近は天地返ししないで冷暗所で1年くらい置いておく、というやり方も聞きます)
実は、ぱん蔵のレッスンでやっている味噌は天地返ししません。
これは良質な麹と麹の量の関係で天地返し不要ということになっていますが、
もちろんやっていただいてもいいのです。
そのことによって発酵が早く進んでいい状態になっていきます。
でも、みなさん忙しいしなるべく手間をかけたくないですよね(笑)
「天地返し不要」は現代の生活リズムでとってもありがたいのも事実です。
手を入れて混ぜ返すといえば酵素ジュースもそうですね。
これもヘラなどの道具を使わず、わざと手を使って混ぜていきます。
手についている菌、常在菌を入れていくということが大切だと言われています。
とにかく発酵を促すためには混ぜ返して空気を含ませてあげる
ということが大事になってきます。
(そんなに刺激を与えないで静かに発酵させていくものもあります)
パンを作る時、何か発酵食品を作る時思い出していただくといいと思います。
もっと暮らしに取り入れよう
私たちの身近に実践できるところでは麹を使った調味料があります。
塩麹
甘酒
醤油麹
麹はスーパーなどでも簡単に手に入りますので、それを使って混ぜ込んでおくだけ。
甘酒は温度管理が重要になってきますが、コツをつかめば簡単に作れます。
とっても簡単で美味しいのでおすすめです。
発酵食品は本来発酵し続けるものですが、
市販されているものは品質安定のために
ほとんどが熱処理などをして発酵しないように処置しています。
ぱん蔵の自家製酵母レッスンでは「ビール酵母」を扱うものがありますが
これも生きているビールじゃないと作れません。
市販のものは多くは酵母菌を取り除かれています。
菌がいるとどんどん味が変化していくので困りますよね。
手作りで味の変化を楽しむのは醍醐味ですが、売って売るものが変化して
「この前と味が違う!」とクレームがきたら大変です。
本当に発酵しているものを口に入れるのは、
もはや手作りのものしかない・・時代かもしれませんね。
私たちの生活の中に生きた発酵食品を取り入れるために、
楽しんで手作りを取り入れていきたいなあと思います。
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