小麦粉の種類が増えていますね。
パン・製菓材料の専門店では昔から種類がありましたが、
手に入りやすいスーパーなどでも「お菓子専用」とか、「パン専用」などと書かれた
ものを目にすることが多くなってきました。
皆さんの小麦粉を選ぶときの基準ってありますか?
専門店に行くと種類があり過ぎて迷ってしまうこともあるかと思います。
パンの作り方についていろいろお話してきましたが、
今日はその主な材料である「小麦粉」の種類についてお話してみたいと思います。
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天然酵母ぱん蔵の 椿留美子です。
お山での田舎暮らしを実践、発酵生活をしています。
そんな暮らしを踏まえながら、東京と山梨で自家製酵母を使って、
発酵器を使わない、ほったらかしの「ゆるパン」教室をやっています。
パン 小麦粉−小麦粉について パンに使う小麦粉はどういうものが合う?
小麦粉の種類
「強力粉や薄力粉ってどう違うんですか?」
とパンを作り始めてまもない生徒さんに聞かれることがあります。
強力粉・中力粉・薄力粉
というものがお店には並んでいますね。
パンには強力粉
というふうに皆さんの中では常識になっていると思います。
「では中力粉や薄力粉ではできないの?」
という疑問も出てくると思います。
実際に生徒さんに聞かれたこともあります。
パンを作るためには「グルテンが多い方がいい」とか「グルテンを引き出す」
とか聞かれたことがあると思います。
そのグルテンというのはタンパク質の1種であるグルテニンとグリアジンが
水を吸収して絡み合って作られるものです。
パンを作っていくためにはグルテンが多い方がふわっとボリュームを出すことになるので
タンパク質の多い粉が向いているということになります。
つまりはタンパク質の多い「強力粉」を使うということになるわけです。
小麦粉の「強力粉・中力粉・薄力粉」というのは
タンパク質の含有量の違い
ということになります。
タンパク質が多い方から、強力粉→中力粉→薄力粉 となります。
小麦粉の使い分け
皆さんのおうちに常備されている小麦粉はどんなものでしょうか?
今でこそうちには全種類の粉がありますが(職業柄もあり)
私の小さいころ実家では1種類しかありませんでした。
それは中力粉でした。
当時は小麦粉の種類のことなんて考えたこともなかったし
台所に置いてある粉がなんの粉かなんて全然知りませんでした。
今思うと、中力粉が日常の粉だったんですね。
地粉と言われる国産の小麦粉は中力粉です。
いわゆる「うどん粉」というものです。
山梨もほうとうを昔から打ちますから、この地粉を作っていた農家さんが
昔は多かったそうです。
そのあと実家の台所に入ってきたのは、薄力粉かな。
高校生くらいの時クッキーなどのお菓子を作ってみたい時期があったんですね。
その時に本には「薄力粉」と書いてある。
それでなんだそれは?!ということになって探して使うようになりました。
その時の薄力粉のイメージは「高級感のある小洒落た粉」でした^^
このように昔は料理に使うための粉として地粉を使っていたようですが
今は世界の様々な料理が入ってきて家庭でも作られるようになってきました。
それと同時に小麦粉もいろんな種類が扱われるようになったということになります。
小麦粉の使い分けとして簡単な分け方は
強力粉・・・パン
中力粉・・・麺類
薄力粉・・・お菓子
こう覚えておくといいと思います。
強力粉
タンパク質が多く含まれているので水を加えて練ることによって
グルテンが形成されてより強い生地になります。
パンを膨らますということは、その生地が炭酸ガスをちゃんと包み込んで
いるかどうかがカギになってくるのでグルテンがしっかり作られている生地で
あることが大切になってくるのです。
粉に水を加えて指先で練ると小麦の塊ができます。
練りながら何回か水を取り替えて、余分な水を捨てるともちもちした
お団子のようになっています。これがグルテンです。
小さい頃はこれを焼いて「お麩」のおやつを作っていました。(懐かしい^^)
中力粉
程よくグルテンが含まれていて、もちもちした麺類を作るのに最適です。
これが強力粉だと麺のコシが強くなりすぎてしまいます。
逆に薄力粉だとコシが出なくて切れてしまうことになります。
国産の地粉は外国産に比べてグルテンが出ますので(強力粉ほどではありませんが)
ゆっくり発酵させていく天然酵母とも相性がいいです。
薄力粉
タンパク質が少ないのでもちもち感が出ません。
さくっとしたクッキーによく合います。
スポンジケーキなどにも口当たりがよく、ふわっとなめらかに仕上げることができます。
強力粉を使うとパンのようにモチフワになるんですよ。不思議ですね^^
パンに強力粉を使うのは当たり前?
先ほども言いましたように、強力粉だけを使うとは限りません。
地粉(中力粉)は天然酵母を使うパンにはとても相性がいいですし、
少しグルテン量を落としたいパンの場合だと薄力粉をブレンドして
使う場合もあります。
ぱん蔵のパン教室では、天然酵母を使ったケーキブレッド(ケーキ風のパン)
では薄力粉を使うことが多いです。
どんなパンにしたいか、食感を出したいかによって使う粉を変えたり
ブレンドしていくことができます。
こちらの記事もご参考にどうぞ。
地粉(中力粉)でもうまくパンが焼けるのか?どんなパンになる?
パンを作りたい時薄力粉しかなかったらどうする?
小麦の種類で違うタンパク量
「強力粉、中力粉、薄力粉の違いはタンパク質量が違うということは知っているのですが、それってタンパク質の量を操作していくのですか?」
というご質問をいただいたことがあります。
同じ小麦粉でもタンパク質の量を操作して種類を分けているの?という疑問です。
この強力粉や薄力粉の違いは小麦の種類です。
スーパーの小麦粉では、なんの小麦の種類を使っているのか書いていないことが多いかもしれませんが、パン製菓材料の専門店では袋に小麦の種類の名前で小麦粉の名前を付けられているものが多いです。
代表的なものは国産強力粉だと
はるゆたか、春よこい、香麦、キタノカオリ
などです。
山梨でも近くに「春よこい」を作っている方がいらっしゃいますよ。
これらの粉をブレンドして売られている場合もあります。
こんなふうに小麦の種類によってタンパク質含有量も変わってくるんですね。
今、代表的な国産小麦の種類を出しましたが、出回っているのは圧倒的に外国産小麦です。
外国産小麦と国産小麦の特徴も違っているので面白いです。
国産比べて外国産小麦の方が膨らみがとても良いです。
個人的には外国産はドライイーストとの相性がいいと思っていますが、どちらを使っても
天然酵母で焼くことができます。
いつも教室では国産小麦粉を使っているので、家で外国産小麦を使って
焼いた生徒さんはあまりの違いに驚いたとおっしゃっていました。
小麦の育っている環境、種類によって違いが出るというのは興味深いです。
いろいろ試してみるもの面白いと思います。
パン 小麦粉−小麦粉について パンに使う小麦粉はどういうものが合う?まとめ
いかがでしたでしょうか。
小麦粉は大きく分けて、強力粉、中力粉、薄力粉と3つに分かれます。
(他に準強力粉などもありますが、今回は大きく分けました)
それの違いはタンパク質の含有量だということです。
その違いによって、パンの食感、ボリュームなど出来栄えが違ってくるということです。
レシピによっては小麦粉の種類を指定しているものもあります。
レシピを作った方が、どんなイメージのパンにしたいかということですね。
そんなことを思いながらレシピを見ていくもの楽しいかもしれません。
ご自分でレシピを作るときもそうです。
小麦の特性を知っていろいろ試してみるといいかも。
前に、食パンをいろいろな小麦粉で試したことがありますが、なかなかの違いに面白かったですヨ。
教室の小麦粉は今は「はるゆたかブレンド」を使っています。
これも何種類かの粉を使ってここに行き着いた感じです。
初心者の方でも使いやすく、美味しく焼ける
そう言ったことを踏まえて使っていますが、また試すうちに変わるかもしれません。
研究はまだまだ続きます^^
今日は小麦粉についてのお話でした。
ご参考になれば嬉しいです。
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