春になったらぜひ作りたい「いちご酵母」。
私が初めて自家製酵母パンを食べたのが「いちご酵母」のパンでした。
甘くて美味しい苺を酵母にするなんて贅沢ですよね。
でもあえていちごを使ってパンを作るなら成功させたいものです。
今日はそんないちご酵母のパンのお話です。
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天然酵母ぱん蔵の 椿留美子です。
お山での田舎暮らしを実践、発酵生活をしています。
そんな暮らしを踏まえながら、東京と山梨で自家製酵母を使って、
発酵器を使わない、ほったらかしの「ゆるパン」教室を2009年より始めました。
現在は仕事で使いたい方、深く極めたい方向けのプロ向け講座をやっています。
いちご 酵母 – 春の酵母「いちご」を扱うポイントは?おすすめのパンもご紹介します
このお話を動画でご覧になりたい方はこちらからどうぞ。
春になったら作りたい「いちご酵母」
冬も終わりになってくるといちごが出回ってきますね。
クリスマス時期もケーキのために(?)確かにいちごが出てきますが
春先のいちごは印象が違います。
「春になったなあ」となんだかほっこりするものです。
そして4〜5月あたりになってくると、ますます量も出てきます。
ところによっては露地物も手に入るかもしれません。
うちもいちごの苗をいただいて実は前庭に植えてあります。
いちごってどんどん増えていくんですよ。
油断していると他の野菜たちの場所まで侵食されていきます(苦笑)
何度も冬を越してもまた春になると葉っぱが出てきて増えていく。
強いんですね。
その代わり実をつけると鳥に狙われたり虫も寄ってきます。
ちゃんとお世話しないと、たくさん実をつけても口に入るのはほんのわずか・・・
ということになるのです(><)
でも、そんなもこともお楽しみのうち、と思って楽しんで育てています。
自分で育てているとある疑問が湧いてきます。
何かと言いますと
「うちで取る苺はすぐに傷むのに
スーパーで売っているいちごってなんでピカピカなの?」
近所の農家のお母さんたちとそんな話をしたことがあったんです。
「私もそう思ってましたー!!」と意気投合したことがあります。
そのことについて書いた記事がこちら 興味があればお読み下さい。
田舎ではよく作っている家庭用のいちご。いちごが傷む謎、買ったものはなぜピカピカなのか?
さて、前置きが長くなってしまいましたが
そんな春ならではのいちごを使って酵母作りをしたくなる季節でもあります。
いちごは高級品というイメージをお持ちかもしれませんね。
そんないちごを使うなんて、なんて贅沢!!
と思われるでしょう。
その点田舎では私のようにほったらかし(完全無農薬!)で
家庭菜園で作っている人も多いですし比較的やすく手に入ります。
(スーパーで買うと相変わらず高級品です)
ありがたいなあと思います。
都会では高級品のいちごですが、せっかく酵母を作るなら失敗したくありませんよね。
今回はそのポイントをお話していきたいと思います。
いちご酵母液を作るときの抑えておきたい3つのポイント
春の代表的と言ってもいい「いちご酵母」。ポイントをお話をしていきます。
洗わない つまり・・・ ①
これはどの素材を起こす時も言えることですが基本素材は洗いません。
表面に酵母がついているからです。
洗い過ぎて、酵母がば流されてしまい培養することができなかった、なんてことがあります。
汚れや傷みをチェックして軽く拭くぐらいにします。
泥汚れが気になる葉っぱ類はさっと洗うこともありますヨ ^ ^
ここで思うことは、
「農薬などは大丈夫?」
ということではないでしょうか。
いちごは農薬散布回数が50回ほどとも言われています。
残留農薬問題も話題になったことがありましたね。
子供の農薬に対する影響も指摘する専門家もいます。
まだ私たちにはわからないことが多い、というのが現状だと思います。
農薬を落とす洗い方や、専用の野菜洗いなどもありますが
酵母作りは先にお話したように一生懸命洗えません。
つまり、酵母を作るなら
無農薬や減農薬
残留農薬がないもの
を選びたいという思いがあります。
これはいちごだけではありませんね。
酵母にする素材全般に言えることです。
自家製酵母の教室をやっている私にとって、素材を丸ごと使っていく
酵母作りの「素材」にはやはりこだわってしまいます。
なかなか手に入らないかもしれませんが、
ちょっと頭においていただいておくといいかなと思います。
発泡の見極め ②
次によく聞かれるお悩みとしては
あまりプクプクしない=発泡しない
ということです。
レーズンなどの甘みの強いものはシュワシュワが半端ないくらい起こります。
それと同じようなイメージでいると心配になりますね。
いちごはそこまで発泡していなくても大丈夫です。
瓶を揺らしてシュワシュワっとしてくるか
そこにオリが溜まっているか
ということで見ていけば大丈夫です。
香りと味 ③
できているかわからなくてしばらく放置していました。
という方もいらっしゃいます。
この時「傷んでいるかも?」と心配になるというのですね。
こうした場合は出来上がりがわからなくて、そのまま置いて
他の菌が入り込んで(または増えていって)良くない状態になることが考えられます。
その場合は
匂いを嗅ぐ
味見してみる
ということをやってみてください。
香りは重要で、さわやかないちごの香りがしていれば大丈夫です。
そしてぜひ味見してください。
その時、鼻に抜ける香りに酸味があったり、
ビールの過発酵(?)的な味がしたりすると要注意です。
いい状態というのはそのままジュースにしてもいいくらいの美味しさです。
そうではない状態だと傷んでいないにしても、パンの風味などに影響する可能性があります。
ということを記事に書いていますのでご参考にどうぞ。
自家製 酵母 失敗?−シュワシュワしていないのは失敗?発泡しないけど膨らむ謎と酵母液の見極め方
いちご酵母の魅力〜こんなパン作り
高級でも作りたい
高級なイメージの「いちご」。
高価ないちごを使ってパン作りとなるとパン自体も材料費がかさみ
高級パンになってしまいますね。
田舎暮らしでご縁があって、安く農薬の使っていないものが手に入ればいいのですが
そればっかりではありません。
それでも春になると作ってみたい「いちご酵母」にはどんな魅力があるのでしょうか。
冒頭でお話しましたが私が人生で最初に食べた自家製酵母パンの素材は
「いちご」でした。
当時、偶然お目にかかった酵母作りの第一人者とも言われる
「ウエダ家さん」の作ったパンを頂いたんですね。
その美味しさに感動したのです。
パンの生地にいちごの香りが移っている!
これが自家製酵母のパンというものか!と。
いちご酵母はなんと言っても香りの良さです。
フルーツの素材は香りで癒されるものが多いですが、これもその一つです。
お菓子系のパンに
この香りの良さがパン生地にも移ります。
それを生かすのに、お菓子系(甘い)パンを作ることが多いです。
今回はこんなパンになりました。
マカロンパン
表面に甘いマカロン生地を塗って焼きます。
中はふわふわに仕上がります。
紅茶のメープルパン
いちごと紅茶の香りもよく合います。
メープルシロップをたっぷり塗って焼きます。
そのほかにもチョコレート、ジャムなどにも合います。
ふわっとほのかに香るいちごの香り。
香りを生かすにはストレート液をそのまま使うのがおすすめです。
香りがよく残ります。
春の酵母のおすすめ
そのほかにレッスンでも登場する春の酵母は「よもぎ酵母」です。
こんなレッスンもしています。
よもぎ酵母
よもぎのブール
よもぎの小豆マフィン
いちご 酵母 – 春の酵母「いちご」を扱うポイントは?おすすめのパンもご紹介します まとめ
今日は「いちご酵母」についてのポイントをお話しました。
1.洗わない 無農薬、減農薬を見つけよう
2.発泡の見極め
3.香りと味
その他の酵母にも言えることですが、フルーツを使った酵母を作るときは特に注意します。
なんでこんなにこだわるかというと、私の住んでいるところが
フルーツ王国 山梨
だからです。
周りに果物農家さんも多いし、友達も無農薬で作りたいと頑張っています。
果物に関しての情報がいろいろ入ってくるわけです。
その情報やご縁を生かして自家製酵母レッスンをやっています。
5月にレッスンで作る「いちご酵母」も無農薬〜7割減のものです。
通常はほとんど無農薬だそうです。
農家さんの努力に感謝します。
周りの方々の努力や愛情で、一つのパンが出来上がるということを
しみじみと感じる田舎暮らし。
ありがたいなあ、と思っています。