「砂糖ってあんまり取りたくないなあ」
という声が最近ではよく聞かれるようになりました。
砂糖の代わりに使える甘味料も出回っていますね。
しかし無添加で作る手作りパンは砂糖を入れて作るものがほとんどです。
たいていのレシピには「砂糖」と書いてある。
そんなにパンには砂糖が必要なの?
今日はそんなパン作りに関する「砂糖」のお話です。
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天然酵母ぱん蔵の 椿留美子です。
お山での田舎暮らしを実践、発酵生活をしています。
そんな暮らしを踏まえながら、東京と山梨で自家製酵母を使って、
発酵器を使わない、ほったらかしの「ゆるパン」教室を2009年より始めました。
現在は仕事で使いたい方、深く極めたい方向けのプロ向け講座をやっています。
パン 砂糖 – パン生地に砂糖は必要?砂糖の役割は?砂糖を入れることによる3つの効果を天然酵母パン講師がお話します
このお話を動画でご覧になりたい方はこちらからどうぞ。
砂糖が入っていないパンはありますか?
最近、健康志向や身体の負担を考えたり、
アレルギー改善などでお砂糖を使いたくない人が増えているように感じます。
「白砂糖」についてはだいぶ前から話題になっていましたね。
しかし、まだまだその話題を知らない方もいらして、教室でも
ちょっとした会話の中で出てくることもあります。
パン教室に来てくださる方の中でも、
お砂糖をとりたくない
控えている
という方が3~4年くらい前からいらっしゃいましたね。
この時の砂糖は主に「白砂糖」を差していることがほとんどで
精製されていない黒砂糖やきび糖などを使うという方が多いです。
それが近年はその精製されていない砂糖も取りたくない、という方も増えていて
それは生活習慣病だったり、持病があったりといろいろな理由があるようです。
さて、そんな方が増えたということもあって、
「自宅で作るときはお砂糖をいれたくない」
「お砂糖を入れなくても美味しいパンが作れますか?」
と言われることがあります。
そのようなお客さんのために、
販売をしていた時は一部砂糖なしのパンを作っていました。
ぱん蔵が作っていたのは、
・全く砂糖なしのパン
・甘酒入りのパン
・メープルシロップ入りのパン
・モルト入りのパン(これは普通のパン屋さんでもハード系のパンで使われていますね)
それぞれのご自分の事情に合わせて買っていただけるようにしていました。
じゃあ、なぜ砂糖を入れるパンが一般的なのか?
そして白砂糖を使うことが多いです。
それには理由があります。
私の知っているパン教室の先生も
「家で使う料理の時はきび糖を使うけど、パン作りの時は白砂糖をあえて使う」
とおっしゃっていました。
そう、砂糖を使うというのは理由と効果・役割があるのです。
それを見ていきたいと思います。
砂糖を入れる3つの効果
お砂糖を生地に入れることによって3つの効果があります。
1. 発酵の手助けをする
2. きれいに焼き色を付ける
3. 甘みをつける
このほかにも
しっとりさせる
老化を遅らす
などがありますが、主な役割はこの3つだと思われます。
発酵の手助けをする
砂糖は酵母の栄養源として発酵を助けますが砂糖がなくても発酵はします。
小麦に含まれるでんぷんを糖に分解して栄養源として酵母は活動するのです。
しかし砂糖(ショ糖)からブドウ糖を作る方がスムーズで、
でんぷんからブドウ糖を作る方が時間がかかってしまうので発酵にも時間がかかる、
ということになってきます。
砂糖を加えてあげる、しかも精製されていない白砂糖の方が栄養分を
早く補給できて、発酵も早いということになります。
きれいに焼き色を付ける
糖質が加熱されることによってキャラメル化が起こることと
化学反応(メイラード反応)によって
焼き色が濃くなります。
砂糖が多めに入っているパンは焼き色が付きやすいので、注意が必要になります。
甘みをつける
お砂糖の甘みがそのままパンの甘みとなります。
少量だと酵母のエサ程度でそんなに「甘いパン」になりませんが
量を多くすると甘いパン、いわゆる「菓子パン」」になります。
ただ、砂糖を入れすぎると浸透圧で酵母が破壊されることもあり
発酵を妨げ、膨らみにくくなるので注意が必要です。
ぱん蔵で使っている砂糖は?
ぱん蔵のパン教室に来た理由が
サトウキビの砂糖(きび糖など)じゃないものを使っている教室がなかなか見つからなかった
とおっしゃる方がいらっしゃいました。
ぱん蔵のパン教室では
てんさい糖
を使っています。
てんさい糖はてん菜(ビート)から出来ています。
てん菜糖にもいろいろ論議があるようですが、
使っている1番の理由は甘みがまろやかで優しいからです。
白砂糖の強い甘みが苦手になってしまったので、てん菜糖の甘みは助かります(><)
そのほかにお砂糖の身体に影響する一つとしてGI値というお話もあります。
そのお話についてはこちらに詳しく書いていますのでよかったらご覧ください。
1回目 2019シュトーレン考➀~ぱん蔵のシュトーレンはバターや白砂糖を使わない
2回目 2019シュトーレン考②~穀物野菜生活を始めて市販のおやつが苦手に
3回目 2019シュトーレン考③~ぱん蔵のシュトーレン行きついた先は
お砂糖の種類もいろいろなものが出ています。
その時の作る種類、お好みに合わせて使い分けて楽しんでいただけたらいいのかな、
と思います^^
パンにどんなお砂糖を使う?というお話はこちらの記事にも書いていますので
よかったらお読みください。
パン作りに合う砂糖の種類ってあるの?天然酵母パン講師が選ぶ砂糖はこれ。
パン生地に砂糖は必要?砂糖の役割は?砂糖を入れることによる3つの効果 まとめ
今日はパン作りには砂糖が必要なのか?というお話をしてみました。
もの作りには理由があって、それを考えた上でできているんですね。
砂糖を使う主な理由は
1. 発酵の手助けをする
2. きれいに焼き色を付ける
3. 甘みをつける
ということでした。
もちろん、絶対必要なわけではなく代替もできます。
ご自分の好み、体調や生活スタイルにあったものを選んでいかれるのがいいと思います。
パン作りはもちろん、日常の食生活においてもご参考にしていただけたら嬉しいです。
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