パン作りに欠かせない「工程表」というものがあります。
パン生地こね
↓
一次発酵〇〇度 △△分
↓
分割。ベンチタイム 〇〇分
↓
二次発酵〇〇度 △△分
・・・・と言った具合です。レシピにはだいたいパン作りの工程の内容が表になっているものがあります。
私は最初習っていたパン教室では、そんな難しいものはなく、
ゆるい感じで楽しく焼いていく教室だったので、あまり深く考えずにやってきていました。
でも、売っているレシピ本なんかには書いてあったので、難しそう(><)という印象を持っていましたね。
今日は、ぱん蔵のレシピには工程表がない(笑)というお話をしてみたいと思います。
まあ、難しい話ではないので、コーヒーブレイク的にお読みください(*^^*)
お山での田舎暮らしを実践、酵母生活をしています。
天然酵母ぱん蔵の 椿留美子です。
そんな暮らしを踏まえながら、東京と山梨で自家製酵母パン教室をやっています。
天然 酵母 パン 作り方 – ぱん蔵の天然酵母パンの作り方には工程表がない、10人に9人が驚く「発酵器なしゆるパン」をご紹介
このお話を動画でご覧になりたい方はこちらからどうぞ。
パン作りは科学?!
今日のタイトルをみたら、ぱん蔵の作り方は本当に適当なんだなあ、と自分でも思います。
ここでいう「適当」とはいい加減とか雑にという意味ではありませんよ。
その目的に合った状態の「ほどよく」という意味です。
お菓子やパン作りは「科学だ」ということも言われますし、その通りだと思います。
突き詰めていくと、そういった科学的な根拠があり結果があるという面が面白かったりします。
理系的側面ですね。
しかし反対に感覚的、本能的な側面もあります。
どんなもの作りにもそれがあるのだと思いますが、「食」に関して
特に「発酵」という文化に関して日本人は古来感覚的に生活の知恵として受け継いできたのだと思っています。
発酵食品、昔から関わりの深い味噌などの調味料だったり日本酒だったり
麹や、地域に密着しているどぶろくなんかもそうですね。
その出来上がったものが酵母が生きている生きていないに関わらず、
「発酵」という過程を経て作っていく食文化は私たちの直感で成り立っていると思うのです。
つまり、五感で感じる「食」です。
食べ物が腐っている時、まず目で判断し、匂いをかぎます。
触ってみたり、勇気のある人はちょっと食べてみたりするでしょう(笑)
これは開封して何日経っているから何日後に菌が繁殖し始めて、現在菌繁殖率は・・・
だから食べない方がいい、と計算する人はいません。
見た目で「だめだ」とか匂いで「だめだ」とか直感ですぐさま判断していきます。
この腐っているというのは腐敗、つまり「発酵」ですね。
代表的な例ですが、私たちの身近な「発酵」は「腐る」ってことだったりして、
これって私たちの感覚をフル回転させます。
プラスアルファは予感(心に曇りがあるか)というものもありますが、今日はそれは置いておきます。
前置きが長くなりましたが、つまり「発酵」という過程を経て作っていくパンも
感覚をとても大事にします。
そして天然酵母や自分で作る自家製天然酵母ならなおさらです。
レッスンでは、「見た目」「香り」「音」「味」「触った感じ」をお伝えしているのです。
まさに五感フル回転です。
それを感覚的にわかっていくと工程表は最初から必要ない、ということがわかってきました。
家庭で気軽に作る、を目指す
ぱん蔵の目指しているパン作りは「家庭で気軽に楽しめる」ということでです。
自家製酵母が気軽に??
と思われるかもしれません。ハードルが高いというイメージがどうしてもあるようです。
しかし、作り方自体は至って簡単なんです。
素材と水を入れるだけ。
そうやって酵母菌を増やしていく。それだけです。
田舎にいると、漬物だとか味噌だとか発酵食品を作ることが身近な方が多いので
「酵母作ってみたー!」
と自己流で作る方もよく見かけます。それほど抵抗なくやっちゃうんですね(成功しているかは別にして・笑)
最初は自己流だと難しいかもしれませんが、ちょっとコツがわかってくると
ラクラクできちゃう「パン酵母」です。
そんな楽に出来る感覚を学んでもらうレッスンなのです。
パン屋さんや先生になるわけではないから、大丈夫です
とよく私は言います。
家庭で楽しむ分にはその感性を大切にして発酵生活を楽しんで欲しいと思っています。
その養った感覚は日々の生活の中でも生かされるはずです。
発酵を身近に
私は天然酵母、自家製酵母のパンの講師をしていますが、パン一筋でパンだけを伝えたいわけではありません。
どちらかというと、その先にあるものを目指しています。
「酵母菌」、「発酵」というものを感じることによって私たちの暮らしがさらに
面白くなっていくことを一緒にやってみたいのです。
ぱん蔵のレッスンでやっている「発酵クラス」とはそういったものをやっていく場です。
パンと無関係ではありません。
身の前で生地がどんどん膨らんでいく様子を見てこの世の不思議に
襲われた経験をみなさんと一緒に体験してみたいのです。
そして、昔から伝わってきている「食」をもう一回掘り出してその謎解きをしてみたいと考えています。
「謎解き」?
昔ながらの伝統食や発酵食には暮らしの知恵が詰まっています。
私たちに必要なものじゃなかったらとっくに廃れているはずです。
なんで今もあるの?どう必要なの?
ということを考えるだけでおもしろいし、みなさんの考えを聞くのもとっても興味深い^^
答えがひとつではありません。
一緒に作って、味わって、語ってみませんか?^^
最後にパン屋さん、プロを目指す方へ
こんなふうにしてやっている、ほどよい「適当」なパン作り。
家庭で楽しむパン作りを目指して教室をやっていますが、その中には
「パンの先生になりたい」
「パン屋さんをやりたい」
とおしゃる方もいらっしゃいます。
基本的にぱん蔵のレッスンは商用利用不可となっています。
つまり、作り方やレシピをお仕事として使えない、ということです。
しかし、そういったプロになりたい、仕事で使いたいという方のために
プロフェショナルコースというものもあります。
本気で「パン作り」に向き合うコースです。
お仕事で人にパン作りを伝えたい、作ったものを多くの人に販売して食べて欲しい。
そういった夢や希望を持った方、本気で取り組みたい方のためのものです。
ここでは「適当」というよりは、科学的な要素も取り入れたパン理論についても勉強します。
本気の方はこちらをおすすめしています。
天然酵母ぱん蔵のプロフェッショナルコース
ぱん蔵の自家製酵母のパンレシピには工程表がない、10人に9人が驚く「発酵器なしゆるパン」をご紹介 まとめ
いかがでしたでしょうか。
ぱん蔵のパン教室ってこんなんだったの?と思われた方もいらっしゃったでしょうか。
一般的なパン教室とはちょっと違っている部分があるかもしれません。
特にパン理論をやるわけでもないのできっちり勉強したい、理論を知りたい方には向いていないかもしれません。
五感を使ってコツや感覚をつかむ、ほったらかしの「ゆるパン」作り。
発酵クラスでもいろいろなことを実践していきたいと思っています。
酵母生活を暮らしに取り入れてみたい、ちょっとのぞいてみたい、
そんな興味津々の好奇心旺盛な方、一緒に作って食べておしゃべりしてみませんか。
お待ちしています^^
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