自家製酵母のパンってどんなイメージでしょうか?
難しいそう?
興味がある?
世間のいろんな時代の流れの中でおうち時間が増えた時、
パン作りのブームが起こりました。
酵母から作ってみたい。
自家製酵母パンを作ってみたい、という憧れもあるようです。
それって、みんな手作りに目を向けたってことですね。
環境の変化や時代の流れの中での「食」の変化から健康について考えた時
昔ながらの食事や発酵文化が見直されてきていることを感じます。
さて、今日はそのパン作りブームのひとつの
自家製酵母のほったらかしの発酵についてのお話をしてみたいと思います。
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天然酵母ぱん蔵の 椿留美子です。
お山での田舎暮らしを実践、発酵生活をしています。
そんな暮らしを踏まえながら、東京と山梨で自家製酵母を使って、
発酵器を使わない、ほったらかしの「ゆるパン」教室を2009年より始めました。
現在は仕事で使いたい方、深く極めたい方向けのプロ向け講座をやっています。
自家製 酵母 – ほったらかしの自然発酵で作る3つのコツ 発酵器を使わない自家製酵母パンのすすめ
このお話を動画でご覧になりたい方はこちらからどうぞ。
自家製酵母の発酵は発酵器じゃないとダメ?
自家製酵母のレシピをみても発酵は
〇〇℃で△△分
と理科の実験室のような工程が書いてあります。
そんなにちゃんと細かくやっていかないと美味しく焼けないの??
そんな疑問をお持ちの方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
私もそうでした^^;
お菓子作りは科学である、というようなことをよく耳にしていましたが
(計量をしっかりしないと失敗するよ、とか)
パンもそうなんだ・・・と。
だいたい日々の食事ってお母さんは目分量でやっていますよね。
うちの母もそうです。
大きな一升瓶に入った料理酒やお醤油をそこから直接ドボドボ・・・
「あ、ちょっと入れすぎたかな〜」
なんて言いながらやっていたものです。
今の料理本に書いてあるレシピには大さじ◯杯、△ml、とか書いありますが
昔の主婦はおばあちゃんから教わった感覚でやっていたんですね。
おそらく日々の食事を作る上において、調味料などを計量する
なんて考えもしないことだったでしょう。
(今の主婦たちもほとんどそうであると思いますが)
ある時、ある生徒さんからのこんなお話を聞きました。
その方はエクアドルの外交関係のお仕事をされていたことがあって、
その土地のパンの作り方を教えてもらったそうです。
現地の方から教えてもらったものは、ライ麦から起こす酵母でした。
いわゆるサワー種ですね。
秘密ですよ、と言いながら現地のおばちゃんから教えてもらった内緒のレシピ。
それを教えてくださったんです。
その作り方は本当にアバウトなものでした。
粉と水と混ぜて置いておく・・・というような。
そして発酵やパンの作り方も書いてありましたが、温度設定なんてありません。
ほんと、適当なレシピなんです笑
でもその適当とは「いいかげん」という意味のものではありません。
適当(=一番適したやり方)なんですね。
でも「すっごく美味しかったー!!」そうです。
「そのパンがまた食べたいんです」と。
考え方の違い、国民性の違いを感じましたね。
私はとっても嬉しい気持ちでした。
日本はオーブン機能をみてもそうですが、ものすごく細かくて正確です。
これは几帳面な国民性だと思います。
そのやり方が料理やパン作りにも現れているんですね。
しかし、私のやり方はどっちかっていうと、このエクアドルのおばちゃん寄りなんです(笑)
大胆に、美味しいものを作る^^
ああ、こういう作り方でものすごく美味しいパン作りができる。
そうだよね、と。
ちょっと前置きが長くなってしまいましたが、そういったこともあって
発酵器はいらないというほったらかしパン
がますます好きになり、皆さんにもおすすめしています。
自家製パン酵母の元気になる環境を知ろう
しかし、ただほったらかしておくだけではダメなんですよ。
ポイントがわかった上でのほったらかしです。
一番大事なのは、酵母の元気になる環境を知ることです。
そしてよくない環境であれば手助けしてあげます。
元気にのびのびと活動してほしいですから。
これって子育てと似てるんです。
親は元気に成長できるように環境を作ってあげますよね。
寒い時は布団をかけて、暑い時はお庭で水遊び。
食べ物もその子の成長に合わせて量を決めて調理する。
もっというと、
あんまり構いすぎないでほったらかしでそっと見守り、
時々よしよししてあげる、ってことです^^
そっくりそのまま酵母にすることなんですね。
あんまり構えないでいいんですよ。
ちょっとくらい子育てが上手くいかなくても、
子供は自分で成長する力も持っていますから^^
(時には手抜きしないと、手抜きだらけの私・・)
ほったらかし自然発酵で上手く焼く3つのコツ
さて、そんな自家製酵母のパン作り。
自然にほったらかしで美味しくパンを作る3つのコツをご紹介します。
酵母は菌 菌の元気になる環境の工夫
菌っていろんな種類があります。
地球上の菌は宇宙の星の1億倍もあるそうですよ!!
えー、ですね。
そんな菌の中でも私たちの身近にあるもので、私たちは
体にとってよい影響を与えるもの、悪い影響を与えるものというふうに分けて考えています。
そのよい菌も悪い菌もそれぞれの菌にとって一番活動できるベストな環境があるわけです。
ではパンを焼くための酵母菌はどんな環境がよい?
一般的には温度は30〜40度くらいと言われます。
私たち人間にとって心地よい気温が20℃前半と言いますから
私たちにとって過ごしやすい温度よりもちょっと高い、ということです。
それに加えて湿度を好みますので、湿気があった方がいいのです。
そんな環境、想像してみてください。
もし、室温でそんな環境じゃなかったら(寒いとか暑すぎるとか)
ちょっと助けてあげるといいですね。
どんなふうにするかって?
私の場合は、寒かったら暖かいへやに置いてあげるとか、ホットカーペットや
こたつなどをおすすめしています。
暑い時期の方が要注意です。これは冷蔵庫を上手く利用するのがいいですね。
夏の冷蔵庫を使ったやり方はこちらの記事をどうぞ。
冷蔵庫 発酵 パン – 夏はパン生地発酵はどうしてる?プロが教える自然発酵のおすすめは冷蔵庫(=野菜室)で発酵させる!
環境によって変わる時間
温度だけではありません。
その時の季節やお部屋の状態によって時間も変わってきます。
何時間置いておいてください、とはっきり断定できないところが
皆さん難しいところだとおっしゃいます。
これって、実は発酵器に入れても同じなんです。
機械の中で管理されても季節によって正確に何分、というわけにはいかない時があります。
ほったらかしでも、機械管理の中でも実は一番大事なのは
パン生地の状態なのです。
この状態を見極めることで発酵完了かどうかを判断します。
その判断の仕方についてはこちらの記事に書いています。
パン 一次 発酵 – これって発酵できてる?パン生地の一次発酵が完了しているかどうかの見極めポイントはここ!
部屋にいい菌を増やそう
これは結構知らない方がいらっしゃるかもしれません。
老舗の酒蔵や味噌醸造所、お醤油の醸造所などはそうなんですが、長年同じ場所で
発酵食品を作っているところはその菌たちが住み着いています。
『こうじ室、酒母室、発酵室、いずれも
一般に作業が多くある時は,浮遊微生物の数が多い。』
*国税庁醸造試験所のデータより
ある新装開店のパン屋さんも、最初のうち酵母菌が増えるまでは
以前のように上手く焼くのがかなかなか難しいと言っていたのを聞きました。
そうなんです。
住み着いている菌によって作られる発酵食品はとても影響を受けているんです。
何回も自宅でパンを焼いていてだんだん上手になってきた、
というのはもちろん腕が上がったということもありますが、
浮遊菌などによって美味しく焼けてきているという側面もあります。
私の知り合いのパンの先生は、引っ越してきてパン教室を始める前に
部屋のいろいろな場所に酵母をおいていた、とおっしゃっていました^^
そんなふうにプロでも工夫しているんです。
これもぜひご参考にしていただきたいと思います。
自然発酵は生活のリズムに合わせられる「ゆるパン」生徒さんの声
ぱん蔵の生徒さんは
・初めてパン作りに挑戦したい方
・どこかでパン作りをされていた方
・先生の資格までとったけどまた勉強したいという方
などいろいろな方がいらっしゃます。
その皆さんがほったらかしの「ゆるパン」をらくらくコントロールして
生活のリズムに合わせて使いこなしていらっしゃいます。
「自家製酵母がこんなに楽にできるとは思わなかった」
「うちでもできそう」
など本当に楽しく焼いてくださっています。
初めて自家製酵母を作った生徒さんの感想はこちらの動画にもあります。
そして何より嬉しいのは
「家族が楽しみにしている」とおっしゃることです。
レッスンではこねたパン生地を持ち帰ってもらうので、
これはもう半強制的に(?)うちで焼かなくてはいけません。
復習する、ということでもあるんですが、
忙しい方でそんなにパンを焼けないという方も
頑張って焼いてくださいます。
それが家族に好評で
「毎月教室でパン生地を持って帰るのを楽しみにしている」
ということなんです。
とっても嬉しいですね。
酵母菌などの菌や自然界のものには猶予がある
もう一つお伝えしたいのが、私が田舎生活で学んだことで、
天然酵母のほったらかしパン作りにとっても共通していることです。
それは何かというと、
自然界のものには猶予がある
ということです。
これは農作業を7年間していて学んだことです。
この7年間でさまざまな野菜などを植えて育て収穫してきました。
種をまき、芽が出て、実がなり収穫していく。
「種まきの時期」というものがあります。
しかし、少々前後しても大丈夫ということがわかってきました。
「収穫の時期」がある。何日という目安はありますが、そんなきっちりしてなくても大丈夫。
そんな自然界の懐の深さに、私は毎日圧倒され感動していました。
酵母もそうです。
発酵もそうです。
タイミングはあります。
しかし猶予があるんです。
理論的な数値じゃない。観察と感覚。
そんなことを自然から学んでいます。
酵母のプクプクした様子をみていると宇宙をみているようです。
私たちに何かを教えてくれている気がして、その謎解きのために
私はこの仕事を選んだのかなという気にさせられたりもします。
ほったらかしの自然発酵で作る3つのコツ 発酵器を使わない自家製酵母パンのすすめ まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回はほったらかしの自然発酵というのものに焦点を当ててお話ししてみました。
ほったらかしで美味しく作る3つのコツ
1酵母は菌 菌の元気になる環境の工夫
2環境によって変わる時間
3部屋にいい菌を増やそう
私の田舎暮らしの経験を踏まえての、ほったらかしの自然まかせのパン作り。
酵母の活動や生地の状態を上手くコントロールしていくと
日々の生活の方に上手に取り入れられて、楽にパン作りが出来る。
そして天然酵母の美味しい焼きたてパンが食べられる!
というとっても嬉しい方法なんです。
ポイントは酵母にとってよい環境を知って手助けしてあげることと
生地を上手く見きわめていく、ということです。
それがわかるようになればこっちのものです。
気楽に楽しく「おうちゆるパン」を焼いていけたらいいですね。
酵母や発酵の魅力がいっぱい詰まったパン作りです。
ご参考になれば嬉しいです。
こちらはゆるく作る自家製酵母のパン作りってどんなの?という記事です。よかったらお読みください。
自家製 酵母 – 自家製酵母でこんなに簡単にパンが作れる?発酵器にも入れない、ほったらかしの簡単に作れるゆるパンって何?
・・・・・・・・・
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