家族に「普通のパンがいい」と言われたあなたへ。旨味センサーをこっそり育てる方法

天然酵母パン 作り方−ポイント、実験、裏話など

一生懸命焼いた天然酵母パンを家族に

「固い」

「いつものパンがいい」

と言われて落ち込んでいませんか?

それはあなたの腕が悪いのではなく、無添加の証拠です。

やわらかく作る生地の工夫や、翌日もふんわり食べる温め方、

家族の「旨味センサー」を自然に育てるちょっとした工夫をお伝えします。

 

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天然酵母ぱん蔵の  椿留美子です。

お山での田舎暮らしを実践、発酵生活をしています。

そんな暮らしを踏まえながら、東京と山梨で自家製酵母を使って、

発酵器を使わない、ほったらかしの「ゆるパン」教室を2009年より始めました。

現在は仕事で使いたい方、深く極めたい方向けのプロ向け講座をやっています。

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家族に「普通のパンがいい」と言われたあなたへ。旨味センサーをこっそり育てる方法

 

もうすっかり春なので、すごく活動しやすい時期になりましたね。

これから少し飛び回っていこうかなと思っています。

 

実は昨日、私が以前住んでいた富士川町の方へ出かける用事があって、ご近所だった農家さんにご挨拶に行ってきたんです。

すっかりご無沙汰してしまって「お久しぶりだねえ」なんて言われちゃったんですけど(笑)

 

お教室に置いてある美味しい奈良漬けを作っていただいたり

大根から育ててたくあんを作っていただいたりと、本当にお世話になっている農家さんです。

 

今年も甘くて、メロンの糖度もあるという

「甘々娘(かんかんむすめ)」

というトウモロコシがすくすく育っているみたいなので

サロンの皆さんは楽しみにしていてくださいね。

 

 

そんな農家さんを訪ねて、改めて感じた「育てる」ということの豊かさ。

今日はそこから繋がる、パン作りと家族のお話をさせていただこうかなと思います。

 

 

農家のお母さんに教わった、自分で育てて食べる「当たり前」の凄さ

 

農家のお母さんたちとお付き合いしていると、いつもハッとさせられることがあります。

それは、自分で作ったもので食事を作るというのが、もう当たり前になっている姿なんですね。

ちょっとそこまで畑に行って野菜を採ってきて、ササッと簡単にご飯を作って食べさせてくれる。

その一連の流れが本当に自然で、これこそが真の自給自足なんだなって感動します。

 

自分の手で育てたもので食をまかなっているって、本当にすごいことですよね。

 

これって、私たちが酵母を育ててパンを焼くのと同じ感覚だなと思うんです。

見えない菌の声を聞いて、時間をかけて育てて、それを食卓に並べる。

 

とても豊かで、命のエネルギーに満ちた営みです。

 

でも、そんな風に一生懸命時間をかけて焼いたパンだからこそ

時には家族の反応に心が折れそうになることもありますよね。

 

 

「いつものパンがいい」は、あなたが本物を焼いている証拠

 

ご家族に天然酵母のパンを焼いた時に、コンビニのパンの方がいいなとか、固いねとか、

「普通のパンがいい」って言われたことってないでしょうか。

 

実は私もあるんです。

パンを焼き始めた当初、特に夫は市販で買ってきたパンとか

ドライイーストの手作りパンに慣れていたので、天然酵母のパンを出すと

「うーん…」という顔をしていました。

 

せっかく家族の健康を思って一生懸命作ったのに「いつものふわふわパンがいい」なんて言われると、本当にショックですよね。

もうパン作りやめちゃおうかなって落ち込むこと、あるんじゃないかなと思います。

まずそういう時は、自分を責めるんじゃなくて、うんと褒めてあげてくださいね。

家族に美味しいものを、体にいいものを食べさせてあげたいと行動した自分。

それだけで、あなたは本当に素晴らしいお母さんです。

 

そして知っておいてほしいのは、家族があなたのパンを固いと感じるのは、

決してあなたの腕が悪いからではないということです。

 

現代のコンビニやスーパーのパンって

添加物やたくさんのお砂糖、油脂を使って、噛まなくても

スッと溶けるように人工的にふわふわに作られています。

 

それに慣れてしまっていると、【お水と粉と酵母】という

シンプルな食材だけで作られた、しっかり噛みしめる自家製酵母のパンは

どうしても食べにくいと感じてしまうんですね。

 

現代人は噛むこと自体に慣れていなくて、顎も弱くなり柔らかいものを好む傾向にあります。

お年寄りで歯が弱いという方は仕方ない部分もありますが、子供の頃から噛んで旨味を出すことに慣れないまま大人になってしまうのは少し寂しいですよね。

 

だからこそ、家族が固いと言うのは、あなたのパンが無添加で自然な本物のパンである証拠なんです。

 

 

生地で歩み寄る。最初から「食べやすく」焼くためのひと工夫

 

とはいえ、家族が食べてくれないと悲しいですよね。

そこで、ご家族が無理なく天然酵母パンの美味しさに慣れていけるように、ちょっとした工夫をしてあげるのがおすすめです。

それは、家族が食べやすいように少し柔らかく焼き上げる歩み寄りです。

 

生地をこねる段階でできる工夫がいくつかあります。

 

まずは、お水などの水分量をほんの少し増やしてみることです。

少し加水を多くするだけで生地がしっかり保湿されて、

翌日もパサつきにくい柔らかいパンに焼き上がります。

 

それから、生地に少しだけ良質なオイルやバター

あるいは蜂蜜などを足してあげるのも効果的です。

 

お砂糖をどっさり入れる必要はありませんが、こうした自然な甘みや油脂が少し入るだけで、口当たりがぐっと優しくなって食べやすくなります。

 

あとは、粉の配合を変えてみるという方法もあります。

強力粉だけで焼くのではなく、少し薄力粉を足してあげると、歯切れの良いサクッとしたパンに仕上がる傾向があります。

最初はこうやって少しずつ工夫をして、ご家族が

「これなら美味しいね」

と食べてくれる歩み寄りのパンを焼いてあげるのがおすすめです。

 

柔らかいパンを焼きたい方はもっと詳しく解説しています。

レシピ通りにやってもパンがふわふわにならない方のための、3つのチェックポイントを、パン教室の先生が解説

手作りの天然酵母パンは固くなってしまいやすいとお悩みの方に、ふわふわにする材料の秘密

冷蔵庫での長時間発酵ではどうしても固くなってしまうという方に、ふわふわに仕上げるポイントをお話をします

 

 

翌日のカチカチパンを「焼きたて以上」にする復活術

 

そしてもう一つ、自家製酵母パンの最大の悩みといえば、

翌日になると固くなってしまう問題ですよね。

 

添加物が入っていない自然なパンなので、自分でついたお餅が

翌日にはカチカチになるのと同じで、これはもう当たり前のことなんです。

 

これをそのままトースターで焼いてしまうと、水分が飛んで余計にカチカチになってしまいます。

固くなったパンを翌日も柔らかく食べる一番の方法は、水分をしっかりと補ってあげることです。

 

トースターで焼く前には、霧吹きでシュッシュッとお水をかけて、結構たっぷりめにかけてから焼いてみてください。

生徒さんにはパン用の霧吹きを100円ショップのものでいいから用意しておいてくださいねと

お伝えしているくらい、霧吹きは重要です。

 

 

そうすると、軽く焼くだけで外はカリッと、中はもちっと焼きたての状態に戻ります。

でも、私がさらにおすすめしたい最高の方法があるんです。

 

それが蒸すということです。

 

蒸し器を使ったり、フライパンに少しお水を張って網を置いてパンを蒸してみてください。

とにかく焼きたてのような、驚くほどもっちりとしたふわふわのパンに生まれ変わります。

そして水分をたっぷり含むことで粉の旨味がすごく感じられるようになって、小さなお子さんもペロッと食べちゃうくらいの柔らかさになるんです。

 

実はこれ、天然酵母のパンだからこそできる美味しい食べ方なんですね。

ドライイーストのパンでこれをやってしまうと、もうふにゃふにゃになってしまいます。

天然酵母のしっかりとした骨格のあるパンだからこそ、蒸すことでむっちりとした弾力が蘇るんです。

本当に美味しいので、ぜひ一度試してみてくださいね。

 

 

焦らなくていい。家族の「旨味センサー」はゆっくり育つ

 

こうやって食べやすいように柔らかくする工夫をして、温め方もひと手間かけて食卓に出してあげる。

それを続けていると、面白い変化が起きてきます。

自家製酵母のパンって、噛めば噛むほど小麦の甘みや酵母の深い旨味がじんわりと口に広がりますよね。

ご家族も最初は固いなと思っていても、歩み寄りのパンを毎日少しずつ噛みしめて食べているうちに、舌が本物の旨味をゆっくりと覚えていくんです。

 

するとある日突然、こんな風に言うようになります。

「あれ、今日の市販のパンなんか味がしないよね」

「甘すぎるね」

「お母さんのパンの方が美味しいね」

 

これ、私の実体験なんです。

うちの子供も最初は手作りに慣れていなかったのに、今では

「お母さんのパン食べたい」

と言ってくれるようになりました。

夫も同じで、昔は市販のパンに慣れていて固いと言っていたのに、今はもう

「自家製酵母のパンじゃないと物足りない、これが美味しいよね」

と言ってくれます。

 

自家製酵母の旨味を知ってしまうと、市販のパンでは満足できなくなってくるんですね。

だから、無理に「体にいいから食べなさい」と強制するのではなくて

美味しく食べやすく工夫をしてあげながら、何気なく家族の旨味センサーをこっそり育てていく

 

これこそが、お母さんの最高の愛情なんじゃないかなって私は思います。

 

固い、普通のパンがいいって言われて傷ついた日は、今日ご紹介した

水分の足し方や、蒸すという温め方を試してみてください。

 

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一人でネットを見て落ち込むのではなく、ぜひ安心できる環境で

笑顔で楽しくパンを焼いていってほしいなと思います。

今日も元気に頑張っていきましょう。

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